フリーダ・カーロの遺品

写真家・石内都が、メキシコの女性画家フリーダ・カーロの遺品を丹念にフィルムに収めていった。その記録を集めた作品シリーズの展覧会『石内都展 Frida is』が現在、銀座の資生堂ギャラリーで開催されている。

by Sogo Hiraiwa
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21 July 2016, 2:55am

Frida by Ishiuchi 2012/2016 ©Ishiuchi Miyako

一度見たら忘れることのできない、本人の強い意志を感じるアイコニックな眉毛。20世紀前半に活躍したメキシコの画家フリーダ・カーロは、生涯に200点以上の絵を描いたがその大半が自画像だった。今回、銀座の資生堂ギャラリーで開催されている『石内都展 Frida is』にはしかし、フリーダ本人の姿は見当たらない。

2012年、石内都はメキシコシティにあるフリーダ・カーロ博物館からの依頼を受け、フリーダ・カーロの遺品を3週間にわたり撮影した。彼女の死後、50年間公開されずに眠っていた遺品には、フリーダが身につけていたコルセットや靴、指輪などの装飾品、そして化粧品や好んで着続けたテワナ衣装などが含まれていた。石内は35mmのフィルムカメラを手に、これらの持ち物を自然光のなかに配置し、丁寧に撮影していった。

フリーダは、幼児期に患った病や、メキシコ壁画画家の巨匠ディエゴ・リベラとの2度の結婚、トロツキーやイサム・ノグチとの恋愛など波乱に満ちた人生を送った強烈なヒロインとしてのイメージが強い。しかし、石内が彼女の遺品を通してみせるのは、苦境のなかでも希望を失わず、力強く生き抜いたひとりの女性の日常だ。

今回展示されているのは、石内の『Frida by Ishiuchi』『Frida 愛と痛み』シリーズから選ばれた31点。パリやロンドンのギャラリーでも公開された展示が、満を持して日本で初の本格的な発表となる。数々の逸話や作品と同様にフリーダを雄弁に語る彼女の遺品を、この機会にぜひ見てほしい。

Frida Love and Pain 2012/2016 ©Ishiuchi Miyako 

『石内都展 Frida is』
会期:開催中 - 8 月 21 日(日)
開館時間:平日 11:00~19:00 日・祝 11:00~18:00 毎週月曜休館
会場:資生堂ギャラリー
〒104-0061 東京都中央区銀座8-8-3 東京銀座資生堂ビル地下1階
tel. 03-3572-3901 fax. 03-3572-3951
www.shiseidogroup.jp/gallery
入場無料 

Frida by Ishiuchi 2012/2016 ©Ishiuchi Miyako 

Frida Love and Pain 2012/2016 ©Ishiuchi Miyako 

Frida Love and Pain 2012/2016 ©Ishiuchi Miyako 

Credits


Text Sogo Hiraiwa