水曜日のカンパネラ MV「キイロのうた」より

コムアイ「キイロのうた」の最新MVを見る前に知っておくべき10のこと

水曜日のカンパネラ・コムアイに令和最初のインタビュー。

by MAKOTO KIKUCHI; photos by Toki
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30 April 2019, 3:05pm

水曜日のカンパネラ MV「キイロのうた」より

「何かが発表されて晴れやかな気持ちっていいなって。何かが塗り替えられる、切り替わることを喜べるって王国時代が急に蘇ったみたいじゃない? 御触れがでた!って感じ」そう楽しげに話すのは、〈水カン〉の愛称でおなじみの〈水曜日のカンパネラ〉でボーカル(主演)を務めるコムアイだ。

言わずもがな、今日は令和元年5月1日、この記事が公開されるのは夜の零時。30年も続いた平成が終わった最後の日が終わり、新しい元号を掲げた最初の一日が始まる。そんな記念すべき日に、〈水カン〉の最新MV「キイロのうた」が発表される。映像を手掛けたのは、フォトグラファーデュオとしてTOKI。この楽曲は、昨年6月に映画『猫は抱くもの』のために書き下ろされており、発表から1年を経て、ミュージックビデオとして再び楽曲に息が吹き込まれた。今回i-Dは、コムアイに令和最初のインタビューを敢行。新作MVへの想い、令和へと変わるいまの心境を聞いた。

水曜日のカンパネラ「キイロのうた」

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1 しがらみからの解放を歌った曲

人はいつも何かにしがみつこうとして、それを断ち切られる不幸みたいなのに見舞われていて。「キイロの歌」はそういうものから解放してあげようと思って書いた歌。人間は惑星みたいに、惑いながら生きているんだと思うんです。ちゃんと周期があって、人それぞれの軌道で動いてる。それを映像でも見せたい、という思いがありました。

2 今のコムアイが歌うのは栄養ドリンクみたいな音楽じゃない

今わたしが歌う曲たちって、栄養ドリンクみたいに飲んだらすぐ元気になるようなものじゃない気がするんです。人生のセッティングを考え直したり、自分を鏡に映すように見つめたり、そんなふうに受け取ってもらえていると、すごく嬉しいなって思っています。

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3 高校時代の友人関係が作曲のヒントに

高校時代、すごく仲の良かった友達とうまく別れることができなかった時期がありました。毎日一緒に遊び過ぎて、嫌いになったわけじゃないけれど、一旦距離を置きたかった。人と人との距離は常に変わるもので、それぞれが全く違うことを考えているときもあれば、お互いのことを考えているときもある。

4 人間として、血の通う存在として歌わない

血が通わない存在として、映画に出てくる猫たちを包み込むような気持ちでこの曲を歌いました。身体に100%魂が入っているというよりも、全部がわたしで全部があなたで、わたしとあなたを行ったり来たりしてるものだと思ってるから、生き物って。それを歌うのは一人の人間ではなく、全体をうっすら包み込むもの。

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5 打ち合わせはロシア料理屋 「決めないことを決めた」

去年の年末、tokiのふたりとロシア料理屋さんで集まって打ち合わせをしたんですけど、結局何も決めてない(笑)。あまり事前に決め過ぎないときのほうが、結果として良いものができることが私たちは多いから、それでいいのかなって。

6 MV本編ではオマケで撮ったワンカットを採用

もう何本も撮影したあとで、オマケだからスタッフのみんなも少し離れたところに立っていて、皆の目がこちらから離れていた時でした。そういうときは私たちの狙い目。誰も何も期待してないときにいいものができる。へそ曲がりなのかな?

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7 神秘的な映像を生み出す、朝日からの逆光

映像に映る太陽の光は、夕日ではなく朝日。早朝3時くらいに出発して、6時半くらいから撮り始めました。実は一度雨天で延期をしていて、二度目の撮影はもう神頼み。

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8 MVを見た人に「そのまま寝落ちして欲しい」

「見ている人が「こんなんでいいの?」って思うようなものがいい、っていうのは打ち合わせのときにも話していました。そのまま寝落ちしてほしいって。「そんなに気抜けてていいの?」って思ってしまうような、力の抜けたもので包み込むのが次の時代っぽい。

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9 時間を旅するような感覚

撮影しているあいだ、遠くにあるいろんな記憶がすうっと寄ってきて、嬉しい気持ちが湧いてきて。ただわたしはそこに立って光を浴びていて、二人が映像を撮ってくれているんだけど、だんだんと時間を旅するような感覚が生まれてきました。

10 令和という区切り

新元号が令和だってわかった瞬間に、死者を平成に置いていくって感覚があったんですよ。8年くらい前に母を亡くしているんです。母とか、マイケル・ジャクソンとか、平成に亡くなった人々が岸に置いてかれたみたいな感じ。マイケル・ジャクソンに「平成に置いていく」って言ったってしょうがないけど(笑)。区切りがあることで、みんなが未来を、赤ちゃんを待つようにしているのがいいな。どんな未来になるだろう、という占いを、もしくはシミュレーションを。そういえば、TOKIの二人が前にぼそっと「未来を写したい」と言ってた。音楽や映像をシェアするという行為じたいが、私にとっては未来の占いかもしれない。

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http://www.wed-camp.com/

Credit


Photography TOKI
Hair and Make-up TORI.
Styling Yui Sawada
Costume Design Natsumi Abe
Text Makoto Kikuchi