©Barry McGee; Courtesy of the artist, Perrotin, and Ratio 3, San Francisco

場所々々のエネルギーを求めて。東京ペロタンでのバリー・マッギー初個展「POTATO SACK BODY」

ストリートから美術館に有力ギャラリーへと横断するバリー・マッギー。東京ペロタンでの初個展「ポテト・サック・ボディ」開催中に交わした彼とのインタビュー。

by i-D Japan
|
05 March 2020, 8:00am

©Barry McGee; Courtesy of the artist, Perrotin, and Ratio 3, San Francisco

1966年サンフランシスコ生まれのバリー・マッギーは、サンフランシスコ芸術大学(San Francisco Art Institute)にて、絵画、版画の学士号という高度な芸術教育を受けながらもキャンパスでは飽き足らず、街々での壁画制作のなかでアーティストとしての才覚を発揮していった。

そんな彼の長年の制作活動は、アメリカはカルフォルニアのサンタ・バーバラ美術館からボストン現代美術館にニューヨーク近代美術館、ロンドンはニュー・アート・ギャラリー、ミラノやベネチアのフォンダツィオーネ・プラダ、そして、東京はワタリウム美術館といった世界各都市の主要なる美術館に収蔵されているように、彼の作品はストリートからアカデミックといった枠を横断し「バリー・マッギー」として世界中で親しまれている。

彼の活動からも伺えるように、マッギーは日本にゆかりの深いアーティストのひとりでもある。2017年のワタリウムでのクレア・ロハスとの二人展、2019年には石巻市の網地島エリア・船着場に面した擁壁に大きな壁画を制作するなど、近年の展覧会の数から見ても、ここ日本には熱狂的なファンがいることがわかる。それらは、マッギー自身が「故郷」と呼び、各都市で作家としてのキャリアを通してきた場所からのインスピレーションと、時にそれぞれの場所にちなんで考えられた空間演出によって創り上げられている。

場所々々でのエネルギーを求め、各都市の表現をカタチづくる彼の核はいったいどのように形成されるのだろう。

1583131021835-0750de
Photo by Maiko Miyagawa ©Barry McGee; Courtesy of the artist, Perrotin, and Ratio 3, San Francisco
1583131007048-0713de
Photo by Maiko Miyagawa ©Barry McGee; Courtesy of the artist, Perrotin, and Ratio 3, San Francisco

── 子どもの頃好きだったものは?

小さい頃はかなりの自転車好きで、サイクリングやBMXレースに夢中だった。何処へ行くにも自転車で、友だちといっしょだったりひとりでも、自転車に乗れば自由や自立心を感じられたし、毎日の冒険にワクワクしていた。歳をとったいまでもほぼ毎日のように自転車に乗ってるよ。

── アート/創作を始めたきっかけは?

作品をつくったり創造力をはたらかせることは、ずっと僕にとって特別な気晴らしだった。いちど創作を始めると時間が止まり、数時間があっという間に過ぎる気がする。物心ついたときからずっと絵を描いてきて、思わず熱中しすぎてしまうことも多かった。美術が学校である程度集中力が続く唯一の科目だったから、というのもアートの世界に入った理由かな。

── 自分を表現するとき、ストリートと美術館/ギャラリーで違いはありますか?

僕にとって表現とは、内面的で、日常のなかで感じるさまざまな複雑な感情が詰まっているもの。場所によって変えているわけではなくて。どちらかといえば、空間や時間のエネルギーや原動力が影響することが多い。

1583130752600-0810de
Photo by Maiko Miyagawa ©Barry McGee; Courtesy of the artist, Perrotin, and Ratio 3, San Francisco
1583130654002-0792de
Photo by Maiko Miyagawa ©Barry McGee; Courtesy of the artist, Perrotin, and Ratio 3, San Francisco

── 東京の生活は、人間関係と都市の仕組みが複雑に折り重なって成り立っています。あなたもそう感じますか?

確かにここでは感じるよ! 働いてるひと全体がものすごく仕事に集中していて、とても強烈。尊敬するよ。それに、敬虔さを感じるほどの細部までのこだわりも素晴らしいと思う。僕は日本でこの数十年間、とても大切な、長きに渡る深い関係をたくさん築いてきたし、いまでも東京へ訪れるたびに刺激を受けているよ。

── インタビューで読んだのですが、ブラジルと南米がお好きだそうですね。日本で魅力を感じる場所はありますか?

さっきも言ったように、僕にとって重要なのは場所々々にあるエネルギーなんだ。1990年代初めに1年間暮らしたブラジルのサンパウロからはたくさんインスピレーションをもらったし、好奇心を掻き立てられた。そういう場所だからこそ成長できるし、創造性を発揮できる。それから、ブラジルでできた友だちの多くは、日本人だったり日本にルーツを持つひとたちだった。素晴らしい組み合わせだよ。 日本に関していえば、海沿いの地域を旅してサーフィンをしたり、田舎の生活スタイルや、建物の少ない風景を見るのが好き。去年はアートフェスティバルのために石巻を再訪した。海沿いのとても美しい場所にコンクリートの分厚い壁がいくつも建設されていて、かなりショックだった。

── 東京や日本を拠点とするアーティストのなかで、好きなひと、共感できるひとはいますか?

もちろん!たくさんいるよ。今、思い浮かんだのはこんなひとたちだね。

Misaki Kawai / 河井美咲
Yamantaka Eye / 山塚アイ
Deerhoof
Diego
Tomoe Miyazaki / 宮崎ともえ
Wanto, Tom, Sect
The Tokyo Zombies
Asuka Anastacia Ogawa

1583389433422-cBarry_McGee_by_interview_2020_idjp
インタビューのやりとりのなかで送られてきたバリー・マッギー本人からのアスキーアート。 ©Barry McGee
1583130904320-3-head-11-19
©Barry McGee; Courtesy of the artist, Perrotin, and Ratio 3, San Francisco

https://www.perrotin.com/

Tagged:
sect
Deerhoof
Yamantaka Eye
Barry McGee
Misaki Kawai
WANTO
POTATO SACK BODY
Diego San
Tomoe Miyazaki
The Tokyo Zombies
Asuka Ogawa
Asuka Anastacia Ogawa