完璧なセルフィーを撮るための5つのヒント

不可能に近いことではあるが、それを可能にする方法を伝授する。

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aug 22 2017, 4:15am

This article was originally published by i-D US.

30分前、図書館の利用者カードを更新した。わたしは前のカードが好きだった。首下1インチから上の顔全体が見える写真が付いていたのだが、そこには興味深い表情で、フランス語でも流暢に話せて、69だって難なくやってのけられそうな雰囲気の自分が写っていた。更新したカードの写真は、デスクで働く女性がウェブカムを使って掛け声もなしに撮ったもので、わたしは更新後のカードを見て愕然とし、利用者登録コーナーを出ながら自分の若さも賞味期限を過ぎたのだと悟り涙にくれた。実物が平凡だからこそ写真には美しく写りたい。こうした欲望は、現代ならではのものだ。世の中には、いつも"美しい"ひとがいる。Instagramが登場するはるか昔、友達の両親が1980年代に27インチのLevi'sをはいて微笑んでいる写真などを見たことがあるだろう。しかし、誰もが常に美しくなければならない今という時代、わたしたちは、そんな過去の写真に見るカリスマ性で生きていくのは難しい。ひととの関わりが仕事の一形式であるならば、"セクシー画像"をソーシャルメディアに投稿するのはまたとないプロモーションの機会なのだ。かつてヴィクトリア・ベッカムは舌を上顎にくっつけて4年間は食べていないように見せかけていたけれど、しかし、それは今も昔——今回紹介するのは画像加工アプリに溢れる現代に贈る見せ方ガイドだ。必要なものは、ハサミとノリ、卵ケース3つ、充電コード(最新のタイプが好ましい)、そしてスケボーウェアと小さめのバッグだけ。これであなたも生まれ変われる!

その顔!
まずは、変えることがもっとも難しく、また誰もが容姿のなかでももっとも嫌っているであろう部分から始めよう。そう、顔だ。そのおぞましい顔だ。わたしにもその気持ちはよくわかる。鏡に映る自分の顔に泣きたくなるよね。でも、その顎、変な並び方をした歯、下手な笑顔、細い目などはアプリでどうにでもなる。手慣れたユーザーはレタッチで自分の顔を、アイスランドの美しい露や、摘みたての桃のように見せてしまえる。欠点はすべて手直しできるのだ。では、他人があなたの写った画像をSNSにアップしたいという場合はどうすればよいか? 答えは簡単。顔に直接描き込めばよいのだ。照明を片手に持ち、もう片方の手には水性ペンを持って、レタッチなしでは見れたものではないその顔を、完全に描き変えてしまえばいい。

その体!
体……ため息が出るわよね? 自分の体型なんて忘れて、常にセピア色のフィルターがかかり、レタッチしまくった顔でハンモックに横たわる自分こそが現実の自分だったらと嘆いてやまないのはわたしだけではないはず。そうでしょう? そんな未来がくるまでは、太い手足をどうにかしなければならない。二の腕? ふくらはぎ? どんな部位であろうと、筋肉に力を入れていないかぎりは柔らかく太く見えてしまう? そんな悩みともこれでおさらば。お望みの曲線美を生むには、自然な身体の構造に逆らい、身体をひねるなり、大きく見せたい箇所を突き出すなりするのだ。まずはお尻をカメラに向けて突き出す。他の部位に目がいかないほど突き出すのだ。他は捨ててしまおう。脂肪も脳みそも、ブレンダーで砕いてなかったものにしてしまえばいい。顔にはクールな表情をペンで描いてしまえばいい。もうそこに本当のあなたはいない——きっと、あなたを消し去った犯人を警察は今後数十年にわたり追い続けるはず。誰もそれがあなただなどとは思わない!

その服装!
顔や身体に比べたら、服装なんて簡単に変えられる。ファッションは、アイデンティティを表現しつつも、あなたが隠したい部分から閲覧者の目をそらす。しかし、そこでいくつかの注意点を——ブランド物をヘタに取り入れると、それだけで一部の人から総すかんを食らい、写真の価値は下がり。自尊心も自己愛もズタズタに傷つくことになる。ファッション・センスでイメージを損なわないよう、さまざまな服を試してみよう。いつでも最新のファッションに身を包んでいられるほどの余裕がなければ、ハサミを使えばいい。次にショッピングに出かけるときには、欲しい服に取り付けられた防犯タグを切り取ってしまえばいい。手に入れたらすぐ着て写真を撮ろう——警察に捕まる前に!

場所!
皮肉を込めた位置情報設定をするのはいい。でも、そんなのはこれまで数万人が使ってきた手だ。そこに頭を使っている暇はない!

友達!(そんなものいらない!)
おそらく、友達は皆そろって、あなたの元カレや元カノをことごとくフォローし、あなたの自撮りがいかにお笑いごとかとダイレクトメッセージであなたの悪口を繰り広げているにちがいない。そこで、一挙両得の革新的なアイデアを紹介しよう。友達の代わりに動物と一緒に撮ればいいのだ。動物には、セルフィーに不思議な魅力と温かみを添えてくれる。ヘビと自撮りをすれば、ヘビ柄が適度な懐古的ファッション感を生み、効果も倍増するだろう。

ああ楽しかった! だけど、ここでひと言——まずは、「なぜインターネットで自分の姿をさらす必要があるのか?」ということを、一度考えてみて。

Xoxo

Credits


Text Bertie Brandes
Still from One Hour Photo
Translation Shinsuke Kuriyama at WORDSBERG Inc.