BEDWIN & THE HEARTBREAKERS ファッションと音楽の国境を超えて

デザイナー渡辺真史が手がけるBEDWIN & THE HEARTBREAKERS。Amazon Fashion Weekでは、渋谷のVisionにて東京で活躍するアーティストたちのライブを行い、ファッションとミュージックの堺をなくした。

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26 April 2017, 6:36am

Amazon Fashion Weekが支援するプロジェクトAT TOKYOのひとつであるBEDWIN & THE HEARTBREAKERSは、東京を代表するアーティストたちとのコラボレーションしたり、「See Now, Buy Now」を導入したりと新しい試みを敢行した。渋谷のVisionにて、5lack、YOUNG JUJU、RYOHU、yahyel、DJ SHINTARO、mabanua band、DJ EMMA、DJ MOCAたちがパフォーマンスを披露。ファッションと音楽が融合し、会場に足を運んだ人たちもさまざまであったが、フロアで揺れる彼らはみなその融合を楽しんでいた。

デザイナーの渡辺真史は、モデルとして活躍後ロンドンへ留学し各国へ旅をし、国境にとらわれることなく旅して暮らすノマドな民族「ベドウィン」族からヒントを得て2004年よりBEDWIN & THE HEARTBREAKERSをスタート。今回、ファッションと音楽の国境を超えたコレクションを発表した渡辺に、ショーの話や東京についてを訊いた。

今回のショーのテーマを教えてください。
自分の中でのファッションは、エンターテイメント性がないとつまらなくて、ファッションを楽しむのが第一条件。でも、ファッションだけではなく音楽や空間すべてを楽しむというのが今回ひとつの狙いでした。あと、東京という場所で、東京で活躍する表現者たちに洋服を着てもらって、彼らが奏でる音楽やその空間を一体化させて、お客さんに感じてもらいたかったんです。ファッションには、服のディテールとか素材とかいろいろな要素があるけれど、僕たちが伝えたかったのは、いまの東京の空気感ですね。

それで今回ライブ形式に?
僕たちのブランドは、ランウェイで映えるような洋服というよりも、働く人やミュージシャンやDJに着てもらいたい服なので。その人が輝き、洋服が輝くようなことが、ひとつファッションとしての答えだと思っています。今回は東京のファッションウィークでAmazonはじめいろいろな方の助けを借りてイベントに至りました。

今回、5lack、YOUNG JUJU、RYOHU、yahyel、DJ SHINTARO、mabanua band、DJ EMMA、DJ MOCAというアーティストを選んだ理由は?
5lack、YOUNG JUJU、RYOHU、yahyelといったバンドの人たちがメインっていうわけじゃなくて、実はメインはお客さんたち。DJ Emma、DJ Moca、レッドブルで世界チャンピオンになったDJ ShintaroらDJたちもメインアクトです。彼らをブッキングした一つの理由は、色んなジャンル、世代の子たちを集めたかったからです。僕なりのキャスティングのポイントは「今の東京を代弁して表現している人たち」。自分らしいスタイルを持っていて、東京で頑張っている人たちに洋服を着てもらいたかったんです。20〜50代、DJからラッパーまで、ジャンルは違えど、ひとつの空間で同じ時間を共有することが、このショーの醍醐味でもあり狙いでした。候補はたくさんいましたが、自分の中で今の東京を感じる人たちに集まっていただいたという感じですかね。

「東京」がキーワードになっている?
そうですね。やっぱり自分が生まれて育った街だし、自分たちの仲間や家族もいるところ。そして世界中からさまざまな人が訪れる街で、とても魅力的だと思います。僕自身がインスピレーションを受ける場所でもあることが、自然に表現につながっています。何かに憧れたり追いかけるのではなくて、いま持ってる自分達の良さを引き出すということをいつも心がけています。ファッションがメインというよりもカルチャーが軸になっていて、ファッションがそれに対してどう味付けをするのかがBEDWIN & THE HEARTBREAKERSにとって肝なんです。

今回、こだわった部分は?
「いま買えるもの」ですね。6か月先に販売されるコレクションを発表するのではなく、僕たちの服はリアル・クローズなので、いまここで見て「いいな」と思ったものがすぐにショップやAmazonで買えることが重要なんです。なので、今回はいま手に入るものをメインに発表しました。あとは、モデルではなくアーティストたちなので、まずは彼らに受け入れられることを重視しましたね。僕たちが表現したいもの着せ込むのではなくて、彼らが心地よくプレイできる服というか。あくまでも主役は着てる人たちです。

服の細かいディテールについては?
それはすごくあります。カッティングだったりファブリックだったり原産国だったり、どういうストーリーでこの洋服が産まれてきたかのかは、人一倍考えています。ただ、それを全面に出すつもりはありません。純粋に服を楽しみたい人たちに作っているので、知識で頭でっかちになるよりかは、楽しめる服をつくりたい。だから着ていくなかで「なんか良い生地だな」「ここのステッチや入り方に特徴があるな」「丁度良いところにポケットがあるな」と気付いてもらえればいいなと思います。

ライブで出演したyahyel、YOUNG JUJU、RYOHUに今回の感想を聞いた。

いままでショーでの楽曲提供はありますが、僕ら自身がアイコンになるというのはびっくりです。僕らのテーマが「匿名性」、暗闇に溶けながら輪郭を出すような、黒で主張することなので、それを基点にスタイリングしました。全員が自分たちのスタイルから逸れることなく、普段通りな感覚でしっくりきていますーyahyel

光栄なことですし、僕らなんかでいいのかなって気持ちですが。BEDWIN、すごくいいので、みなさんも人生楽しんで着てもらえたらと思いますーYOUNG JUJU

僕らはいつも通りライブするだけです。服は自分で選んだのですが、BEDWINさんの服を着るということで普段より派手にしましたーRYOHU

Credits


Photography Shun Komiyama