2018年を象徴する流行アイテム12選

服は口ほどにモノをいう。

by James Anderson; translated by Ai Nakayama
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20 December 2018, 5:07am

不気味なシェルスーツ、バカげたヘッドスカーフ、変な素材、小さすぎるサングラス、厚底スニーカー…。2018年は皮肉なアイテム、あるいは皮肉を極めすぎて皮肉を通り越したアイテムが多数登場した。いったいそれが〈ポストファッション〉なのか、〈プレファッション〉なのか、〈反ファッション〉なのか、それともただの古き良き時代の〈ファッション〉なのか、もはや誰にもわからないし、何なら誰も気にしていないのかもしれない。

1.ウエスタンシャツ

今年は、カントリーミュージックのスターのようなスタイルが人気だった。乗馬モチーフが派手になればなるほど、フリンジがひらひらしていればしているほど良い、という状態。特にウエスタンシャツはとても万能で、まさにウェアラブルなアクセサリーだった。だって、地元のチェーンのパブに敷いてある、柄入りカーペットにも映えるし、ソファにゆったりと座ってウイスキーをたしなみながら、映画『ブロークバック・マウンテン』にむせび泣き、誰にともなく「イーハー!」と叫びたくなる夜なんかにも寄り添ってくれるんだから。

2.ブリーチヘアの男子たち

今年、安上がりに、でも大胆にヘアスタイルを変えたいと望んだ、トレンドに敏感な若い男子たちは、ドラッグストアで売っているブリーチ剤を試したはずだ。まあ大抵、だらしない男子は自分で染めようとはしない。土曜の夜、ペッカムのフラットで開かれた2次会で瓶ビールを飲みながら、「ブリーチ手伝ってあげようか?」と尋ねてくれるような相手がいないキミは、いったい2018年をどうやって生き延びたのか疑問だ。

3,やりすぎのチーク

パウダー派でもクリーム派でも、MAC派でもMaybelline派でも、チーク、そしてアゴにたっぷりのカラーが乗せられた。それも全てなりたい顔になるためだったが、結果は、パリピの集うビーチでうたた寝をして日焼けした、ゲイクラブで70年代のスロベニアディスコサウンドに合わせて踊る客みたいな顔に…。

4.おばあちゃんのスカーフを頭に巻く男子たち

このトレンドの創始者は、おそらくエイサップ・ロッキー。怪しげな占い師の老女のようにスカーフを巻いた男子たちがストリートを闊歩するさまは、i-D的には今年ナンバーワンのルックだった。来年も再来年も続いてほしいトレンド!

5.すばらしくダサいPVCアイテム

ラテックスのチープで下品な従兄弟で、郊外の娼婦の御用達素材だったPVCが、メインストリームでトレンドの、ベストセラーアイテムという称号を手にした。ファストファッションの店舗に取りそろえられたセクシーでもなんでもない色のアイテムが、飛ぶように売れた。パテントレザーを模し、高級感をまとって、いや、まとおうとしているPVCアイテムもあるにはあったが、騙されるひとはほぼいなかった。PVCの流行のおかげで、「私は女王様なのか、それともECサイト中毒者なのか?」という痛烈な自己内省が促された。

6.同じくすばらしくダサいネオンアイテム

ネオンカラーがまぶしい80年代のエアロビビデオが、あらゆるブランドにより封印から解かれ、BurberryからBalenciagaまで、スーパーのぱっとしない商品棚から超有名クラブBerghainの長蛇の列にまで波及した。無理してる感を出さずにネオンに輝きたいなら、ブラックライトを装備しているナイトクラブで文字通り発光すればいい。辛抱強いファッションフレンドに、先週eBayで買った、ファスナーが壊れてるくせにバカみたいに高いPradaのリネア・ロッサのクロスボディバッグを自慢するのを忘れずに。

