長島有里枝 写真展「そしてひとつまみの皮肉と、愛を少々。」

90年代、カルチャーシーンを席巻した女性写真家によるムーブメントを代表する作家のひとり、長島有里枝による個展「そしてひとつまみの皮肉と、愛を少々。」が東京都写真美術館で開催される。デビューから24年を経て、新作ではさらなる表現の広がりをみせる彼女の初回顧展だ。会期は9月30日から11月26日まで。

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jul 28 2017, 12:05pm

Top Image : Self-Portrait [Brother #34] 1993年 ゼラチン・シルバー・プリント 東京都写真美術館蔵

9月30日から、写真家の長島有里枝による個展「そしてひとつまみの皮肉と、愛を少々。」が東京都写真美術館で開催される。1993年、若干20歳のときに発表した自らの家族のヌード・ポートレイトを撮ったシリーズで衝撃的なデビューを果たし、90年代から始まる「ガーリーフォト」と呼ばれる時代を牽引する存在となった。2001年には在米中の作品を含む写真集『PASTIME PARADISE』で第26回木村伊兵衛写真賞を受賞し、近年は『背中の記憶』で第26回講談社エッセイ賞を受賞するなど、写真以外の表現活動でも注目を集めている。

彼女は「家族」や「友人」といった身の回りの人々や風景、あるいはそれらを取り巻く現象を独自のおだやかな視点で、クールに切り取ってきた。その親密感がかおる作品がかえって、社会に通底した男性中心主義的な視点やジェンダーの政治性をアイロニカルに指摘していたことは、多くの批評家が語ってきたところだ——こと写真史において語らずにはいられないのだろう。本展では、初期を代表するセルフ・ポートレイトのシリーズや2007年にスイスで滞在制作をした植物のシリーズ、「女性」のライフコースに焦点を当てた新作が展示される。

また、10月8日には、i-D Japanでも映画評を執筆している翻訳家の野中モモ、11月5日には写真家の志賀理江子と藤岡亜弥を交えた、作家によるトークイベントも開催される予定だ。

Matt in Vertical Ramp 1996年 ゼラチン・シルバー・プリント

<empty white room>より 1994年 発色現像方式印画

<家庭について/about home>より Rose and Wood Turner 2015年 発色現像方式印画

Tank Girl 1994年 発色現像方式印画

長島有里枝 そしてひとつまみの皮肉と、愛を少々。
2017年9月30日(土)〜11月26日(日)
東京都写真美術館 2階展示室
休館日:毎週月曜日(ただし月曜日が祝日の場合は開館し、翌平日休館)

Credits


Text Tatsuya Yamaguchi