「人の手を借りるのは弱いことじゃない」Megumuが語るこれからの自分像

10代の頃から東京を拠点にフリーランスモデルとして活躍し、昨年はじめて事務所に所属を決めたMegumu。彼女がモデルをしていくなかで感じた疑問や、フリーランスモデルでいることのメリットやデメリット、求める女性像まで幅広く語ってもらった。

by MAKOTO KIKUCHI
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19 August 2020, 9:50am

「日本のメディアでは色白、痩身、二重、の3つが強くプッシュされています。モデルであれば、加えて高身長であることも条件のひとつです。私の世代くらいからいわゆる白人ミックスのモデルばかりにスポットライトが当たるようになりました。それによって私も恩恵を受けているのは確実ですが、未だにモデルの人種や体型に多様性がないことは、常に疑問に感じています」。そう話すのは東京を拠点に活動するモデルのMegumuだ。

一重まぶた、低い鼻、短い手足……東アジア人の特徴でもあるそれらはすべて「美しくないもの」ものとされてきた。2017年のダヴの調査によれば、日本の10歳〜17歳の少女のうち、93%が「自分の容姿に自信がない」と回答している。日本の女性は、世界でいちばん自分の見た目を好きになれないのだ。その大きな要因のひとつとして、メディアによる過剰なビューティースタンダードの押しつけが挙げられる。

日本のクリエイティブ業界において白人と東アジア人の〈ハーフ〉モデルの需要は極端に高い。近年では欧米の流れを汲んで、日本の広告業界でも多様性が意識されるようになったものの、西洋的外見を〈美しい〉とするバイアスは依然として強く残る。「ダイバーシティを謳って作られたフェイクな広告にも飽きました」とMegumuは語る。「『やってやったぜ!』という企業やクリエイターの自己満足感。ムーブメントによる一度限りの広告じゃなくて、常にどのモデルも同じ土俵に立てるような業界になっていって欲しいです」

そんなMegumuの今の夢は、モデル事務所を立ち上げることだと言う。「今は時代の流れが変わってきています。個性を尊重し、肌の色や体型といった多様性を意識したモデル事務所をつくりたいです」。10代の頃からフリーランスモデルとしてキャリアを積んできたMegumuは昨年9月からモデル事務所〈NUMBER EIGHT〉に所属している。その理由について聞いてみると、彼女は「フリーランスモデルでいることには、メリットとデメリットがあるんです」と答えた。

「フリーランスとして長く活動していたことで、自分でブランディングを決めることができたり、大人になにを言われようが好きな仕事を選択できたりして、インディペンデントな性格が形成されていきました。業界から押し付けられがちな『モデル像』に洗脳されずに済んだというか(笑)。だけどやっぱり大人相手に仕事の条件を交渉したり、上手くいかないこともたくさんあったりして、ストレスもかなり大きかったです。大きな広告系の仕事は事務所に入ってないことを理由に落とされる事も多くて。『契約を守れない可能性が高い』と信用してもらえないんですよね。どんなに頑張っても報われない部分があったのは、かなりの代償でした」

しかし彼女にとってこうした経験は決して無駄ではなかったと言う。「フリーランスで頑張ってきたからこそ今の自分があるので、後悔は全くありません。個人的なステップアップが欲しかったので去年事務所への所属を決めました」

「『全部自分ひとりで成し遂げないと成功しても意味がない』って何故かずっと思ってたんです」と彼女は続ける。「ちょうど〈BOSS BITCH〉というフレーズが流行ってた頃でしょうか? 10代から20代前半までその感覚で突っ走ってたんですよね。でも最近になって、人の手を借りるのは弱いことじゃないって少しずつ気付くようになりました」

そうした心境の変化が起きた出来事の例として、韓国のブランド〈WHY NOT US〉とコラボレーションしたときのことを彼女は回想する。「そのときも、全て自分でやることにすごく拘っていたんです。いざ撮影するってなったときにはもう体力と脳みその限界で……。そこで撮影のアシスタントを友達に頼むことにしました。私がすっかり忘れてた細かな下準備をやってくれて、めちゃくちゃ心が楽になったんです。やっぱり人間って完全に一人では生きられないな、なんて思うようになり、そこから助けを求めるのも強さだと感じるようになりました。何をやるにも100%のやり方や正解はないですね! 自分と相談しながら、そのときどきの最高の自分でこれからもいたいです」

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そんな彼女が「今いちばんやってみたい」と話すのは、ポッドキャストやラジオで発信すること。「昔から興味のあるトピックについて友達と一対一で議論するのが大好きで、それを配信できたらいいなと思ったのがきっかけです。普段SNSで見せる自分よりも少し赤裸々に、いわゆる公開『裏垢』みたいな感じで話せたらと思っています。今ハマっているポッドキャストチャンネルは『まじめにエロ会議』。OLさんのセックスライフ事情をオープンに話す番組です。あまり周りにいないタイプの人の話って新鮮で面白いんですよね」

Megumuのインスタグラムアカウントには現在9万人近いフォロワーが存在する。最近では活動の舞台を中国や韓国にも広げている彼女に、理想の女性像を聞いてみた。「昔から色んなインタビューでロールモデルとか聞かれることがあったんですけど、誰も出てこないんですよね(笑)。素晴らしい事を遂げてきた女性達はみんなかっこいいけど、自分は自分だから。常に今の自分を超えて成長し続ける女性でいたいです」

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