性的暴行の告発を受けたアレキサンダー・ワン 疑いを完全否定

TikTokでの証言をきっかけに相次いだ告発を受け、NYのデザイナーが声明を発表した。

by Douglas Greenwood; translated by Nozomi Otaki
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06 January 2021, 6:00am

Photo by MARK RALSTON/AFP via Getty Images

自身の名前を冠するブランドと、2012〜2015年までBalenciagaのクリエイティブディレクターを務めたことで知られるニューヨークのデザイナー、アレキサンダー・ワンが、複数の人物から性的暴行の告発を受けている。2015年の出来事を含め、これらの訴えが明らかになったのは、英国人モデルのオーウェン・ムーニーがTikTokに投稿した動画がきっかけだった。オーウェンは2017年1月、NYのナイトクラブ〈Slake〉で著名なデザイナーに身体をまさぐられたと告白。その後、そのデザイナーがアレキサンダー・ワンであったことを明かした。

「ふとひとりになったときに、この人が僕の隣にいました。みんな身動きがとれないことを彼はわかっていたんです」とオーウェンはTikTokで語った。「それから彼は僕に触りはじめました。足をつたって、股のあいだまで。あまりにもショックで、完全に固まってしまいました」

オーウェン・ムーニーの訴えは、他の人物の訴えと酷似している。トランスモデルのジア・ガリソンは、オーウェンの件の1ヶ月後の2017年2月に、クラブのVIPエリアでワンに性器を露出させられた、と『The Guardian』誌に語った。同誌はさらに、ニック・ワードという建設作業員の証言も掲載。彼は2017年9月、ブルックリンのナイトクラブでワンに身体をまさぐられたという。

 オーウェンの最初の告発は、@ShitModelMGMT@Diet_Pradaなど、性暴力にまつわる匿名の証言を集めているInstagramの暴露アカウントがリポストしたことで、拡散していった。同アカウントは、アジーリア・バンクスが2019年にアレキサンダー・ワンをタグ付けして投稿した、トランス女性への性的暴行にまつわるインスタストーリーも取り上げていた。なお、アジーリアは2012年にワンのキャンペーンモデルを務めている。

2017年はじめ、ワンはラッパーのR.ケリーを春夏キャンペーンに起用した。彼は長年にわたって性的なスキャンダルを告発されており、レディ・ガガを含む多くのスターからも距離を置かれていた。彼は今年、児童ポルノと司法妨害の罪でシカゴでの裁判を控えており、4月にはニューヨークで恐喝罪で裁判を受ける予定だ。『The New York Times』によれば、これらの容疑はR.ケリーが「女性や未成年の少女を雇って違法な性的接触をさせ、彼女たちを孤立させて脅迫することで支配下に置く非合法企業を運営していた」ことを示唆しているという。

ワンは米メディア〈Page Six〉でこれらの告発に対する声明を発表した。以下に全文を掲載する。

 「ここ数日、私は事実無根で全くいわれのない告発を受けています。これらの主張は、証拠も集めず、事実確認もせずに非公表もしくは匿名の情報源からの中傷的なコメントを掲載することで悪名高いSNSアカウントによって、不当に拡散されています。これらの私にまつわる嘘が真実として後世に残るのは、ひどく腹立たしいことです」

「今回噂されているような残虐な行為に関与したことは一度もありませんし、この先そのような行為に及ぶことも絶対にありません。必ずこの件の真相を突き止め、これらの主張の発端となり、悪意を持ってネット上で拡散した人物に責任を取ってもらう所存です」

 Diet Pradaは、声明の最後に次のような質問を投げかけている。「お金、名声、有名人の影響力は、いつまで(性的暴行の告発を受けた人びとを)責任逃れさせるのだろうか?」

記事中のような被害に悩んでいる方は、下記のホットラインで相談を受け付けています。

性犯罪被害相談電話全国共通番号 #8103(ハートさん)

NPO法人 レイプクライシスセンター TSUBOMI(ツボミ)03-5577-4042

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