ラフ・シモンズ、Dior後の生活を語る

ファッション業界のペースについて、ラフ・シモンズが自身の考えを明かにした。

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apr 20 2016, 1:40pm

Photography Willy Vanderperre

昨年10月、突如Diorを去ったラフ・シモンズ(Raf Simons)に関しては、これまで多くの記事が書かれてきた。しかし、彼自身は多くを語っていない。最新のインタビューでは、表向きこそデンマークのテキスタイルメーカー、Kvadratとのコラボレーションについて語っているが、同時に、業界を揺るがした彼の決断についても触れている。

3年半務めてきたデザイナーの突然の退任について訊かれた彼は「Diorは素晴らしいメゾンだし、Diorが築き上げてきた歴史の一部となれたことはこのうえない喜びだった。でも、もう無理だったんだ。オファーを受けたのが間違いだったとは思わない。素晴らしい経験だったし、最高のときを過ごしたよ。こんなにすぐ去るつもりはなかったけど、でも長い間留まろうとは元々思っていなかったんだ。だから事が複雑になっていって、結局辞めることに決めたんだ」と『Telegraph』紙で話している。

「ファッションが取り入れ始めたシステムは、離れることを決めた理由のひとつだよ。ファッション界は加速を続けている。シーズンごとにスピードアップしていって、僕を含む数人のクリエイティブな人間はもううんざりしてしまったんだ。ついていきたくないんだよ。あの速度で働いてしまうと、実に多くの大切なことを見落としてしまう」とシモンズは説明している。

彼はこれまでもファッション業界のペースについて不満を口にしているが、このインタビューではかなりの文字数を割いて、ソーシャルメディアがファッション業界に及ぼしている影響について憂いをあらわにしている。「『どうしよう、服はショーの次の日には売り出すべきかな、それとも三日後? Twitterではどうやって、Instagramではどんなふうに発信すべきかな』っていうことばかり議論しているんだ。本当にくだらないよ」

コレクション発表のペースを変えたいという彼の思いはKvadratとのコラボレーションにも現れている。「1年の予定が立てられるのは天国にいるような気分だよ。Christian Diorでは、毎年8回のコレクションを制作して、1回のコレクションあたり150ピースを作らなきゃならなかったんだから。今年に入ってKvadratと僕が作ったのは3ピースだけ。ひとつひとつ集中して作っているよ。時間をたっぷりかけて1つのプロジェクトに取り組めるというのは素晴らしいことだよ」。機械仕掛けのファッション業界から抜け、織り機へと鞍替えしたシモンズは、完全な復活を遂げたようだ。

Credits


Text Matthew Whitehouse
Photography Willy Vanderperre
Translation Shinsuke Kuriyama at WORDSBERG Inc.