フェイクレイプはありか? なしか?

ソフィア・ヒューソンが、性的暴行に対する「急進的フェミニズム」の表として発表した作品を発表。しかし、世間の反応は賛否で割れている。

by Hannah Ongley
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02 June 2016, 3:01am

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アートは、ときに性的暴行に関する議論を引き起こすことがある。それは、清々しいものとは限らないが、いつでも必要性があって生まれるものだ。昨年、女子大学生エマ・サルコウィッツ(Emma Sulkowicz)が、性的暴行への抗議行動としてマットレスを持ってコロンビア大学のキャンパスを歩き回り、フェミニストたちはこれにスタンディングオベーションを送った。「マットレスパフォーマンス:Mattress Performance (Carry That Weight)」と題されたこのパフォーマンスは、"レイプ"と"その責任が誰に問われるのか"を社会がどう捉えているかについて、改めて私たちに考えさせるきっかけを作った。ソフィア・ヒューソン(Sophia Hewson)が制作した"急進的フェミニズム"パフォーマンス作品は、サルコウィッツと同様の問題を扱っている。しかし、彼女の作品は、人々にサルコウィッツのパフォーマンスとは違う反応を引き起こしているようだ。

are you ok bob?/アー・ユー・オーケー・ボブ?」は、"予め仕組んでおいたレイプ"を収めた動画で、すでに激しい議論を巻き起こしている。約3分のこのビデオには、カメラのレンズを覗き込むヒューソンが毛むくじゃらのボブに小突き回される様子が収められている。どうやら彼女は、暴行を加えられる瞬間のリアルな恐怖感を映像に収めることを目的として、セックス目的のボブをニューヨークの自宅へと招き入れたようなのだ。ヒューソンはプレスリリースで次のように述べている。「『are you ok bob?』は、女性が犯されている様子を単に傍観するものではありません。この作品で私たちは、レイプされているこの女性が私たちを見つめているまなざしと対峙することになるのです。彼女に見つめられることで、私たちは彼女の主観性を意識せざるをえないだけでなく、すでに彼女の孤独に関与させられてしまっているのです」。彼女は「レイプ被害者はこれまで、うつ伏せになり視線を合わせない描写でしか描かれてこなかった」とも指摘している。

この動画は極めて挑戦的な内容となっており、インターネット上での評価も芳しくない。あるFacebookユーザーは次のようなコメントを残している。「レイプはアートとして表現されるべき題材ではない。大勢のレイプ被害経験者への軽視、どうもありがとう。反吐が出るほど最低」。ヒューソンの行為はまさにレイピストの行為と同じだと弾劾する書き込みもある。「数百万のレイプ被害者の痛みを利用しての売名行為」とも書かれている。「あなたが今していることも、れっきとしたレイプ行為よ」。もちろん、ヒューソンも多少の批判は想定していた。これもまた、パフォーマンスの一環なのだと彼女は主張する。「レイプに対する私たちの恐れ(の反応)は、それを撲滅したいという情熱に、必ずしも繋がるわけではありません。もしそうであれば、すでに法律が改正され、政治で優先的に議論がなされ、被害者への包括的なサポート体制が出来上がっているはずだから」

Credits


Text Hannah Ongley
Image via Mars Gallery
Translation Shinsuke Kuriyama at WORDSBERG Inc.

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