異彩を放つインフルエンサー サシャ・トラウトヴェイン interview

シベリアの大自然で生まれた若きモデルが、ファッション界を虜にするまで。

by Ryan White; translated by Nozomi Otaki
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15 February 2019, 3:12am

This article originally appeared in i-D's The Superstar Issue, no. 354, Winter 2018

現在20歳のサシャ・トラウトヴェインは、自身をモデルとは呼ばない。「僕はどちらかといえばインフルエンサーに近いと思う」。イーストロンドンのスタジオの片隅に座る彼は、気だるげに首を反らしながらこう語る。すらりとした長身にポーカーフェイス、右目の下には〈wake up〉というタトゥー。Instagramで60万人以上のフォロワーを獲得し、自らオリジナルアイテムも手がけるサシャは、ストリートファッションの新たな波に乗る若者に求められるであろう、あらゆる素質を備えている。「10年前なら、僕なんて見向きもされなかった。当時のモデルはみんな美人で、彫りが深くて、同じような見た目のひとばかりだったから。今はもっと個性的なモデルが増えたと思う。美しさの概念が変わったんです」

サシャのバックグラウンドは、誰もが想像するようなインフルエンサーとはひと味違う。しかし、現状に抗い、ルールを打ち破る変革者を好むファッション界は、完全に彼の虜になっている。サシャの子ども時代は、カラバサスでのホームパーティやリアリティ番組のスターのような生活からはほど遠い。シベリアの小さな町で生まれ育った彼は、長く厳しい冬、ソ連崩壊による経済的打撃に耐えてきた。「僕たちは木造アパートに住んでいて、マイナス40℃のなか薪をとってきて、かまどで火を起こさなくちゃいけなかった。町には5つの工場があって、みんなそこで働いてました。ソ連が崩壊してロシア連邦になったあと、工場は閉鎖されました。当時のシベリアの経済状況は最悪でした。今では少しマシになりましたが、決して良いとはいえません。義父は大工で、母は家具店で働いています」

学校を中退し、17歳で家を出たサシャはここ3年、サンクトペテルブルクを拠点に活動している。「良い所だけど、危険も感じることもあります。特に日中は頭のおかしな男の人が大勢いて、すぐに喧嘩を吹っかけてくる。郊外から街の中心部に出てきては揉めごとを起こすんです。彼らはまだ、旧ソ連時代の考えかたから抜け出せてない」

サシャ自身は、ファッションの世界に完全に没頭しているわけではなく、モデル業を単なる生活手段ととらえている。彼によれば、サンクトペテルブルクでは、ファッションウィークは若者ではなく「上流階級のため」の催しだ。将来的には俳優を目指しているというサシャが、今注力しているのは、英語力の向上、生計を立てるためにヨーロッパでモデルとして成功すること、そしてInstagramでファンのハートを打ち砕くことだ。「結婚したい、っていうメッセージがたくさん送られてくるんです」

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Sasha wears jacket AG Jeans. Jewellery (worn throughout) model’s own.
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All clothing Edwin.
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Jumper American Vintage. Jeans Edwin.
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Jacket Edwin. Hoodie American Vintage. Jeans Levi’s.

Credits


Photography Clare Shilland
Styling Rúben Moreira

Grooming Michael Harding at D+V Management using Davines. Styling assistance Hugh Stewart.

This article originally appeared on i-D UK.

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