Levi’s® の「THERE IS NO WRONG」について知っておくべき10のこと

2019年4月6日(土)〜8日(月)にThe MASS Galleryで開催された、Levi’s®と28名のアーティストが饗宴したカスタマイゼーション・アートエキビジョン「THERE IS NO WRONG」。

by Tatsuya Yamaguchi; translated by Alex Holmes
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05 June 2019, 10:11am

Levi’s®は「THERE IS NO WRONG(間違いは何もない)」というタイトルを掲げ、カルチャー、コミュニティ、コラボレーションという3つのテーマに焦点を当てた。クリエイターによる最新作品の展示や気鋭アーティストとのコラボレーションがなされた空間で、さまざまな文化のつながりを生み出さんとする「THERE IS NO WRONG」は、アーティスト個人のみならず集団やコレクティブによってアートやカルチャーが生み出される、そのクリエイティブな“環境”を讃えるプロジェクトだ。そして、世界でもっともアイコニックなファッションアイテムとも言える501®ジーンズの不朽のオリジナリティを示しながら、あらゆる“パーソナライズ”を賞賛するLevi’s®の信念を具現化するものでもあった。2019年4月、その多くがNYに拠点をおく、著名なアーティストから新鋭アーティストまでの28名が、東京のThe MASS Galleryに集結した。

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Photography Nobuko Baba

Levi’s®︎はNYを牽引するデザイン集団、LQQK STUDIO協力のもと、参加アーティスト達が“カスタマイズ”アイテムを制作するためのサテライトスタジオをThe MASS Gallery内に設けた。開幕までの1週間、ギャラリー、スタジオ、ショップは絶えず進化を続け、イベントの全貌が判明したのは初日。壁に掛かったクールなアート作品はもちろん、展示空間、直売店型のキオスクまで、デザインと設営は、施工業者ではなく、アーティストたち自らの手によって作り上げられた。

ここからは、完璧なるまでのDIYで作り上げられたLevi’s®史上最大級のカスタマイゼーション・アート・エキシビジョンについて、そして146周年を迎えるブルージーンズが誕生した5月20日=501®︎DAYについて知っておくべき10のことをおさらいしよう。

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Photography Nobuko Baba

1. ジョー・ガーヴィーのキュレーション

Levi’s®がアーティストの面々を集めるべく声をかけたのは、アーティスト、キュレーターで、長年LQQK STUDIOと活動を共にしているジョー・ガーヴィー。クリエイティブな取り組みを取り巻くコミュニティの理解と創造を目指している人物だ。そんな彼だから、Levi’s®からのクレイジーなオファーにすぐに頷いたに違いない。

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Image courtesy of Levi’s®

2. 本展の最大のメッセージは……

タイトルの通り「THERE IS NO WRONG(間違いは何もない)」。バイカークラブ、パンク、ラップ、アートムーブメントと同じく、いつだってLevi’s®はカウンターカルチャーのシンボルだった。デニムは、「自分を表現する自由なキャンパス」なのだから。

3. The MASS Galleryは東京で訪れるべきスポットのひとつ

会場は東京のThe MASS Gallery。2016年にオープンしてからずっと原宿でもっともクールなスペースのひとつだ。ニック・ナイトやSHOWStudio、藤原ヒロシのもとで学んだ学生グループによる展示も開催。キューブのような3つの空間と空を見上げるピロティからなる美しいアートギャラリーだ。

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Image courtesy of Levi’s®

4. DIYを賛美するLQQK STUDIOによるサテライトスタジオ

そう、このエキシビジョンのもっともユニークな点は、サテライトスタジオをつくったことだ。シルク スクリーンプリントのマシン、超精密な表現ができる刺繍機、アーティスト達がそれぞれ使用するあらゆる工具がかかったウォールラック。それぞれのアーティストが自身のビジョンのもと、一点もののカスタマイズアイテムを創りだす環境を完全にするためには、アレックス・ドンデロが率いるLQQK STUDIOの力が必要だった。

チームの多様性と確かな技術を有するLQQK STUDIOは、NYCから生まれたもっともクリエイティブなチームのひとつだ。参加アーティストたちは会期がスタートする数日前からスタジオに籠って、デニムトラッカージャケットや、Levi’s®︎のオーセンティックプロダクトである501®や、511™からスウェット、Tシャツなどをカスタマイズ。本展の“コラボレーター”でもあるVIPの来場者もまた、アーティストやLQQKチームと一緒にカスタマイゼーションに勤しんだ。高層ビルの50階にあるミニマルなオフィスよりも、こんな空間で働いていたい。

