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「私は人生とデートしてる」:出会い系アプリ不要のディーバ

ビョークに出会い系アプリはいらないようだ。

by Hannah Ongley; translated by Aya Ikeda
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17 November 2017, 6:12am

Photography Ari Magg [The Passionate Issue, No. 244, June 2004] 

This article was originally published by i-D US.

ビョークはテクノロジーの異端児だ。これまでにも、最先端のソフトウェアを用いて楽曲制作をしたり、仮想通貨ビットコインを利用した音源販売、3Dプリンターで出力した自分の顔のマスクを身につけたり。世間がハマっているアプリなんて、彼女には関係のないのだ。Facebookの代わりに彼女は散歩をし、Tinderの代わりに自分の人生と向き合っているに違いない。

「人生とデートしている」とビョークは『Utopia』のリリースに際して『ガーディアン』誌に語っている。「なんていうか私にとっては “新しい手”や“新しい足”みたいな......新しさを得るような感覚。まるで新たな冒険に出発するような感じ」。なにも彼女は出会い系アプリを否定するわけではない。「『Utopia』は私にとってTinder的な作品」と表現した彼女は、いわゆる“新しい出会い”を得たときに感じる興奮と不安についてこう話す。「Tinderは面白いと思った。だけど絶対手を出せないとも思った」

ビョークが『Utopia』を例えてみせたのはTinderだけではない。あるインタビューで彼女はアルバムを『ザ・シンプソンズ』に出てくるスリー・アイド・フィッシュのような植物が自生する、ドナルド・トランプさえも寄せつけない自然豊かな島になぞらえた。一見現実逃避をしているようにも聞こえるが、彼女は現実世界を見捨てたというわけではない。いまの彼女の関心は、ステレオタイプ(男性中心)的な考え方が徐々に変わりつつあることへと向いている。自身が受けたセクハラ体験を例にこう語る。「今、若い男性のあいだで変化が起こり始めている。特に10代の男の子たちは感情的に影響を受けやすく、おそらくこれが次に向き合わなければいけない問題だと思う」。ビョークの予言はよく当たる。ということは、男性らしさを強調する社会の終焉はそう遠くないはずだ。