ヴィック・メンサがNFLに送るメッセージ

「あんたたちの陽気なかわいい歌には敬意を表さない」

by vic mensa; translated by Aya Takatsu
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nov 8 2017, 10:10am

This article originally appeared in The Sounding Off Issue, no. 350, Winter 2017.

英i-D「Sounding Off」号の企画で、私たちはミュージシャンやインフルエンサー、思想家にその人がいちばん気になっていることをテーマにしたエッセイの執筆を依頼した。

ヴィック・メンサがエッセイのテーマに選んだのは、植民地化や強制労働のシンボルに反対するアフリカ系アメリカ人だった。彼女のエッセイがメールで送られてきたのは入稿の直前。素晴らしい雄弁家で献身的なアクティビストでもあるヴィックのメッセージはリアルで真の力に満ちている。

NFLへの手紙

俺たちはあんたの家畜じゃない。あんたの仲間が血や骨をつくるための飽くなき食欲を満たす存在なんかじゃない。残念だが黒人の男はもうこの偉大な国の所有物ではなくなった。だからアメリカン・フットボールのフィールドに足を踏み入れたという理由だけで、米国憲法修正第1条における言論の自由を放棄することはない。トランプの"クソ野郎"にあんたは憲法を起草した人たちのことを教えてやるべきだった。まああんたが憲法を読んだかどうかは疑わしいけど。ルース・ベイダー・ギンズバーグ(訳注:アメリカ最高裁判事)も批判に値する人物で、それはあんたが従うと誓った"ひでえ"法律であり、あんたの議会が成立させた"罰当たりな"法案だ。俺たちはあんたの党の偏った政治になんか騙されない。アメリカ合衆国は俺や(アメリカン・フットボールで活躍するクウォーターバックのコリン・)キャパニックのような人間が開拓してつくり上げたんだ。そのことはあんたが歌うアンセムの中にもしっかり根づいている。人種差別や黒い肌をした人間の殺戮なくしてアメリカは存在しない。話は終わりだ。俺たちは"この"真実を自明の理として認識している。それはつまりこの国ではすべての人間が平等につくられて"いない"こと、すべての人間に自由と正義がもたらされ"ない"ということだ。だからシカゴでラカン・マクドナルドを、セント・ルイスでアンソニー・ラマー・スミス(Anthony Lamar Smith)を、ミネアポリスでフィランド・キャスティルを殺した警官たちが冷血な処刑を行ったかどで同じように終身刑を言い渡されるまで、あんたたちの偽善者ぶった旗に敬意を表することを拒否する。ミシガン州フリントの水をハンプトンの蛇口の水並みにきれいにするまで、あんたたちの陽気なかわいい歌には敬意を表さない。お願いだ、アメリカン・フットボールのフィールドに黒人の男を呼び戻してくれ。あんたがホッケーと視聴率を争うのが見たいんだ。

人々に力を。

ヴィック・メンサ