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〈同性愛遺伝子〉は存在しない

先天的であれ後天的であれ、ゲイであることはすばらしい。

by Alim Kheraj
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10 September 2019, 8:44am

数十年にわたり、研究者たちは〈同性愛遺伝子〉という捉えがたきものが存在するのか否かを議論してきた。同性愛遺伝子、すなわちヘテロセクシュアルとゲイ、レズビアンを区別する遺伝子マーカーだ。

レディ・ガガが「Born This Way」で歌ったように、ひとびとはこのように生まれてくるのか、それともこのように形作られるのかという疑問は、長らく結論が出ないままだった。

この議論に、ついに科学が最終回答を突きつけた。『Science』に掲載された新研究で、約500万人という大規模な遺伝子解析を行ない、同性愛遺伝子は存在しないことが判明した。

本研究では、UKバイオバンクと個人ゲノミクスおよびバイオテクノロジー企業〈23andMe〉のデータを使用。そして同性愛行動に影響している多数の〈遺伝的変異体〉、すなわちDNAにおける小さな差異を突きとめた。

しかしそうだとしても、その差異は決定的なものではない。実際それらは「同性愛行動のうち、最大8〜25%」しか説明できない、という。つまり、同性愛行動には具体的な遺伝要因がない可能性が高い。ただ本研究では、同性愛の生物学的要因を否定しているわけではない。

「性行動を決定する要因として、遺伝の関連性は半分以下ですが、それでも非常に重要な要素です」と遺伝学専門のベン・ニール博士はBBCに語った。「同性愛遺伝子という単一の遺伝子は存在しません。また、遺伝子検査では自分が同性愛者になるかどうかもわかりません。ゲノムから個人の性行動を予測することは実質的に不可能です」

『The Guardian』の記事によると、研究の著者たちは、ひとつの尺度の上に存在し、男性/女性と二元的に捉えられているセクシュアリティについては議論の余地があると語っている。「異性愛に関連する遺伝子、同性愛に関連する遺伝子があり、それらの遺伝子は独立しています」と語るのは、本研究の共著者でクイーンズランド大学のブレンダン・シーチュ(Brendan Zietsch)博士だ。

「本研究の結果から推測されるのは、性的指向を、異性愛者から同性愛者までの連続体として測るべきではないということ。それより、同性への興味と異性への興味、というふたつの次元で考えるべきなのです」

UCL(ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン)遺伝子研究所のデヴィッド・カーティス(David Curtis)名誉教授はBBCにこう述べた。「この研究が示すように、同性愛者になるかどうかは遺伝子で決まるものではありませんが、それが個人が生来的に有する不可分な人格であることも否定しません」

LGBT団体〈GLAAD〉のジーク・ストークス(Zeke Stokes)はその考えに共鳴する。「この新しい研究は、ゲイやレズビアンの行動が先天的なのか後天的なのかという問題が、ゼロか100かで語られるものではない、という古くからの認識を再確認してくれました」

同性愛になるか否かを決定する遺伝子がないという事実によって、同性愛は異常でも遺伝子変異の結果でもないという見解が支持される。

むしろ同性愛の傾向は、人間であることの根幹にある、生物学的に生来のものと考えられる。ゲイ、レズビアン、バイセクシュアル、パンセクシュアルのひとたちは、ずっとわかっていたことだ。

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