Proenza Schouler AW 17:反逆精神に満ちたタフさ

ラザロ・ヘルナンデス「私たちはいつでも現実に駆り立てられて創造する」

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feb 17 2017, 11:26am

短く刈り込んだ髪に、片方の耳にだけつけられたイヤリング、ホワイトとヘビ柄の切り替えしシューズという姿のクレオ・ツィエク(Cleo Cwiek)がオープニングを飾ったProenza Schoulerのショー。会場のフロントローに座った女性の多くが世界に対して感じている反抗心を反映するように、パンク精神に溢れていた。ショー後のバックステージで、Proenza Schoulerのデザイナーのひとりであるラザロ・ヘルナンデス(Lazaro Hernandez)は、彼が知る「ものを考えることができる女性たち」がいま政治的団結を見せている姿について語り、その姿に彼がいかにインスパイアされたかを話して聞かせてくれた。「団結と強さを見せるべき時なんです」と彼は言った。

2017年秋冬コレクションで服に落とし込まれたその感覚は、レーガン政権時代のアメリカに巻き起こったサブカルチャーのグラフィックな世界観を通して表現されていた。上下がスライスされたロゴ、基本的なカラーのレザー、ハードな印象を与えるメタリックなどに、反逆の精神が力強く表現されていた。絵画的な切り返しが施されたニットやベルトには、パンク時代のフライヤーを彷彿とさせる世界観が見られた。美術館New Museumで回顧展がオープンするレイモンド・ペティボン(Raymond Pettibon)の世界観そのものだ。

ニューヨーク・ファッションウィークでは最後となるProenza Schoulerのショー(来たる7月には、プレコレクションと2018年春夏コレクションをパリにて合同開催する)だったが、デザイナーのヘルナンデスとジャック・マッコロー(Jack McCollough)はこのコレクションで真のニューヨーク・ウーマンを描いてみせた。クチュールのシェイプを探った春のコレクションから一転、今シーズンに見せたハイウエストのライダース・パンツやモックネックのニットなどは、ニューヨークという街のタフさを体現していた。

なかでも特に興味深かったのは、The Rowでも同じく見れらたトレンドである「レザー使い」だった。くるぶしまで丈があるホワイト・レザーとシアリングのコートや、シルバーとコバルトのパンツ、花びらのようなピンク色のラップ・ドレスなどには、様々なウェイトの様々なレザーが用いられていた。職場からプロテストへと駆けつけなければならないかもしれない——そんな現実があるニューヨークに、「守る」という概念を訴えているように見えた。

修羅場と化した政治の世界が多くのアメリカ国民を混乱に陥らせた昨年だったが、世界は前へ進む手立てを探し続けている——新たなあり方ともいうべきものを。そんな今、Proenza Schoulerが見せたショーは、私たちを何かにいざなっているように感じられた。ラザロが言っていたように、「希望を感じない?」と。

Credits


Text Rory Satran
Photography Mitchell Sams
Translation Shinsuke Kuriyama at WORDSBERG Inc.