j.w. anderson spring/summer 17 at london fashion week

イギリスのルネッサンスから南欧カントリーまで、ジョナサン・アンダーソンはあらゆる時代と文化からのインスピレーションを得て、服の上でコラージュした。

by Felix Petty
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27 September 2016, 11:07am

ジョナサン・アンダーソン(Jonathan Anderson)は、クリエイターであると同時に有能なキュレーターでもあるようだ。ヨークシャーにあるギャラリーHepworth Galleryにて、来年、完全なるアートの展覧会のキュレーションを手がけるという発表があったのだ。「Disobedient Bodies(反抗する身体)」と題したこの展覧会は、彼が作り出すファッションと、彼がアートから受ける影響の両面から、人間が持ち、作り出すフォルムを探るという内容。彫刻家ルイーズ・ブルジョワの作品からCOMME des GARÇONSの服まで広く展示されることになるという。

アンダーソンが自身のブランドおよびLoewe両ブランドで作り出す服の特徴は、いかなるインスピレーションをも自己の内に集積して、それを自身のフィルターを通して形に変えるその能力だ。カット&ペーストに受けた影響から、フォルム、場所、アイデア、イメージまでをすべてコラージュ作品のように構築していく彼は、この時代きってのデザイナーといえるだろう。今回のJ. W. Andersonコレクションは、ファッションのなかでも最もベーシックにして、最もインスピレーションを形にしやすいガーメント、そう、ドレスに焦点を当てていた。

アンダーソンがいかに評価を受けているデザイナーかを知りたければ、彼のショーに協力したスターの面々を見ればいい。スタイリングには、アンダーソンと長年のコラボレーターとして確固たる関係を築いているベンジャミン・ブルーノ(Benjamin Bruno)、音楽担当はミシェル・ゴベール、ショーのオープニングとクロージングにはUKロマンチックハウスのセイント・エティエンヌの「Like A Motorway」が用いられ、そのあいだには——アンダーソンのファッションと同じく——さまざまなスタイルや時代、ムードの音楽が会場に響いた。

今回のコレクションで際立っていた作品は、ハンス・ホルバインの中世イギリス絵画を思わせる大きなスリーブや、テーブルクロスをつなぎ合わせて作られているらしいバージンホワイトのドレス、そして南欧カントリー調の美しいドレスの数々だった。

しかし、アンダーソンはそんなモチーフを直接的にデザインへ反映させるのではなく、それらにさまざまな時代やスタイルをミックスし、どこか懐かしいカラーを盛り込むことによって、美しい作品に実用性を、もしくは実用的な作品に美を与え、空間にそぐわない感覚をそこに生み、独特の空気感を漂わせた。たとえば、シンプルなドレスに大きくピンクを配したり、中世風ロングパフスリーブのジャケットに外されたバックルが揺れたりといったようにだ。

アンダーソンは、さまざまな要素を寄せ集めて誰も予想だにしないコラージュファッションを構築し作り上げることで、唯一無二の世界観を築いている。その美しさは、世界を見る別の方法を私たちに教えてくれているのだ。

Credits


Text Felix Petty
Photography Mitchell Sams
Translation Shinsuke Kuriyama at WORDSBERG Inc.