2019年春夏クチュールコレクションのベストビューティルック5選

ふわふわの逆毛、グリッターまみれのおでこ。繊細さが礼賛された時代は、間違いなく終わった。

by Shannon Peter; translated by Ai Nakayama
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05 February 2019, 7:49am

Chanel and Christian Dior, via Instagram

クチュールショーはいつだって、軽薄で盛り盛りのド派手なサーカスのよう(ときには本当にサーカスのときもある)だが、結局は服だ。Chanelの宝石付きボディスーツ、Diorのサーカスに着想を得たオーガンザドレス、クレア・ワイト・ケラー手がけるGivenchyのメタリックドレス。私たちがそれらを手に入れるには給料アップを待たなければならないので、服と同じくらいに現実離れしていて、ずっと安く実現できるヘアメイクで我慢しよう。2019年春夏クチュールコレクションで登場した、豪華絢爛なビューティルック5選をご紹介。

Chanel
夏真っ盛りのドリーミーな地中海のヴィラへと私たちをいざなってくれたChenelのショーセット。いっぽう、ヘアスタイリスト界の重鎮、サム・マックナイトは、逆毛コームを手に別の目的地を目指していた。彼のヴィジョンは、「19世紀的ロマンスとボウイのブリッツ・キッズ」の融合であり、彼は見事にそれを実現した。彼はモデルたちの逆毛を立て通常の3倍の高さのオールバックにし、あのマリー・アントワネットにも満足いただけるであろう、ふわふわのヘアスタイルをつくりあげた。もちろん、80年代のクラブシーンを盛り上げた、ニュー・ロマンティック的エッジとアティチュードも忘れていない。

Christian Dior
夢に出てくるような(悪夢じゃなくて助かった)雰囲気をまとう、Diorの道化師たち。メイクアップアーティストのピーター・フィリップスは、ひと昔前のハーレクインの奇抜な衣装から着想を得て、スモーキー感のあるコールペンシルで、モデルの目の下にダイヤモンド型のモチーフを描いた。もし、会場が壮麗な巨大テントでなければ、あるいはもし、モデルたちがキラキラのボンネットやフェイスネットをまとっていなければ、パンク全盛期のルックだといっても納得できるメイクだった。

Givenchy
メイク界のカリスマ、パット・マグラスは、今回のGivenchyのメイクアップを担当し、ビューティの可能性をさらに広げた。二流三流のメイクアップアーティストなら、グリッターアイシャドウをちょっと乗せて終わりだろうが、我らがパットは違う。彼女は、モデルのカーラ・テイラーの目からおでこにかけてをシルバーでペイントし、その上に大量のホログラムグリッターを重ね塗りしたのだ(できることなら生分解性であってほしいところ)。

Maison Margiela
ドギツい色のグラフィティに覆われたランウェイでも埋もれないヘアスタイリングを実現するなんてなかなかの苦行のはずだが、ヘアスタイリストのユージーン・スライマンにとってはいつものごとく朝飯前らしい。部分的に、髪をセットと同じレインボーカラーにペイントしたあと、ソルト系ヘアスプレーでしっかり濡らす。そのヘアスタイルに合わせるメイクは、再びパット・マグラスが担当。目の周りを厚みのあるホワイトの膜(エッジはギザギザと浮き上がっている)で囲み、まるで漆喰を塗り、破いた紙を貼ったかのように見せた。

Giambattista Valli
ここ数年、目立たないネコ目アイラインばかり引いてきたみんな、もうやめよう。メイクアップアーティストのヴァル・ガーランドのお教えによれば、今は大胆さが求められる時代。Giambattista Valliのショーでは、外はこめかみまで、中は鼻根近くまでシャープなラインが伸びていた。ガーランドの審美眼や確かな技術がないから、ラインなんてうまく引けない、というあなたは、下手にマネしなくていい。ヨレヨレのアイラインで勝負しよう。

This article originally appeared on i-D UK.