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カール・ラガーフェルドの毒舌インタビュー

これが今もっとも物議をかもしている、84歳のデザイナーとのインタビューだ。

by Ryan White; translated by Aya Takatsu
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16 May 2018, 6:46am

Photography Karl Lagerfeld. The Royalty Issue, no. 318, 2012.

嗚呼、ラガーフェルド。あなたがいなかったらファッション界は今どのようになっていただろう。パリコレを毎シーズン、ゴージャスで大胆なCHANELのランウェイで締めくくるせいで、Gucciがオフスケジュールのカプセルコレクションのように見えてしまう。カールが控え目な表現をすることなど、これまでただの一度もなかった。デザイナーの多くが大げさな演出を控え、抑えたエレガンスを打ち出している昨今にあって、そのセットが森や宇宙船、はたまた古代ギリシャになろうと、カールが手がける豪奢なコレクションは、よりいっそう求められている。

しかし、大胆なショーには、大胆な意見がつきものだ。

もちろんこれまでも彼が味気ない発言で知られるようなことはなかったが、『Numéro』誌のインタビューに答えたとき、誰もがカールの無頓着さが新たな境地に到達したと思わずにはいられなかった。84歳にして3ブランド(CHANEL、FENDI、そして自身の名を冠したブランド)を率いる彼はその場で、ヴァージル・アブローのような新世代の台頭、#MeToo運動、男性モデル、体毛、CHANELの継承者になるかもしれない者たちについて語ったのである。もちろん、この記事の読者には分別が求められるが……。

◎3つのブランドを率いることについて
「非常に刺激的です。ひとつのブランドだけに注力しているデザイナーは全員、最終的にまったく不毛になってしまうでしょう。自らがつくった定番に立ち戻ることで、自分のしっぽを追いかけるように、そのサイクルを永遠に繰り返すことになるのです」

◎Coco Snowについて
「Chanelでは、年間4つのコレクションをつくるという契約なのです。プレタポルテを2つ、オートクチュールを2つ。ですが、私は10つくっています。プレタポルテとオートクチュールのあいだ、プレコレクション、クルーズコレクションとメティエダール。Coco Snow――念のために言っておきますが、これは阿呆どものためのコレクションではなく、ウィンタースポーツ用のものなのです――、Coco Beach、スイムウェアはもちろんですが……」

◎クリエイティヴ・ディレクターたちが働きすぎではないかというクレームについて
「個人的には、一度もそういった不満をもらしたことはありません。ほかのデザイナーたちが全員私のことを嫌っている理由は、まさにそこなのです。彼らの関心は、そのふざけた“インスピレーション”だけにあり、ボタンをどこにつけるか考えたり、アシスタントに描かせたスケッチを選ぶのに1時間もかけることができる。それが私をイラつかせるのです。私は機械ですから」

◎宿敵アズディン・アライアについて
「例えば、階段を転げ落ちる以前、アズディンは、このおそらく維持できなくなるであろう現代ファッションのスケジュール感は、完全に私のせいだと主張しました。バカげたことです。何億ドルものカネが動くビジネスを回していたら、寝ずにやるしかありません」

インタビュアー:彼に才能が欠けているとは言えませんよね。

「そうは言っていませんよ。そのようなことは一度も、何も言ったことはありません。彼を批判しているわけではありませんから。たとえそのキャリアの最後には、更年期のファッションビクティムのためにバレエスリッパをつくることになったとしても」

◎YSLの共同創設者であるピエール・ベルジュについて
「ピエールの葬儀に際して、私の専属フローリストがこう訊いたのです。『サボテンをお贈りしておきましょうか?』と」

◎自身の原動力について
「今やっている仕事からは何の満足感も得られません。それが継続する力となるのです。この永遠なる不平と不満が」

◎男性モデルについて
「メンズファッションは私にとってほとんど意味をなしません。もちろん購入はしますし、エディ(・スリマン)がCélineに移ったことを嬉しく思っています。ですが、メンズコレクションをデザインし、あのマヌケなモデルたちに耐えるのは、ごめんですね。ハラスメントを受けたという彼らの告発がすべて害となったという事実は言わずもがな。ああ、どうかあの薄汚い輩たちのなかに、私をひとり置き去りにしないでください」

◎#MeToo運動とハーヴェイ・ワインスタインについて
「それにはもう飽き飽きです。一連の騒動でもっともショックだったのは、何が起こったか思い出すのに、若手女優たちが20年もかかったこと。検察側の証人がいないという事実には触れるまでもないでしょう。そうは言っても、ワインスタイン氏には我慢なりません。amfAR(カンヌ国際映画祭の期間中に行われる、エイズのチャリティガラ)で、彼とトラブルがあったんです……」

「今はモデルにポーズをとってもらって構わないか訊かなければならないと、どこかで読みました。これは単純にやり過ぎです。今や、デザイナーとして何もできなくなってしまった。かわいそうなカール・テンプラー(『Interview』誌のクリエイティヴ・ディレクター)に対する告発にしても、一言だって信じません。ある女の子が彼にパンツを脱がされそうになったと訴えたとたん、彼はそれまで崇め奉られてきた職をあっという間に失ってしまった。信じられないことです。パンツを脱がされたくないなら、モデルになんかなるな! 修道院に入ったらいいのです。修道院にはいつでも居場所があるでしょう。募集すらしていますからね」

◎LVMH賞を受賞したマリーン・セルについて
「身長は150cmですが、鋼の意志を持っています」

◎ジャックムスについて
「彼は笑わせてくれますね……そして非常に可愛らしくもある」

◎ジョナサン・アンダーソンについて
「彼のアプローチは、ときに知的すぎる。私が必要な勉強をしていないことは、疑いようもありませんね」

◎砂漠に連れて行きたいのはヴァージル・アブロー、ジャックムス、それともジョナサン・アンダーソン?
「まず自殺するでしょうね」

◎体毛について
「そうですね、私にもあるべき場所にあると言っておきましょう。ですが、例えば、胸毛は濃くない。背中の毛も——神さま、ありがとう!——そしてすね毛も」

◎自身の財産について
「私がベルナール・アルノーではないことは、即答できます。現在、口座に720億ユーロ入っているわけではないのです」

◎再び、男性モデルについて
「(彼のパーソナルアシスタントを20年以上務めるセバスティアン・ジョンデュは)男性的基準を具現化したような人です。ランウェイでよく見かける、ガタガタの歯の痩せっぽちとは正反対……。彼らには決してハラスメントを受けるような危険はないでしょう。正直なところ、彼らが本当に必要なのは良い歯医者ですから」

◎天才だと考えられていることについて
「天才? そんなことを言うのはあなただけです。若いころ、母はいつも私のことを愚か者だと言ったものです。私のことを“ラバ”と呼んでいたんですよ。そのことに対する過剰な埋め合わせをしてきたのです」

This article originally appeared on i-D UK.