7.映画『サイバーネット』風のサングラス

昨年の『マトリックス』風サングラスのトレンドが、〈サングラスは、ただの金属の棒になる前に、どこまで小さくなれるのか〉という命題を追究しながら、さらに極端に継続中。モーフィアスとネオがかけていたサングラスよりも、映画『サイバーネット』のふたりの主人公、アシッド・バーンとクラッシュ・オーバーライドが愛用していたサングラスを思い出す。ここ数ヶ月で、超絶クールな(エレクトロクラッシュ・リバイバリストのふりをしつつ実はリアーナしか聴いてない)ティーンエイジャーたちのあいだで人気を広げている。そういうやつらって、イヴ・トゥモアのコンサートでこちらが彼らのInstagramストーリーに映りこんでしまったからといって、「うっかり」こちらの足を踏んできたりするんだよな。

8.父親のスポーツサングラス

スポーツ用とされ、これまでは家族で過ごす休暇やドライブのときの父親くらいしかかけてなかったサングラスが、最近では、〈@uglyworldwide〉のなりすましに必須のアイテムとなった。なりすましたちは大体、最近NamilliaのTシャツを買ったばかりで、ジムでスクワットしている自分のビデオをアップして、メイフェアのクラブでクスリをキメたりしてる。これがすべて12時間以内のことなんだから驚きだ。

9.IDカードケース風の財布

主に社畜や、最高レベルのセキュリティが搭載された監獄で働く従業員が大好きなアイテムであるIDカードケースだが、内情に通じたスタイルの破壊者たちが、自分のカードや貴重品をIDカードケース風の財布に入れて上着のポケットに留めるようになった。母親に〈借りた〉クレジットカードを入れておくにも便利だし、好きな有名人のマグショットを入れておくにもちょうどいい。

10.つくりこまれた“適当”メイク

走る車の後部座席で5分で仕上げたかのようなメイク。しかし実際は、Instagramのストーリーをアップするためにいったん休憩しつつ、何時間もかけて慎重に顔に色を塗りたくっているし、さらにボウチャーチ駅からバンクまで向かう通勤電車のなかでもダメ押しで手を加えている。この手のメイクは、ロンドンのクラブ〈Slimelight〉のニュー・ロマンティックルームでよく見かける。あるいは〈Vogue Runway〉に掲載されている、ジョン・ガリアーノが手がけるMaison Margiela ARTISANALの最新コレクションをスクショして、「何これダサ…」と「何これやば!!!」というキャプションを交互につけてアップしてるユーザーたちもこんな感じだ。

11.80年代シェルスーツ

フリマで、汗ジミ付きの本気でレトロなこのアイテムを買ったひと? あるいはGucciみたいな高級ブランドによるアップデート版を買ったひと? 古びたナイロン製で、やや型崩れし、あの悪魔のようなジミー・サヴィルが着用していたアイテム、というイメージの強いシェルスーツが、2018年の英国のトレンド最前線に躍り出た。ショーディッチの一角で、最高にクールなファッションギークたちによりキッチュなアイテムとして限定的に復活したのが20世紀末。それ以来、約20年ぶりの快挙だ。

12.チャンキースニーカー

クリーパーシューズの現代的なリブート版。分厚いラバーソールともったりしたシルエットのスニーカーは、今やどこにでも溢れている。BuffaloやFILA Disruptorなどがいちばん人気だが、GucciやMaison Margielaによるメタリックレザー製や、ラインストーンがついたチャンキースニーカーもある。主にロリータ的なフリルソックスや、ヌーディカラーの網タイツ、古着のAmerican Apparelのテニススカートと合わせてコントラストを効かせることが多かった。この靴とは認めがたいアイテムを足どり重く着こなしているひとはまだ多いが、残念ながらフラットシューズへと移行しているひとも同様に多い。彼らはあくびを噛み殺しながら、チャンキースニーカーは終わりだ、と触れまわっている。

Additional research by Honor Cooper-Hedges

This article originally appeared on i-D UK.

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