Photo by Ron Galella/Ron Galella Collection via Getty Images, Barry King/Liaison, Jim Smeal/Ron Galella Collection via Getty Images

1990年代アカデミー賞のアイコニックなルック7選

好みは人それぞれだが、アカデミー賞が時代を象徴するファッションを見せてくれたことに変わりはない。

by Zoë Kendall; translated by Nozomi Otaki
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14 April 2022, 5:00am

Photo by Ron Galella/Ron Galella Collection via Getty Images, Barry King/Liaison, Jim Smeal/Ron Galella Collection via Getty Images

好むと好まざるとにかかわらず、オスカーは毎年この時期に戻ってくる。今年はパンデミック以来初めて、おなじみの会場ドルビー・シアターで、例年どおり2月下旬に開催された。視覚的なディレクション、感情に訴える脚本、見事な演技など、映画のあらゆる要素を讃える年に一度の式典は、映画業界の一大イベントだ。同時にこの式典の名高いレッドカーペットは、ファッション業界にとってのビッグイベントでもある。

設立以来、アカデミー賞授賞式は歴史に残るアイコニックなルックの舞台となってきた。Wikipediaのアイコニックなドレスリストの33着のうち21着は、同授賞式のレッドカーペットで披露されたものだ。オスカーのルックは長年、ファッション業界とトレンドのサイクルに大きな影響を与えてきた。それが最も顕著だったのが1990年代だ。1991年、シンディ・クロフォードが着用した真っ赤なVersaceのドレスは、数多のコピー商品を生み出した。グウィネス・パルトロウのRalph Laurenのドレスは観客を大いに喜ばせ、リジー・ガーディナーのアメリカン・エキスプレスのカードを繋ぎ合わせたドレスは大きな話題を呼んだ。時代の流れを変えたドレスもあれば、今日に至るまで影響を与え続けているドレスもある。この授賞式とレッドカーペットを讃え、90年代アカデミー賞の最もアイコニックなルックを振り返る。

cindy crawford in a red versace dress posing on the oscars red carpet with richard gere 1991
Photo by Ron Galella/Ron Galella Collection via Getty Images

1991年 シンディ・クロフォード

1991年、プラスワン(※招待客の同伴者)としてオスカーに出席したシンディ・クロフォードは、他のどの招待客よりも輝いていた。当時のボーイフレンド、リチャード・ギアとともに現れたスーパーモデルは、Versaceの胸元が広く開いた真っ赤なドレス姿を披露。このドレスはこの夜の主役をさらっだけでなく、1990年代前半のトレンドにも影響を与え、このルックのファンのために大量のコピー商品が制作された。レッドカーペットに登場するやいなや、このドレスはオスカーの歴史に刻まれ、専用のWikipediaページと授賞式のオールタイムベストにも掲載された。その人気を証明するかのように、1999年のオークションでの落札額は1万2500ドル(約142万円)にのぼった。

geena davis posing on the oscars red carpet in a white dress 1992
Photo by Miranda Shen/Fotos International/Getty Images

1992年 ジーナ・デイヴィス

ジーナ・デイヴィスのオスカールックはいつも注目の的だ。1992年、『テルマ&ルイーズ』でノミネートされた彼女は、出席者の視線を独占した。ルース・マイヤーズによるこのルックが少々やり過ぎ(コルセットにフリルのトレーン、タイツ、さらにグローブまで!)に思えたなら、まさにその通りだ。自身のデザイン案について、ジーナは『タイム』誌に次のように語った。「ムーラン・ルージュとブラック・アンド・ホワイト・ボール(※作家トルーマン・カポーティが開催した仮面舞踏会)を融合したくて、クリストとジャン=クロードにブライダルドレスとウェディングケーキを組み合わせたデザインを依頼した」。その結果完成したキャンプなドレスによって、ジーナはその年のワーストドレッサーのひとりに選ばれたが、それでも過去10年で特に印象深いオスカールックであることは確かだ。

lizzy gardiner wearing a gold american express card dress on the oscarsred carpet 1995
Photo by Barry King/Liaison

