山田弘幸による失踪後初の個展「写真になった男」

失踪して姿をくらましていた写真家、山田弘幸の個展「写真になった男」が6月16日から京都にあるギャラリースペースARTZONEにて開催される。

by Ray Washio
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29 May 2018, 6:43am

©️Hiroyuki Yamada,  Courtesy of G/P gallery, Tokyo

山田弘幸は、もともと彫師として活動していたが、その後中米での滞在を経て、独学で写真を始めた写真家である。2016年には「TOKYO FRONTLINE PHOTO AWARD 2016」でグランプリを獲得し、その副賞として翌年にはG/P galleryで個展を開催するが、転機はおそらくそこだった。

山田は展覧会の終了後すべての作品をギャラリーに譲渡し、翌月には突然行方をくらましてしまう。2017年、失踪したのである。姿を消す直前、彼はしきりに「写真のなかに入りたい」と発言していたという。

今回開催される写真展「写真になった男」は山田の失踪後初の展覧会となる。展示は幼くして亡くした父の姿をスクリーンに投影し、そこに自身の身体を重ねるように撮影するシリーズ『Padre』を中心に構成される。

©️Hiroyuki Yamada, Courtesy of G/P gallery, Tokyo Photo by:Fuyumi Murata

過去の実在と喪失が表裏一体となる写真の性質を、フランスの批評家ロラン・バルトは『明るい部屋』のなかで「それは=かつて=あった」と完了形で言い表した。

写真の魅力に囚われるあまり、ついには「写真のなかに入りたい」と思うようになった山田弘幸。彼は失踪することによって、写真以外のあり方で、わたしたちの目の前に存在することを拒否したと言える。その意味において、彼の願いは果たされたのかもしれない。しかし、もしそうであるとすれば、彼はこの先わたしたちの前に現れてくれるのだろうか。本展の中にヒントがあるのかもしれない。

山田弘幸個展「写真になった男」
会期:2018年6月16日(土)~2018年7月16日(月)
時間:平日13:00〜20:00、土日祝 12:30~20:00
場所:ARTZONE
京都府京都市中京区 河原町三条下ル一筋目東入ル大黒町44 VOXビル1・2F
入場料:無料

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