イギリスを探る:Burberry 2018SSコレクション

「See now, buy now」形式で発表された2017年セプテンバー・コレクションで、バーバリーは2000年代初頭に流行した“チェックマニア”を再解釈し、イギリス社会生活の過去、現在、未来をコラージュした。

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sep 21 2017, 5:18am

This article was originally published by i-D UK.

2002年英ドラマ『イーストエンダーズ』で人気を博した女優ダニエラ・ウエストブルックは、頭からつま先までBurberryチェック、さらに乳母車もBurberryといういでたちでロンドンの街を歩いているのをスクープされた。2002年は、Burberryの偽ブランド商品が世界のいたるところで公然と売られ、フーリガンがこぞってBurberryをステータスシンボルとしてこれ見よがしに着ていた時期だ。それによってそれから10年以上もの間、Burberryはチェック柄の商品の発売に消極的になった。あれから15年、偶然にも再びウエストブルックがあのチェックをまとって『The Sun』紙にスクープされた。ときを同じくして、Burberry公認でGosha Rubchinskiyがあのチェックを多用した2018年春夏ショーを行なった。「僕はあの時代を、Burberryにとって重要な歴史の一部だと思っているよ」と、6月にBurberryのデザイナー、クリストファー・ベイリーは、i-Dのインタビューで語っている。それから3ヶ月が経ったいま、Burberryはその歴史を受け入れ、郷愁的なムード漂うセプテンバー・コレクションを「See now, buy now」形式で発表した。

コレクションは、クラーケンウェル地区のオールド・セッションズ・ハウス(裁判所の跡地で現在は修復されている)の2フロアで発表された。外では毛皮の使用に反対する団体が抗議運動に沸いていたが、中に一歩入れば、ペット・ショップ・ボーイズの音楽がそれをかき消した。コレクションはテクスチャーと色彩、そしてシルエットがぶつかり合う、カルチャーの高貴な部分と恥ずべき部分をコラージュした世界だった。イギリスの伝統的なニットとレースのガウン、タータン・チェックとビニールの取り合わせ——フォーマルなジャケットがスカートにリメイクされ、縫い目にシームシーリング加工を施したオーバーサイズのカーコートが登場し、すべてのルックの足元にはソックスが配されていたり——今季のコレクションは、誰もがそこに自分を見出すことのできるものだった。

10代の頃にしたホーム・パーティから軍事パレードまで、今季のコレクションは時空を超え、社会的な階級を超えた世界を描いていた。またこのコレクションはダニエラ・ウエストブルックが体現していた時代性を超え、「イギリス社会全体に宿る精神」に着想を得て作られていた。それはイギリスの過去、現在、未来をベースに描かれていたようだ。アジョア・アボアー、エルフィー・ライゲイト(Elfie Reigate)、ヒーブ・フリューリー(Hebe Flury)、ディローン、キキ・ウィレムズ、ジーン・キャンベル、オリンピア・キャンベル、トニ・ベイグリー(Toni Bagley)、ジョナス・グロアー、モンテル・マーティン(Montell Martin)、ザビエル・ヒックマン(Xavier Hickman)、カイア・ガーバー、プレスリー・ガーバーが、「イギリスの姿」を問うたこのコレクションで、セクシーに、そして堂々とさまざまなイギリスを見せてくれた。9月15日には、香港生まれのライアン・ローが外から解釈したイギリスを見せていたが、ベイリー率いるBurberryは、独自の多様性に富んだイギリスを見せてくれた。

シャーリー・ベイカーやアラスデア・マクレランなど、20世紀を代表する社会派カメラマンやドキュメンタリー・カメラマンたちの作品約200点とともに発表されたコレクションはイギリス的な生き方と、イギリス的個性を讃えていた(ショーは、『He We Are』展と同時開催だった)。イギリスがEU脱退を決めたいま、わたしたちの多くが「イギリスとは何か? イギリス人であるということはどういうことなのか?」と自問を繰り返している。今季のBurberryコレクションは、「右翼思想に傾かなくともイギリスとして素晴らしい国になりうる」とわたしたちに強く感じさせた。クリストファー・ベイリーとBurberryが描いたイギリスは陰鬱として時代錯誤なイギリスではなく、リアルで"今"なイギリスだった。