Photography Dillan Rais

シンセポップ・デュオAGAR AGARについて知っておくべき5つのこと

豆知識その1:AGAR AGARは犬に共感するあまり、犬のためのアルバムをつくった。

by Juule Kay; translated by Nozomi Otaki
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15 November 2018, 6:27am

Photography Dillan Rais

AGAR AGARといえば、赤い海藻を煮沸して抽出するゼリー状の物質、寒天のこと。そして、パリを拠点とするバンドの名前でもある。キャッチーで未来的なポップサウンドでリスナーのハートを盗むべく、2015年に活動を開始したAGAR AGAR。プロデューサーでシンセのアルマン・ビュティールが子どもの頃ペットのアリに寒天を与えていたことから名付けられた。彼はこの単語の響きが好きだったらしい。2016年には、トリップ感溢れるスローなデビューEP『Cardan』をリリース。そして今年9月、デビューアルバム『The Dog and the Future』が発売された。色鮮やかでシュールなジャケットはキース・ランキンの作品で、利口そうな犬が巨大な割れた卵の隣に立っている。それもそのはず、彼らのインスピレーション源のひとつは動物のミームだという。

「もし1日だけ犬になれたら、走り回って足の感覚を確かめたい」とAGAR AGARのフロントウーマン、クララ・キャパグリ。アルマンは「僕ならおしっこして色んなモノの匂いを嗅ぐかな」と付け加えた。タイトルからわかるように、ハッピーで中毒性のあるニューアルバムのもうひとつのテーマは〈未来〉。このフレンチ・シンセポップ・デュオにはきっと、輝かしい未来が待っているはずだ。

美大で出会ったというふたりをもっとよく知るため、i-Dは割れた卵、コンピューターゲーム、犬だらけの宇宙に飛びこんだ。

彼らにまつわる5つの発見は以下の通り。

1. コンピューターゲーム『ザ・シムズ』から着想を得た
「アルバムの曲を書いてるあいだ、毎日最低5時間は『ザ・シムズ』をプレイしてました。あるときから現実とフィクションの境目が曖昧になり、訳がわからなくなってきて。『ザ・シムズ』のアバター、シムの詞まで書き始めました。ある日突然、自分がゲームの世界にいると気づくシムについての曲です」と、クララはアルバム収録曲「Shivers」について説明した。「自分の住む世界の限界に気づいたシムは、その限界を楽しめるようになる」とアルマンはいう。「彼は自由意志を手に入れるんです」

2. 大切なのは卵
「デビューアルバムのジャケットに割れた卵を使ったのは、私たちにとって象徴的な意味があるから」とクララ。「卵は見た目もきれいだし、どう調理してもおいしい。卵ほどクリエイティブな食材は他にありません」

3. 犬に共感している
「私たちは犬みたいな人間。犬は原始的な本能を持つ動物ですが、私たちもとても本能的なんです」とクララ。「社会性についても同じ」と、アルマンは犬の習性を自らの作曲のプロセスになぞらえる。「犬と触れ合うと、彼らの本能を感じられますよね。僕らの曲作りも同じ。とても直感的で率直です」

4. 構成がメチャクチャな楽曲の魅力
「〈頭から離れないこと〉が良い曲の条件とは限らない」とクララ。「難解で不思議な曲のほうが、型通りの曲よりも聴いてて楽しい。私は構成がメチャクチャな、わかりにくい曲が好きです」。アルマンも彼女に同意する。「良い曲を作るのに構成は必ずしも必要じゃない。何にも縛られたくないので、僕らに決まったやりかたはありません。毎回違う曲を作りたい」

5. ユニットを組むきっかけは、美大での“ヤバい”出会い
「私たちが出会ったのはエコール・デ・ボザールという美大です。初めてアルマンを知ったのは芸術哲学の講義のとき。今でもよく覚えています。人生について教授に長々と語ってる彼をみて、『うわ、ヤバい人がいるな』と思って」とクララは笑う。その後の展開はいうまでもない。

『The Dog and the Future』はCracki Recordsから発売中。

This article originally appeared on i-D UK.

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