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Image courtesy of Levi’s®
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Image courtesy of Levi’s®

5. 28名のアーティストが東京に

写真家で、彫刻家やペインター、パフォーマーとしても活動するニック・セティは、リネン地にインドのフラッシュタトゥーをペイントした作品に加え、梱包資材を用いた「Ballpark Franks」を展示。ルーク・トッドのラグ編みされたシリコンチューブの中を“血らしきもの”が動き続ける「Blood rug III」と、ケヴィン・エマーソンがキャンパスをタイダイに染めた「Depresh Mode」はかなりクールだった。アートギャラリーに出展した作家を筆頭に、Levi’s®が描いたプランには、カスタマイズアイテムを制作する総勢28名のアーティストの参加が欠かせなかった。

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Image courtesy of Levi’s®

6. The GIFT SHOP

エキシビジョンの目的は、単に美術鑑賞を楽しむのではなく、寸分違わぬディテールと思考プロセスで生み出された展示作品とカスタマイズプロダクトとの結びつきをつくりだすことにあった。絵画、写真、オブジェクト——そうしたスペシャルなアートとLevi’s®︎が組み合わさることで、私たちの手が届くアイテムがギフトショップに並んだのだ。

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Image courtesy of Levi’s®

7. アンディ・ウォーホルやダミアン・ハーストによるカスタマイズデニム

Levi’s®のサンフランシスコ本社に保管されている2万点を超えるアーカイブの中から、5つの貴重なコラボレーション&カスタマイズ・アーカイブコレクションが東京にやってきた。その1。2007年にダミアン・ハーストが501®ジーンズにペイントを施し、ジッパーポケットとベルクロ、ストラップディテール付きボンテージ カスタマイズ ジーンズ。夢が叶うなら街中で履いてみたい。アンディ・ウォーホールの晩年の名作「最後の晩餐」と「天国と地獄は紙一重」を掛け合わせたグラフィックを落とし込んだジーンズは、表面にブラックライトを照らすとグラフィックが浮き上がる。目に見えない幻想がまた美しい。そして、キース・ヘリングおなじみのグラフィックが施された501®ジーンズは、HIV/AIDSの研究をサポートするために制作されたリミテッドコレクション。

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Photography Nobuko Baba
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Photography Nobuko Baba

ステイ・プレスト®を埋め尽くす狂気的なイラストは、34年間服役していた受刑者が刑務所内でボールペンとマーカーだけで描き上げたもの。とあるパンクミュージックファンがカスタムしたバトルベストは、デニムは人の手にかかるといかようにも変貌を遂げることができる、その多様性を明らかにしていた。

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Photography Nobuko Baba

8. ワークショップ with BIG LOVE RECORDS

BIG LOVE RECORDSの創設者でGR8のPRでもある平田春果は、ギャラリースペースにモダンな生け花作品を展示した。それだけでなく、エキシビジョンの会期中には、サテライトスタジオで生け花のワークショップも行った。文化を共有するときに、創造的な時間を共に過ごすことはもっとも有効な手段のひとつだ。このこともまた、「THERE IS NO WRONG」を知る上で欠かせない。

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Photography Nobuko Baba

9.なぜ東京でスタートしたのか?

Levi’s®のオフィシャルの回答はこうだ。「東京はディテールを理解し、カルチャーをリスペクトし、若くて新しい才能を育てているから」。戦後、ファッションを含めたアメリカの文化が日本に凄まじい勢いで流入して以来、日本人は自由に再解釈しながら、体型や風貌、趣味に合わせて(まさに今回のエキシビジョンのように)再構築 “カスタマイズ”してきた歴史がある。この半世紀を振り返れば、日本人がブルージーンズにかける愛情には計り知れないものがあると思い知らされる。

10. クロージングパーティでさらにドロップされたもの

エキシビジョンが閉幕した翌晩、渋谷のTRUNK(HOTEL)でクロージングパーティが催された。LQQK STUDIOSのメンバーや、アーティスト、東京のDJたちがフロアを楽しませるだけでなく、この夜のためだけのスペシャルアイテムを揃えたポップアップギャラリーも出現。写真家の小浪次郎の作品をLQQK STUDIOがスクリーンプリントしたトラッカージャケットに、藤田哲平のsulvamがステッチを施した501®ジーンズ、BlackEyePatchがカスタマイズしたアイテムまでが並んだ。次なる開催地は、東京から、NYへ。

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Image courtesy of Levi’s®
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Image courtesy of Levi’s®
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Image courtesy of Levi’s®