Photography Mitchell Sams

キム・ジョーンズ就任後初のコレクション:Dior Homme 19SS について知っておきたい13のこと

花、王子、ミツバチ、犬、そして羽根でできた服をフィーチャーしたキム・ジョーンズのコレクションは、彼がまだまだやれることを証明した。

by James Anderson; translated by Aya Takatsu
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jul 5 2018, 9:30am

Photography Mitchell Sams

1. ぐずぐずしている暇はない!
キムがDior Menのアーティスティック・ディレクターに就任してからわずか3ヶ月で、彼とそのデザインチーム、そしてさまざまなコラボレーターたちは、この徹底したコレクションときらびやかなランウェイを実現させた。彼らがノンストップで働き続けたことは想像に難くない。

2. どこで、いつ?
ショーの舞台は、パリのフランス共和国親衛隊。そのため開始は午後5時からだったが、たくさんの高名なゲストがいわゆる“適度な遅刻”をしたために、30分押すこととなった。

3. 誰が参加した?
ファッション界、音楽界、映画界、アート界から、キムの親友たちが押し寄せた。その面々は、ケイト・モス、ナオミ・キャンベル、レニー・クラヴィッツ、ヴィクトリア・ベッカム、グレース・ウェールズ・ボナー、マンディ・レナード、ルカ・サバト、リタ・オラ、スケプタ、ロバート・パティンソン、ヴァージル・アブロー(まだ駆け出しデザイナーだったころ、キムの家に居候していた)、エイサップ・ロッキー、ウィニー・ハーロウ、グェンドリン・クリスティ、村上隆、ジェイミー・ウィンストン、キム・カーダシアン、ブロンディ・マッコイ、リリー・アレン、ベラ・ハディド、カール・ラガーフェルドなど。

4. テクニック!
オーディエンスに渡されたショーノートに、このコレクションは「典型的なフェミニン・クチュールのアイデンティティを男性的な語彙へと翻訳したもの」と、ふんわり書かれていた。それはつまり、複雑にレイヤードされていながらウェアラブルで現代的なメンズ服をつくり出すために、キムがさまざまな古いクチュールテクニック(刺しゅうされたオーガンザやチュールを使ったコート、ビーズやフェザーでアップリケされたシャツなど)を活用したということである。

5. インスピレーション!
キムはDiorのアーカイブをよく研究し、そこに彼の十八番である現代的なミックスを加えた。特に彼が関心を寄せたのは、オートクチュールを愛した故クリスチャン・ディオール自身だ。「彼の人生のさまざまな部分に焦点を当てるというのがアイデアでした」と、キムは『オブザーバー』紙に語っている。1940年代にDiorのショップで使われていた壁紙はシャツの柄につくり替えられ、アップデートされた花柄は、1957年に逝去する以前にディオール氏が誇りを持って蒐集していた陶磁器をもとにデザインされた。ディオール氏の愛犬ボビーも、キムにひらめきを与えたようだ。コレクションが犬に関連した多種多様な小物で飾られていたのは、そのためである。

6. コラボレーション!
キムはずっとコラボを愛してきたが、今回も例外ではない。ニューヨークに拠点を置く伝説的なアーティストKAWSを誘い入れ、有名なDiorの蜂モチーフにちょっとした新鮮味を加えたのである。このモチーフはシャツやさまざまなアクセサリーに落とし込まれている。さらにKAWSは、クリスチャン・ディオール氏自身を模した巨大な花の像(およそ7万本のバラとシャクヤクを使ってつくられた)もデザイン。ショーの参加者の頭上にそびえ立ったそれは、可憐でかわいらしい香りがした。

7. ……そしてさらなるコラボレーション!
Alyxのマシュー・ウィリアムスは、コレクションピースのひとつである個性的なロゴバックルをデザイン。AMBUSHのYOONは骨型キーホルダーやスマホケース、イヤリングやネックレスを手がけている。さらに伝説的な帽子職人スティーヴン・ジョーンズは、絡み合ったロゴマークの金具で仕上げたベースボールキャップなど、破天荒なヘッドウェアを生み出した。

8. ルック!
巧みな職人技と複雑な実験的素材使いをミックスすることで、透明なビニールの下にプレスされた繊細な羽毛状の花や、手刺しゅうのビーズからなる素晴らしい作品が生み出された。シャツやトレンチコートも垂涎もの。パステルに黒といった色合いに、柔らかいテーラリング、ごつめのスニーカー、ボイラースーツ、なめらかなプラスチック製のレインコート、しっかりとしたつくりのバッグ、ウィットに富んだアクセサリーなど、ストリートウェアが大好きなファンも、装飾的なドレスを愛するファンも、どちらも喜ぶこと間違いなしだ。

9. ディテール!
コレクションに登場したきめ細やかにビーズが飾られたシャツのひとつは、6つのパーツから成り、そのひとつひとつをつくるのに、4人の非常に忍耐強いDiorのクチュリエがまるまる1週間を費やした。

10. 楽しいバッグ!
アイコニックなDiorのサドルバッグのデザイン(そのオリジナルは、90年代にジョン・ガリアーノがメゾンのトップに就任した際、ウィメンズ・コレクションで発表されたもの)を、キムがさまざまなかたちに改造。今シーズンのメンズウェアアクセサリーの潮流をつくり出しそうだ。

11. 王室!
コレクション最初のルックをまとったモデルは、デンマーク王室のニコライ王子だった。この起用にはふたつの理由がある。ひとつめは、キムの今は亡き母親がデンマーク人だったということ。ふたつめは、本物の王族が参加したら、華やかだろうとキムが考えたからだ。

12. もれ聞こえるコメント!
「キムの赤ちゃんを産みたい!」「こいつはすげえ代物だ!」「ちょっとそのサンドウィッチをかじっていいかな、超腹ペコなんだ」「この花じゃ花粉症になりそうだな」「俺にあのキャップをひとつくれるって彼が言ってたんだ」「Louis Vuittonでの彼の仕事のほうが好きだな」「キムって素晴らしいデザイナーだね!」「レニー・クラヴィッツのズボンが破けちゃったときのことを覚えてる?」「やだ、スケプタって超絶クール!」

13. クラブチューン!
オービタルの「Halcyon」やアンダーワールドの「Born Slippy」など、90年代前半のキラークラブチューンをフィーチャーしたショーのBGMをミックスしたのはDJディプロ。どちらの曲も、素早く歩を進める男性モデルの動きとぴったりシンクロしていた(パリ郊外のどこかにあるケーキ屋跡で、秘密の90年代ふうレイヴ打ち上げがあると噂されていたが、まだ裏は取れていない……)。

This article originally appeared on i-D UK.