東京コレクションスローバッグ:Hanae Mori

東京コレクションのランウェイを振り返るシリーズ。デジタルテクノロジーで生まれ変わった老舗、Hanae Mori。360°美しいアップタウンガールの登場。

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22 April 2016, 9:50am

1951年の設立以来、日本のファッションシーンをリードしてきたHanae Mori。65年の歴史を誇る伝統ブランドをフレッシュにアップデートすべく、2015年春夏シーズンよりA DEGREE FAHRENHEITの天津憂がデザインを手がけている。改革のキーワードはデジタル。柄やパターンを自分で選び、タブレット上でセミオーダーできるアプリをリリースするなど、積極的にファッションとデジタルの融合に取り組んでいる。4シーズン目となる16-17年秋冬コレクションのテーマは、「Inorganic & Organic:無機物と有機物の融合」。グランパレといったパリの人工的な街並みと、花や蝶といったオーガニックな存在にフォーカスした。光と影を効果的に対比させ、瑞々しい花の息吹を感じさせるショートフィルムでショウがスタート。ボルドーのニットとラップスカートのルックがオープニングを飾る。ポンチョやワイドパンツなどゆったりとしたシルエットが多く登場するが、ベルトで絞ったり、アシンメトリーのカットでフェミニンさを添え、美しいシルエットはキープされたまま。続くカラーパレットはピーコックグリーン。ドレープを効かせたルックがシックでエレガントだ。深みのある色味のワントーンルックが続くが、異素材のコンビネーションでレイヤードを遊び、ポイント使いされたエコファーが楽しげな表情をみせる。終盤、デジタルプリントのランがランウェイに登場。ブラックドレスを彩る高解像度のランは、躍動感あふれるオープニングフィルムを彷彿とさせる。そして今度はスマホで撮影したという蝶のプリントがランウェイを舞う。いよいよラストのルック。リーンなシルエットのドレスのバックスタイルには、大きなリボンのような蝶モチーフがあしらわれている。去り際美人とはこのことだろうか?なんともドラマティックな残り香をランウェイに残していった。進化する老舗に今後も注目。

Credits


Text Tomomi Hata
Photography Shoot Kumasaki