nasir mazhar spring/summer 17:武装的で繊細なNasir Mazhar

Nasir Mazharの2017年春夏コレクション。ナジール・マザーは、男性的な印象のトラックスーツにレースを施し、繊細で柔らかく、そして欲望をかきたてるものへと作り上げた。

by Felix Petty
|
28 June 2016, 1:05am

Nasir Mazharのショーは、ロンドンメンズコレクションの2日目に行われ、2つのトラックスーツのルックが登場した。ショーのオープニングに披露された、発色のよい赤と黒のブロックウェーブの1着目は、熱帯雨林に住む生き物が捕食者から自分の身を守るために発するマーキングのデザインを彷彿とさせる。フィナーレには、同じパターンながら、大胆で焦がされたような色とゴールドが配されたより豪華なスーツが登場した。これらのトラックスーツは、武装的かつ繊細、リュクスにしてストリート--そのバランス感が今年のロンドンファッションウィークを象徴しているようでもあった。

このテーマが最も鮮明に現れていたのは、レースがあしらわれた一連のルックで、最初はタンクトップ、ショートパンツ、ジョギングパンツから、最後のクライマックスにはレースのトラックスーツがショートパンツとウエストコートとの組み合わせで登場した。男らしいトラックスーツが繊細で、柔らかく、欲望をかきたてるものへと再解釈されており、今回のショーのハイライトだったと言えるだろう。

ナジール・マザーは、複雑な領域へのアプローチにより、ストリートウェアにつきものの"シンプルさ"から脱してみせた。最近のコレクションでは、トレードマークとも言える彼のアプローチの独創性と特異性を維持しながらも、ビジョンを洗練し、その世界観を広げ続けている。ナジールはアイコニックなアイテムを即座に作り出すことに長けているため、熱心なファンも多く、ショーが一大イベントのような盛り上がりを見せる。

レースのトラックスーツは特に際立っていたが、ライムグリーンに染めたフェイクファーのディテール、鮮やかな赤と蛍光色の青、そして漁師スタイルのバケツハットも今季のクレクションで強い印象を残した。カーキのスリーブレスジャケットはどことなくミリタリー調で、全体として未来的というより、素朴で土の香りのするようなコレクションだった。しかし、今季最も劇的だったのは、マスキュリンな硬さとフェミニンな柔らかさのあいだでバランスを保ち、それによってナジールがコレクション全体を語り通したことだろう。

Credits


Text Felix Petty
Photography Piczo
Translation Minako Shimatani

Tagged:
London
Nasir Mazhar
LCM
spring/summer 17