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メット・ガラで見つけた、秀逸な「キリスト教」ルック10選

地獄の釜が開いて、悪魔が解放された。

by Jack Sunnucks
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10 May 2018, 12:30pm

今年のエキシビションのテーマは「天国の肉体:ファッションとカトリックの想像力」だった。物質界において、ファッション業界以上に天使と悪魔をもてなすのにふさわしい業界もないだろうから、今回のレッドカーペットの解釈は容易いものだったはずだ。(混乱をもたらした去年のテーマ、Comme des Garconsよりは)結果として、私たちには多くのハロウィン的選択肢が与えられた。

今年以上にセックスと宗教がこんなに色とりどりに衝突する機会はないだろう。たくさんの人びとが、ベールや王冠を被り、また後光をまとい、実際の教皇の姿を模し、黄金のトリムで彩られていたが、あからさまに聖母マリアの格好をする者は誰もいなかった。

ここに私たちのお気に入りのルックを「悪魔」か「天使」かどちらかの領域に属するのか、格付けしてみた。本質的にどれが優れているというわけではない。冥土にもそれぞれの魅力が備わっているのだ。

カーディ・B
これが彼らの<無原罪の懐胎>が意味するところである。唯一の神のみが考案可能であった「Bartier Cardi」を、音楽、ファッションを救済するため、そして年寄りの司会者が跋扈する深夜番組から我らを救うために遣わしたもうたのだ。彼女はマタニティ・ルックを聖母マリア以来誰よりもキメて、女王は東方の三博士よりも優れていると証明してみせた。

ソランジュ
我らの祈りが彼女に届いた。彼女はブレードを後光のようにみたて、そしてドゥーラグを纏った。この掟破りのコンビネーションが彼女の姿を更なる高みへと導いたのだ。この写真のソランジュは、エイリアンが宇宙船の中に残した残留物のように輝くドレスを纏って、まるで宇宙船で旅をしてきたようにも見える。私たちはこの出来事が、荒廃したポスト・ドゥーラグの世界に民主主義を再びもたらすことを強く願っている。

ドナッテラ・ベルサーチ
このエキシビションの共同司会者のひとり、そして私たちが考えうる、もっともイタリア的でファビュラスなドナッテラ・ベルサーチが上位に躍り出た。彼女は私たちに生きる活力をもたらしてくれる。Versaceのクチュールドレスを纏った彼女は全てのひとと挨拶を交わしたが、これは限りある命の我々が想像に及ばないほど意味のあることなのだ。

リアーナ
彼女はローマ教皇の姿をして現れた。だが、あらわな脚にChristian Louboutinを纏った教皇である。そして彼女は、ガリアーノのメンズルックがエキシビションの目玉となっているにもかかわらず、勇猛果敢にMaison Margiela Artisanal by John Gallianoの鎧を纏ってレッドカーペットに戦いを挑んだのだ。結果、ヘアスプレーでオゾン層に穴が開いて人類が死に絶える前までに、人びとはリアーナのMet Galaの衣装の前に首を垂れることだろう。

マドンナ
誰も彼女の信仰心を芸術性以上に追求したことはなかっただろう、それは「ライク・ア・プレイヤー」で黒人のジーザスとフレンチ・キスを交わしたり、他にも数え切れないほどバチカンの気分を害したことがあろうとなかろうとだ。だから、マドンナ陛下が長年の共謀者であるJean-Paul Gaultierの衣装を纏ってお出ましになられても、私たちは驚きはしなかった。それはまさにマグダラのマリアの衣装というべきドレスであり、そして頭にはポップ界の女王にふさわしい王冠を戴いていた。彼女のセルフィーに添えられた「I am Here to Serve(ご奉仕するために参りました)」というキャプションも最高だ。ケルビムたちの歓喜の声が聞こえて来そうではないか。

SZA.
Versaceのピンクのクチュールドレスを着たSZAはまさに天国のように見えた。実際、彼女は後光を身に纏っていたのだが、それはチャイルディッシュ・ガンビーノの「This Is America」に登場した後、私たちが彼女のことをどのように感じているのかを表していた。彼女もまた、ラファエロ前派の絵画のような巻き髪と、天使の杖を携えて、装飾過多教の装いから私たちを救いにきてくれたのだ。

ラナ・デル・レイ
このルックは実際に「悲しみの聖母」にインスパイアされたものである。キリスト教的ファッションにおいては、かなり難易度が高く、聖母マリアの受難の歴史のすべてを表している。ラナ・デル・レイもまた同じように苦しんだ(彼女には何か歌い上げるものが必要だった)からこそ、彼らがこれを文字通り天与のひらめきと受け取っても不思議はないだろう。涙を青い鳥の神聖なタブローに変え、胸には剣をモチーフにマリアの7つの悲しみを表現した。聖ルチアの目を表現したオペラグラスを通して、彼女はレッドカーペットの敗者を見たのだろうか。アレッサンドロ・ミケーレに幸あれ!

ベラ・ハディッド
「2人姉妹 〜ジジとベラの物語〜」という小説があったとしたら、ベラ・ハディッドは影のある妹役を演じることになるだろう。なぜなら彼女は光の道に留まるにはイケすぎているからだ。これは彼女が、Gareth Pugh x Chrome Heartsを着用しているという純粋な事実に基づいている。これはまさに私たちが心の底から敬愛する、死の天使もしくはシェールのような装いだ。もし、万が一、ベラがシェールの後を追った場合は、不可解ではあるが、けれど思慮深いツイッターアカウントを始めるかもしれない。

フランシス・マクドーマンド
彼女はメトロポリタン美術館の前でピエール・パオロ・ピッチョーリと最後の煙草を楽しんだ。普通の人が、もしこれから何時間もの間、この世で出会うことができる最も恐ろしい部類の人びとと美術館のなかで過ごさないといけないとしたら同じような行動をとるだろう。Valentinoのオートクチュールに身を包んだ彼女はとにかく素晴らしかった。羽毛のヘッドドレスを着用し、在りし日のイザベラ・ブロウがしたように名もなき人のように佇んでいた。そして、神がかった美しい緑の色合いは、レッドカーペットの戦いを見るのに疲れきったニューヨークの警官をも誘い込んでしまうのだ。

ケイティー・ペリー
そう、最後の1人だ。だが、これはなかなかのものではないだろうか。言葉が見つからないので、修道女の皆様からコメントを頂くことにしよう。「ケイティー、お願いだからもうやめて

This article originally appeared on i-D US.