現実と超現実のあいだ:ミリアム・マレーネ・ヴァルドナー

ベルリンをベースに活動する写真家ミリアム・マレーネ・ヴァルドナー。センセーショナルなZINEをリリースしたばかりの彼女に、不思議な夢、白タイツ、そして作品に自分自身の生き様をリアルに投影しすぎることの問題点について聞いた。

by Tish Weinstock
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14 December 2016, 3:10am

ベルリンの近郊で、大家族の一員として産声を上げたミリアム・マレーネ・ヴァルドナー(Miriam Marlene Waldner)。初めてカメラを手にしたときから、リアルとシュールの境界を問う写真を撮り続けている。彼女にとって、写真という媒体は世界をありのままに写し出すための手段ではない。心の底に広がる無限のイマジネーションから、ファンタスティックな世界を呼び起こすために写真を利用しているのだ。自然がたびたび登場する彼女の世界観には、自然に囲まれた環境に育った影響が色濃く見られる。そして、そこに配されたミステリアスな女性。ハロウィンをテーマにしたZINEをリリースしたばかりの彼女とともに、ファンタジーとリアリティの境界にある世界を巡ってみよう。

アートに初めて触れたのはいつですか?
兄妹と一緒に、週に何回か美術学校に通っていたんです。そこで彫刻や絵画などに触れたのがきっかけですね。私は今でもたまにそこに通っています。

写真に惹かれたきっかけは?
リアルな世界と非現実的な世界の境界を曖昧にするものを作り出したいんです。多くのアーティストは自分自身の生き様をアートの中に込めて表現しようとしてるように思うけど、私自身は、イマジネーションをフル活用したり、眠りながら見る変な夢をアートに込めるほうが、はるかにパワフルなものが生まれると思うんですね。私にとっては写真がベストな表現方法だった。私のリアルな感情や現実の生活は、作品の中には必要ないんです。

あなたをインスパイアする人やものは?
身の回りの全てのもの――そして周りのみんなです。デヴィッド・ボウイからは特にインスパイアされます。

あなたの作品に込められた美を言葉で表現すると?
ソフトだけど、少しだけ皮肉が込められてる。

制作のプロセスを教えてください。
私がそのとき夢中になってるものをテーマにします。スタイルだったり、カラーだったり――例えば、長いドレスをテーマにしたこともあったし、白タイツや、道化師なんかをテーマにしたこともあります。興味が次のものへと移るまで、徹底的に飽きるまでその世界観を追求します。

作品を通して表現したいものは?
私の存在をアピールするのではなく、私自身を表現したいですね。

初めてのZINEを出版されましたが、そのことについて少し教えてください。
あれは本当に楽しかった。ZINEの大ファンだったこともあって、いつか自分で出版したいと思っていたんです。ルールが特にない――ZINEのそこが好きです。タイトルは『Hell(o)』といって、74ページにわたってイラストやコラージュ、新しい写真作品を集録しました。お気に入りの画家の作品や、お気に入りの恐怖映画をモチーフにした作品なんかも盛り込みました。ハロウィンにぴったりな、憑りつかれたようなZINEに仕上がりました。

女性アーティストに注目が集めることを重要だと考えるのはなぜなのでしょうか?
性別に関係なく、全てのアーティストが同じレベルで同じチャンスを与えられるべきだと思うんです。もちろん、どの国でも、どんな仕事でも、それを実現することは難しい。でもいつか世界が変わってくれると願ってやみません。

将来に抱く希望、夢を教えてください。
世界を壊しかねない頭のおかしい政治家が一人でも少なくなればと思います。

@miriam_marlene

Credits


Text Tish Weinstock
Translation Shinsuke Matsuda

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