フレンチ・ヌーヴェル・ヴァーグの起爆剤 LA FEMME

急遽来日 LA FEMME 原宿でのライヴを目撃せよ!

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mar 17 2017, 2:35pm

あまりにソヴァージュすぎる6人のメンバーの個性が存在感を放つ、サイケデリック・サーフ・ガレージ・バンド、その名もLA FEMME(フランス語で「女性」の意)。

フランス随一のサーフ・シティ、ビアリッツでキーボードでメインのヴォーカルをとるマーロンとギタリストのサシャが高校時代の友人というところからこの奇妙なバンドのストーリーは始まり、マーロンがパリで出会ったベースのサムと、ドラムのノエをメンバーとして誘ってLA FEMMEと名乗る。そして紅一点のメイン・ヴォーカルのクレマンスはインターネット上で出会ったという。さらにもうひとりのキーボード、ルーカスも加わって6人のバンドとして、2010年パリで活動開始。以来、何も恐れぬ奔放さとアンファン・テリブルぷりが注目を集め、クレージュにサンローラン、パリのモード界隈からもひっぱりだこに。昨年ニューアルバム『Mystère』をリリースの前から続いてきたヨーロッパ、アメリカをまわるツアーも1月末のパリで壮大なフィナーレを迎えた。

メンバー6人がそろってパリ郊外の地下室のスタジオでレコーディング中と聞き、さっそく会いにいった。

LA FEMMEについて簡単に説明するとしたら…… ガレージ・パンク、サーフ・ロックにサイケデリック・ロックやエレクトロ・ポップさらにはヴァリエテ(フレンチ・ポップ)までをごった煮して、まだ混ざりきっていないままで「出来上がり!」とドロップしてしまったようなソヴァージュな(粗雑な)サウンド。チープなヴィンテージ・シンセサイザーのビートと、ヒステリックなまでのハイキーで歌われるあやしく甘いメロディ。そんな彼らの発する音を聴き、ステージを目にすると、一気にワシづかみにされてしまうような神がかった破壊力をもっているのだ。

アートワークもミュージック・フィルムも、フランス人の一番強いアクだけ集めて勢いで作ったような、悪趣味とか言えないシロモノだ(ニューアルバムの青いジャケットもご覧の通り)。メンバーの風貌もしかり、色と柄を無造作に重ねたその上に、サンローランのジャケットをさりげなく羽織る唐突さはハイレベルなエスプリのなせる技だろう。

ちなみに2015年1月、エディ・スリマンのSAINT LAURENTのショーで音楽を手がけたのは当時はMystèreとクレジットされていたけれど、このLA FEMMEに他ならなかった。「PARIS SESSION」と題されたこのシーズン、LA FEMMEのメイン・ヴォーカルを務めるマーロンはそのシーズンのキャンペーンでモデルもつとめた。

そして過日3月1日、パリコレ期間中に行なわれたクレージュ2017-18 AWのプレゼンテーションではディレクターであるアルノー・ヴァイヤンとセバスチャン・メイヤーの友人として同じくマーロンがモデルとして登場し驚かされたばかりだ。今や、モードもストリートもいかに悪趣味を個性的にヴィヴィッドに取り入れるかに躍起になっている最中、もしこのマーロンが境界を狙った確信犯だとしたら恐ろしい。

実は今回の撮影は、そのクレージュのプレゼンテーションの直後にアルノーとセバスチャンに声をかけたことをきっかけに実現した。アルノーとセバスチャンの二人とは1月末のパリ公演終演後のバックステージでも会って、その夜の衣装の一部がcourrègesが作ったものだというのを耳にしていた。その夜、パリでのステージに限らず、かねてよりバンドのファンでもある二人が手がけるクレージュの衣装を着用しているのを目にすることも多かった。そんな経緯もあって LA FEMMEをモデルとして、彼らの日常的な生活の中でどのようにミックスしているのかをスタジオでの作業の様子をフォローさせてもらう撮影が可能になった。

それにしても驚いたのはレコーディングのスピードだ。ほんの数日、それも夕方にはまだ歌詞もなかった歌1曲が夜にはほぼ完成しているのだから…。その夕べのソヴァージュなアウトプットは今も耳にダイレクトに響いている。

LA FEMMEは現在アジア・ツアー中だ。3/21には原宿・アストロホールにて本邦初のライヴが披露される。このチャンスをぜひ逃すことのないよう!

LA FEMME 2017 JAPAN DEBUT
日時:3月21日(火)
会場:東京・原宿 Astro Hall
開場/開演:18:00/19:00
チケット/前売 6,000円、当日6,500円 Peatixほかにて発売中
お問い合わせ:090-4204-5678

Credits


Photography and Text Shoichi Kajino (Casino de Paris)
Sacha wears jumper courrèges. Marlon wears trousers courrèges. Clémence wears jacket courrèges.