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molly goddard spring/summer 17 at london fashion week

モリー・ゴダード初のランウェイショーは、生きることの祝福と着飾ることの喜びに満ちていた。

by Lynette Nylander
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29 September 2016, 10:29am

展示会からショーへと発表の形式を変えることは、若いデザイナーにとっては大きなステップだ。パーソナルな展示から華麗なランウェイへと作品発表の手法をスケールアップすることで、伝えるべきメッセージが失われてしまいはしないだろうか?大規模なお金の動きがあることで、本来は最も、そして唯一大切なはずの服そのものを理解してもらえなくなるのではないだろうか?——Topshop Spaceで開催されたMolly Goddardのデビューショーを前に、デザイナーのモリー・ゴダードがもしそんなことを考えていたのだとしたら、それは時間の無駄だったと言わざるをえない。なぜなら、このショーは間違いなく彼女がこれまで発表してきたコレクションのなかでもベストなものだったからだ。

今回のMolly Goddardコレクションは、実にタイムリーで辛辣な内容だった。ロンドンで次から次へとナイトクラブが閉鎖されていくなか、今季Molly Goddardは「週末のために生き、自由を謳歌するために服を選ぶ人々——それができる空間と機会がみるみるうちに減っていくなか、それでも俗世の現実をつかの間でも逃れようとする人々」にインスピレーションを得たコレクションとなった。

ゴダードは今季、彼女のトレードマークともいえる花のようなチュールをふんだんに使いながらも、これまでよりもさらに自身の創作を突きつめていた。コレクションには、虹色のストライプニットや、フリルにカモフラージュ柄が浮かぶパンツ、ギンガム、パッチワーク、そしてイギリス人写真家ニック・ワプリントンの写真がプリントされたカットソーなどが散りばめられた。ドレスの下にレイヤーとしてそれらのアイテムが用いられている様は、ゴダードの世界観のベースにある"ごきげんで底抜けに明るい女の子"像を見事に表していた。ゴダードにとってクラブとは教会であり、ダンスフロアは祭壇なのだ。

ウォーキングを終えたモデルたちは、ランウェイの始点へと戻り、そこに集まって共に踊った。ショーであろうが展示会であろうが、Molly Goddardのイベントに見えてしまうのはラプソディの感覚だ。立ち上がって、お気に入りの服を着て、外へ出て、みんなを振り向かせる——シンプルなものに喜びを見出すことの大切さを、見る者に思い起こさせてくれたショーだった。

Credits


Text Lynette Nylander
Photography Mitchell Sams
Translation Shinsuke Kuriyama at WORDSBERG Inc.