Rina Saitoが撮るウクライナと日本のユース達。反抗と自由の精神に溢れる彼らの姿について

新進気鋭のフォトグラファー、Rina Saitoの写真は反抗と自由の精神に溢れたユース達の魅力について私達に教えてくれる。

by Kazuki Chito
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22 December 2021, 9:00am

i-Dは創業初期からYouth(ユース)にフォーカスし、約40年間そのカルチャーを讃え続けてきた。国籍、宗教を問わず、皆ユースだった頃がある。そして、ユースという言葉は特定の年齢層を指し示す言葉に留まらず、勢い、反抗、自由、荒々しさ、といった言葉に関係付けられ、その言葉は一つの流動的な文化体系であるユースカルチャーというものにまで飛躍する。そんなユース達の普遍的で溢れ出るエナジーを撮るのは気鋭のフォトグラファー、Rina Saitoだ。彼女はフィルムにユース達の姿を刻み込み、荒々しく反抗的でありながら、ユース達の内にある自由について私達に教えてくれる。

「私は若さゆえの強がりや、そこに自由さが見えるユース達を撮ります。彼らから感じ取るエナジーは国籍関係なく存在すると思うし、私はそのエナジーが大好きなんです。」

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そんなユースの姿を撮り続けるRina Saitoの最新フォトジン、『Blooming Youth』にはウクライナと日本のユース達の姿がリアルに映し出されている。

「私にとってのユースは整えられた美しさや綺麗さではなく、勢いや荒さです。それを表現したいというのがあって、製本された写真集ではなくジンという形にしました。私の友人や仲間が手に取りやすい形にしたいなという思いもありました。」

「ジンに掲載した写真はウクライナで撮ったものと日本で撮ったものです。実はウクライナに行く前にフランスへ行ったんですけど、フランスだけ行くのもったいないなーって思って。フランスの友達に『ヨーロッパで他に訪れるべき国とかってある?』って聞いたら『ウクライナに友達がいるから行けば?』って言ってくれて。」

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「その友達の友達がウクライナで寝床を用意してくれました。だから空港でその子に初めて会ったんですよね(笑)泊まった家の子は同い年くらいだったから楽でした。ウクライナは遊ぶ場所が少なかった印象があります。家で友達を呼んで遊んだり、カフェで集まってずっと話してる感じでしたね。」

彼女はフランスやウクライナへ訪れる前段階から明文化されたテーマを持たずに感じるまま写真を撮ることを心掛けたという。

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「私が在学していた写真の専門学校では、必ず最初に文章化されたテーマを作るよう求められていました。でも、私は最初に言葉があると視野が狭くなるような感じがして。卒業してからは無意識に撮っていくことを心掛けました。」

そんな彼女と写真の出会いはフォトグラファーとして活躍している叔父がきっかけであった。

「叔父がフォトグラファーなんです。今は日本在住ですが、昔ニューヨークに住んでいて、その時に撮った写真を高校生くらいの時に見て感銘を受けたのを覚えています。めっちゃかっこいいってなって。そこから、私もやってみたいと思い、始めました。」

「高校生の頃にカメラを買って、学校の友達を撮ったりしていました。そこからハマっていきましたね。でも、撮ること自体が好きというわけではないんです。現像して出来上がりを見る瞬間が一番好きですね。なので、特別カメラが好きという訳でもない。完成形を見るのが私は一番好き。」

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彼女の写真の特筆すべき点は、被写体との深い関係性だろう。被写体との物理的近さや、ロケーションなどを見ると、まるで彼女が普段から仲の良いユース達と遊んでいる最中に撮った様に見える。

「モデルとの物理的な距離感が近いことから、写真を見た人には仲良くなるの早いねってよく言われます(笑)」

「撮影前に被写体となるモデルと会話して、関係を作ることを心掛けています。その撮影前の会話は間違いなくインスピレーションになっていると思いますね。彼ら、彼女らと話すことでお互いのことを理解できるし、撮影というコミュニケーションもスムーズに出来ると思います。」

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「撮るユース達は直感的に決めています。自分の中で持っているユースの定義に入る子を直感的に探していて、何か勢いや、激しい情動が見えるユースを撮影したいですね。」

彼女のフォトジン、『Blooming Youth』を手に取り、写真を眺めてみてほしい。きっとそこから見えるのはユース達の外面的荒々しさや強がりであり、瞳の奥にある自由の精神だろう。そしてそこから、どれほどRina Saitoが彼らに魅力を感じ、国籍問わず存在するユースとその文化を愛しているかがわかると思う。彼女は『Blooming Youth』に掲載した数枚と撮り溜めているユースの姿をとらえた写真のいくつかを展示する個展、『FOREVER YOUNG』を2022年1月に開催予定。そちらにも是非訪れてみてほしい。

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Credit

All images courtesy Rina Saito

Information

“Forever Young”

日程: 2022年1月7日〜9日、

時間: 11:00から19:00まで(最終日18:00まで)

場所: Liam gallery(〒150-0045 東京都渋谷区神泉町3-4)