UNDERCOVER 22AW:反抗とエレガンスが結びついた自由と平和への願い

UNDERCOVERの2022年秋冬ウィメンズコレクションのショー前日、デザイナーの高橋盾は、「ファッションと自由は切に結びついています」と自身のInstagramに書き記していた。

by Tatsuya Yamaguchi
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10 March 2022, 9:13am

数えられるほど、しかし、はっきりとした光だけで灯されたストレートなランウェイがあった。ゲストは、音のない暗闇を降っていく。パリでの発表を見送り、東京でのショーを選んだUNDERCOVERの2022年秋冬コレクションのタイトルは、「Cold Flame」。「心の奥底に燻る冷たいREBELな炎がテーマ」と書き添えられた。平和への願いがともる精神的な世界に潜り込んだ先を歩いたのは、反抗のメタファーが散りばめられた45のルックだった。

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無音のまま、明転。身体に沿って、いくえのゴールドファスナーが服地を繋ぎ合わせ、スリッドを作り出したり、ペプラムやイレギュラーのシルエットを造形した、フォーマルなブラックドレスが現れた。終盤ではコンパクトなレザーブルゾンは肩線にも用いられ、エレガントなシェイプが開閉によって形が変化。ジップとは、切り離されて外見が変わっても、何度だってふたたび結びつくものだ。

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ショーは、オケージョンウェアを中心に、詩的な転換を繰り返した。曲線形のシルエットやフリンジが揺れるハートのモチーフ、モコモコしたファブリックの選択、マスクにもなったカラーレース、丸みを帯びたビルドアップショルダーは柔和なイメージ。しかし、甘さに振り切らない。マスキュリンなタキシード仕立てや、ワンドパンツのパンツスーツ、硬質なファブリックは強さを。無数の長い針が連結したようなネックレス、イヤリング、バングル、巨大化したセイフティーピン、イバラのようなヘッドピース、透明なスタッズといったパンクスピリットが随所に融和し、華やかさとエネルギッシュさが共存するルックが闊歩していく。椿の花と剃刀の刃のモチーフ、きらきらと光るタータンチェック柄のクロップド丈のブルゾンは最たるものだった。手描きのピースマークのバッチそれだけで、平和を深く願うデザイナーの心が、開演前の光のようにささやかだが確かに添えられた。

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