Photography Alin Kovacs 

「代替療法」を2018年に再考するCottweiler SS19

カッピング、ヨガ、瞑想、マッサージ、マインドフルネス。このCottweilerの2019年春夏コレクションのメニューには、これらすべてが用意されている。

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jun 18 2018, 8:13am

Photography Alin Kovacs 

Cottweilerはかつてスポーツウェアブランドと称されていた。しかし、トラックスーツの日常的なリアリティをその中核に据えているとはいえ、彼らはつねにまったく違う世界をコラージュし、巧みにつくり上げてきた。ベン・コットレルとマシュー・デインティは、自身の社会環境に本能的に呼応するコンセプト主導のデザインデュオだ。彼らの手がけるものすべてには、自然界とテクノロジー、スポーツとフェティシズムのあいだにある魅力的な緊張感が存在している。

オーストラリアのブルー・マウンテンズにあるセラピーセンターで静養したのち、ふたりはスピリチュアルなパフォーマンスウェアをつくろうというニューエイジな欲求をふくらませていった。「代替療法(オルタナティブ・セラピー)にとても関心があって」と、マシューはバックステージで話す。「それに、しばらくReebokとのアフターケア・プロジェクトでそれを紹介してきましたから。今日はそれをさらに前進させたかたちです」。その結果生まれたのが、誰もが心と身体に気をつける必要があることを、誠実に、そして愉快に思い出させてくれる作品だった。

iPhoneアプリや新時代の教祖たちが、古代の技法を現代生活のツールとして紹介して以来、代替療法のヒッピー色は薄まっている。このコレクションは、社会のより大きな機運に同調したものなのだ。「私たちにとって、自分たちのやっていることはとてもパーソナルなもの。それがより大きなメッセージとなればうれしいですが、あくまでこれは自分やベンの経験から派生したものなのです」

「幸せを祈る気持ちと、ピュアな感情。新しいゴールデン・エイジ。自己改革と世の中の刷新」。プレスノートには、このコレクションがそう紹介されていた。ショーやプレゼンテーションの予定でいっぱいの忙しい週末を終えた私たちにとって、これこそが待ち望んだ休暇だった。RAMBERT(サウスバンクにあるイギリス初のダンスカンパニーの拠点)の照明が当てられた部屋の中にある低いベルベットのベンチに座ると、心を落ち着かせるBGMがこうささやく。「感情は波のようなもの。広く穏やかな海の懐深く消えゆくのを見よ」。コレクションもまた、波のようだった。思わずそこに飛び込んでしまいたくなるような。

「ある人物の逸脱についてのストーリーを伝えたいと思いました。モデルたちは情緒不安定気味に登場します。私たち流の情緒不安定さですね。そして彼らはこのニューエイジ・カルトにどっぷり浸かっていくのです」と、マシューは説明する。このストーリーは全身黒のナイロン製トラックスーツで幕を開け、カラフルで透明なユーティリティ・ウェア、穴が開き性感帯部分が切り取られたナッパレザーのスーツ、生身の体が見える蓮の花のロゴがつきTシャツ、短パンなどなどへと進化していく。ビーズで飾られたマッサージ用のニット、カッピングの跡がついた背中や、ヨガマットを運ぶモデルが登場し、液晶ビジョンには滝の風景や瞑想用のベルが映し出される。代替療法のパワーを讃えるこのショーには、冗談めかしたものも数多く見られたが、ふたりは徹頭徹尾、誠実そのものだった。

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Photography Alin Kovacs

This article originally appeared on i-D UK.