セリーヌ・ディオンの確立したスタイルを証明する8枚の写真

クチュールの女王セリーヌ、万歳!

by Alice Newell-Hanson
|
01 August 2017, 9:20am

photography Marc Piasecki/Getty Images

This article was originally published by i-D US.

セリーヌ・ディオンはファッションを愛する女性だ。ファッションのイベントで見かける誰よりも、彼女はファッションを愛している。先月パリで開かれたオートクチュール・ウィークで、Giambattista Valliのショーに駆けつけたセリーヌはショーが終わるなり、最前列で席から飛び上がってデザイナーにスタンディングオベーションを贈っていた。会場をあとにする際、彼女はピンク色のブロケード・ミニドレスに膝上までのブーツを合わせた装いで、プレスのカメラにポーズをきめていた。続くDiorのショーに向かうとき、セリーヌはマスタード色のDiorレザードレスをまとい、ゴールドのミラーサングラスの上から目をのぞかせながら、ホテル前にとめられたベンツに寄りかかってポーズをきめた。会場ではアナ・ウィンターの隣に座り、扇子を広げて優雅に顔を扇ぐ。パリでショーを立て続けに観て、合間に20000人級の会場でコンサートを行ない、セリーヌはパリを後にした。ホテルから空港までは大規模な車列を作り、まるでパレード行進のように、沿道のファンたちに投げキッスを贈った。動く車のサンルーフから姿を見せたセリーヌは、シルクのペンシルスカートを履いていた。セリーヌにとってはなかなか難しいシチュエーションだったにちがいないが、そこにはなんともいえぬ歓びに満ちた雰囲気があった

「セリーヌには恐れというものがないんです」とセリーヌの新スタイリスト、ロー・ローチ(Law Roach)は、『Vanity Fair』誌のインタビューで語っている。「イメージ建築家」と自称するローチは、2016年の夏からセリーヌのスタイリストとして働くようになった。彼こそは、セリーヌにVetementsの"タイタニック"パーカを紹介した人物だ——2016年7月、セリーヌはその姿でファッション界から一気に注目を集める存在となった。ローチとセリーヌが築き上げた"ニュー・セリーヌ"のイメージを如実に物語る写真を、いくつか紹介する。

Photography Mireya Acierto/Getty Images

ここでセリーヌが履いているブーツは、アンソニー・ヴァカレロが手がけた2作目のYves Saint Laurentコレクションのもの。クリスタルがちりばめられたこのブーツは、ランウェイで発表された数日後にリアーナが履き、世界の隅々にまで知れ渡った。商品のウェイティングリストは記録的な長さになったという。ファッション好きのセリーヌは、常に一歩前を行っている。

Photography Pierre Suu/Getty Images

「そこに漂うオーラ、感情、緊張感、ワクワク、そのすべて好き」とセリーヌはファッション・ウィークについて、『The Hollywood Reporter』誌に語っている。この写真でも、セリーヌはマリア・グラツィア・キウリによる黄色のレザードレスで、そのオーラを楽しんでいるのがわかる。その後、セリーヌは『Vogue』誌の撮影で、Diorツイード・スカートスーツをまとっている。

Photography NurPhoto/Getty Images

このドレスと、この宝石いっぱいのヘッドピースをまとって結婚式を挙げたセリーヌ。そして、アレッサンドロ・ミケーレによる新生Gucci。セリーヌとGucciはお互いを高め合うべく存在しているようにさえ思える。このグリーンのGucciフローラルが、その証拠だ。

Photography NurPhoto/Getty Images

Balmainの、床まで伸びるパイソン・ジャケットに、太ももまで包むスエードブーツ——セリーヌがこの姿で現れた日、パリは24度だった。よほどのファッション好きでなければ、こんな格好できるはずがない。

「とにかく好きなんだと思います」と、ローチはセリーヌのファッションに対する姿勢について、『W』誌に話している。「『彼女をファッションに開眼させたのは僕だ』と言いたいところだけど、残念ながらセリーヌは前からずっとファッションを愛していた。ひっそりとファッションを実践していたんです」。しかしこの、フローラルとタコの吸盤のような柄のRoberto Cavalliスーツには控えめなところなど見当たらない。

Photography Kevin Mazur/Getty Images

作家マーガレット・アトウッドは、自身の小説『侍女の物語』がHuluで映像化されることについて、「同じカナダ出身のドレイクにぜひとも出演してほしい」と漏らしている。写真はビルボード・ミュージック・アワードでのドレイクとセリーヌ。セリーヌはこの雲のようなドレスで登場し、世界がため息をついた。このふたりのカナダ人アーティストをキャストに迎えれば、それこそ来シーズンの『侍女の物語』にとって最高の話題になるだろう。

「ローチのおかげで私は1日に65回も着替えなきゃならない毎日を送っているんだけれど、彼に着せてもらったなかで一番気に入っているのは、『タイタニック』スウェットシャツ」と、セリーヌは2017年3月、『The Hollywood Reporter』誌に語っている。『タイタニック』は、今年で初公開から20周年を迎えた。そしてセリーヌはサウンドトラックで映画に大きな貢献をした。ローチは、Vetementsが時を同じくして発表した『タイタニック』スウェットシャツをセリーヌに着せようと決めた。「すごくクールなアイデアだと思った」とローチは話している。「でも、セリーヌが嫌がるかもなと思いました。ところが、僕がスウェットを見せると、彼女はそれを僕から奪って、その場で着て『クールね』と言ってくれたんです」

ローチは、最近になって再び、『W』誌とのインタビューでVetementsスウェットシャツについて触れている。そこで、ローチはセリーヌをより親密な眼差しで見つめ、彼女の個人的な進化について語っている。「心の傷が癒え始めていたときで、セリーヌはそれまでとは違う女性へと生まれ変わり始めていたんだと思う」と、ローチは語っている。「セリーヌはその半生を夫のレネ・アンジェリルとともに生きてきました。彼が亡くなり、彼女はシングルマザーになりました。レネはマネージャーでもあったため、それまで二人三脚で活動してきたセリーヌは、突如ひとりでやっていかなくてはならなくなったのです。新たな女性像を提案していたデムナ・ヴァザリアの服が、その時の彼女とぴったりと合って、新しいセリーヌが生まれた——それは素晴らしい光景でしたね」

Credits


Text Alice Newell-Hanson
Translation Shinsuke Kuriyama at WORDSBERG Inc.