Photography Eddie Wrey. Styling Max Clark. Noah wears all clothing Fendi autumn/winter 19/

「『ストレンジャー・シングス』シーズン3は史上最高の作品になる」:ノア・シュナップ interview

Netflixの大人気ドラマ『ストレンジャー・シングス 未知の世界』で、〈裏側の世界〉にとらわれてしまう少年を演じ、観客に鮮烈な印象を残したノア・シュナップ。世界でもっとも有名な14歳が、公開直前のシーズン3、演技の仕事について語る。

by Douglas Greenwood; translated by Nozomi Otaki
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24 June 2019, 7:50am

Photography Eddie Wrey. Styling Max Clark. Noah wears all clothing Fendi autumn/winter 19/

ノア・シュナップは、『ストレンジャー・シングス』のネタバレへの誘惑を断ち切り、それをNYヤンキースの選手よりも遠くに打ち飛ばす方法を身に付けたらしい。「僕らが知ってるのは、何かしゃべったら殺される、ってことだけ」とノアは笑う。「今でもインタビューの前は緊張する。僕はおしゃべりだし、話しちゃいけないことも話しちゃうから」

ノアや彼が共演した若きスターたち(エミー賞にノミネートされたミリー・ボビー・ブラウン、彼の親友を演じたフィン・ウルフハード)にとって、この大人気ドラマに潜む秘密、本作がもたらす熱狂は、想像を遥かに超えた。どれほど経験豊富な俳優でも、予想もつかなかっただろう。

2016年、80年代のノスタルジーをこよなく愛するダファー兄弟によって、ほぼ何の前触れもなく公開された『ストレンジャー・シングス 未知の世界』。米国の小さな田舎町で暮らす子どもたちが力を合わせ、失踪した少年を捜すSFファンタジーだ。十代前半の子役たちが主要キャラクターを演じるダークな作品というアピールポイントは、当初はマイナスに思えたが、むしろそれが功を奏し、彼らは今や若きスターとして世界にその名を轟かせている。

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ノアが演じたのは、そんな主要キャラクターのひとりで、シーズン1では裏側の世界に閉じ込められていたために、まるで幽霊のような存在だったウィル・バイヤーズ。登場シーンは少なかったものの、ノアは見事スターの仲間入りを果たし、FENDIのアンバサダーにも起用された。

いかにも十代らしい、孤独で魅力的なウィルは、あらゆる視聴者の興味を惹いた。先の読めない展開や個性豊かなキャラクター、謎に包まれたストーリーも人気の理由だ。たしかにウィルは、シーズン1のほとんどを別世界で過ごすことになったが、元の世界に帰ってくると本領を発揮し、本作を支える重要なキャラクターとなった。

ノアが作中の友人、共演者たちとカメラの前に立てるようになったのは、シーズン3の撮影が終盤に差し掛かってからだという。「このシーズンは史上最高の作品になるってわかってたから、ずっと楽しみにしてたんだ」とノアは熱のこもった口調で語る。「みんなといろんなシーンを撮影できて、すごく楽しかった。去年はあんまりいっしょに撮影できなかったから」

「生涯の親友ができたし、毎日素晴らしい俳優たちから学べるなんて、本当にラッキーだと思う。撮影の様子を眺めているだけで、毎回学ぶものがあるんだ」。ノアは、自らの人生を一変させたこの役に心から感謝している。

そもそも、若手俳優がウィノナ・ライダーのようなハリウッドの名優と撮影現場で親しくなったり、ファンがいち早く映像を入手するためなら犯罪に手を染めかねないような作品に携われる機会は、ほとんどないに等しい。

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『ストレンジャー・シングス』のキャストの大半が無名だったことを考慮すると忘れられがちだが、ノアは、これまでハリウッドの名だたる大物たちと共演してきた。ダファー兄弟に抜擢される1年前、彼はスティーブン・スピルバーグ監督のアカデミー賞ノミネート作『ブリッジ・オブ・スパイ』でトム・ハンクスと共演し、2015年には『I LOVE スヌーピー THE PEANUTS MOVIE』で、あのチャーリー・ブラウンの声優を担当した。

陰鬱なスパイスリラー、キュートなファミリー映画という出演作こそが、ノアが決してひとつの枠に収まるような俳優ではないことを証明している。それでも彼は、さらなる挑戦を続け、いつかシリアルキラーを演じたい、と意気込みを見せる。

不思議な世界を描くSF意欲作に数ヶ月取り組んだノアが、次に足を踏み入れるのは、より大人の世界だ。今年公開予定の映画『Waiting for Anya』では、ユダヤ人の子どもたちをナチス政権から救うべく、アンジェリカ・ヒューストンが演じる未亡人の助けを得て、彼らを南フランスからスペインへ亡命させる若き羊飼いを演じる。テーマは大きく変わったが、彼が心待ちにしていた作品だ。

「戦争を描く大作にキャスティングされて、ずっと楽しみにしてたんだ」と彼は『戦火の馬』の作者、マイケル・モーパーゴの小説を原作とするこの映画について語る。「第二次世界大戦中のキャラクターを演じることができて、すごくうれしい」。作品の背景はそれぞれ異なるが、過去のひとびとや場所を結びつけるという点で、ノアが演じる役は一貫している。「撮影でフランスにも行けた。1ヶ月間、スペインとの国境近くの山奥を拠点にして、僕はヤギやニワトリ用の小屋がある家に泊まったんだ」

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しかし、米国の架空の田舎町であれ、戦時下のヨーロッパであれ、撮影の舞台を離れれば、ノア・シュナップは14歳の高校生であり、数学と生物を愛する「科学オタク」だ(「一生懸命勉強して良い成績をとった」とノアは胸を張る)。いずれは故郷のニューヨークを離れて、西海岸の大学への進学を目指しているという勉強熱心な彼は、もし明日演技の仕事を辞めたとしても、一生安泰に暮らせるだろう。子役スターの座を獲得した今も、普通の子どもらしさが失われることはない。

「これから先も演技の仕事を続けたいと思うかはわからないけど、今は演じることが大好きなんだ」とノア。「セットにいるときがいちばん幸せかも」。ノアの人生プランはひとつではない。ひとつの場所に留まらないこと、あらゆる選択肢を考慮すること。それが彼のモットーだ。

「人生がどこへ向かうかなんて、誰にもわからないからね」と彼は笑う。ホーキンスから裏側の世界へ、そして元の世界へと戻ってきたウィル。そんな彼の予測不可能な冒険から学んだ教訓を、ノアは自らの輝かしいキャリアに役立てている。

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Netflixオリジナルシリーズ『ストレンジャー・シングス 未知の世界』シーズン3は、7月4日より全世界同時配信。

Credits


Photography Eddie Wrey
Styling Max Clark

Grooming Daniela Magginetti at Close Up Milano. Photography assistance Mehsach Roberts.

Styling assistance Louis Prier Tisdall. Production manager Ali Younis.

Noah wears all clothing Fendi autumn/winter 19.

This story originally appeared in i-D's The Voice of a Generation Issue, no. 356, Summer 2019.