1995年 リジー・ガーディナー

1995年、オーストラリア出身の衣装デザイナー、リジー・ガーディナーは、自らデザインした衣装でレッドカーペットに登場した。それは254枚の期限切れのアメリカン・エキスプレスのゴールドカードを繋ぎ合わせたロングドレスだ。パコ・ラバンヌを彷彿とさせる風変わりなドレスは、もともとコメディ映画『プリシラ』に使用される予定で、シドニーのドラァグカルチャーを着想源に制作されたものだった。映画の完成版には登場しなかったものの(アメリカン・エキスプレスの許可が下りなかった)、リジーは授賞式で着用することに決めた。このルックは批評家から酷評を浴びたが(『タイム』誌には「悪趣味」と一蹴され、『コスモポリタン』誌には「オスカーの史上最悪のドレス」のひとつに選ばれた)、最後に笑ったのはリジーだった。このゴールドのアメックスのドレス姿で、彼女は『プリシラ』で見事衣裳デザイン賞を獲得したのだ。

nicole kidman posing on the oscars red carpet in a john galliano for dior couture dress 1997
Photo by Ke.Mazur/WireImage

1997年 ニコール・キッドマン

私たちは、プラスワンのゲストがその相手の人気をさらう瞬間が大好きだ。それがニコール・キッドマンなら、なおさらそうだ。1997年、ニコールがレッドカーペットで着用したドレスは、オスカーのファッションの歴史を塗り替えた。それはDiorのジョン・ガリアーノがデザインした繊細で目の覚めるような黄緑色のドレスだ。授賞式で定番となっているドレスに比べ、ファーと凝った装飾の施されたこのエキセントリックなルックはかなりリスキーだったが、結果として大成功を収めた。レッドカーペットの記者はこのルックを授賞式史上「初めての本物のクチュールドレス」と銘打った。このドレスをきっかけに、オスカーのスタイルは現在のようなより実験的な方向へと向かうことになる。

jada pinkett smith in a versace set with will smith at the 1997 oscars
Photo by Jim Smeal/Ron Galella Collection via Getty Images

1997年 ジェイダ・ピンケット・スミス

似たり寄ったりなY2Kルックが一世を風靡するずっと前、ジェイダ・ピンケット・スミスは1997年、このVersaceのルックで授賞式に登場した。このメタリックなメッシュ素材のへそ出しルックは、授賞式で定番化していたボールガウンとは一線を画していたが、当時の時代背景を完璧に捉えていた。1997年、Versaceはまさに時代を象徴するデザイナーだった。体の輪郭を強調するセクシーなルックは、間違いなく2000年〜2020年代にかけての未来のスターのスタイリングに大きな影響を与えた。

gwyneth paltrow holding her oscar in a pink gown 1999
Photo by Jim Smeal/Ron Galella Collection via Getty Images

1999年 グウィネス・パルトロウ

1999年のオスカーで、グウィネス・パルトロウは主演女優賞の受賞だけでなく、着用したドレスでも新聞のトップ記事を飾った。Ralph Laurenのピンクのタフタ生地のドレスだ。『Vogue』のインタビューによると、このドレスはグウィネスが同ブランドのルックブックから似たデザインのピンクのスカートをリクエストしたあと、彼女のためだけに制作されたカスタムメイドだという(「まだスタイリストが存在しなかった時代の話」と彼女は微笑む)。当時、このドレスはファッション批評家とファンに賛否両論を巻き起こした。古き良き華やかなハリウッドの再来だと讃える声もあれば、子どもっぽい色合いを冷笑する声もあった。しかし、21世紀を迎えた今、このドレスはオスカー史上最もアイコニックなルックのひとつに君臨し続けている。このドレスにもまた、専用のWikipediaページがある。

celine dion posing in a backless tuxedo on the oscars red carpet 1999
Photo by Jim Smeal/Ron Galella Collection via Getty Images

1999年 セリーヌ・ディオン

これこそが、セリーヌ・ディオンを音楽界のレジェンドから現在のようなファッションアイコンへと転身させたルックだ。1999年、彼女はDiorのタキシードを前後を逆に着用し、フェドーラ帽を合わせて授賞式に登場した。レッドカーペット上のウィメンズウェアがボールガウンに限られていたこの時代、セリーヌのルックは前衛的すぎると、ファッション批評家からは酷評された。このリスキーなルックについて、セリーヌは『ピープル』誌に「パンツルックでガリアーノのスーツを逆に着たのは私だけだったけれど、今着たとしても十分通用するはず」と語っている。セリーヌは誰よりも時代を先取りしていたのだ。

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