カメラを持ったクリエイティブ集団Film Hooligans

モデルのキキ・ウィレムス、チャド・ムーア、グレイス・ハーツェルや友人たちを多数フィーチャーされたFilm Hooligansの展覧会を、少し覗き見してみよう。

by Emily Manning
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09 August 2016, 7:39am

Photography Lida Fox

昨年11月、i-DはウェブサイトFilm Hooligansをローンチしたばかりのリダ・フォックス(Lida Fox)とアイーダ・ニザンコウスカ(Aida Nizankovska)に話を聞いた。ふたりはフィルムカメラを手に、Saint Laurentのショーをバックステージまで追ったり、手作り感溢れるライブをドキュメントしたりと、ありとあらゆるものを撮ってはウェブサイトにアップを続けている。モデルのグレイス・ハーツェルやキキ・ウィレムス、リリ・サムナー、フォトグラファーのレベカ・キャンベル(Rebekah Campbell)、ザカリー・チック(Zachary Chick)、ベネディクト・ブリンク(Benedict Brink)などといった、ふたりの親友たちも写真をアップしているFilm Hooligans。毎週金曜、毎回違うコントリビューターからの写真(失敗作も含め)をサイトにアップして、アナログ記録の冒険が詰め込まれた独自の世界観を築いている。

先日、リダとアイーダは、Film Hooligansで発表されたスナップ写真をまとめ、ロサンゼルスのギャラリーでエキシビションを行った。またふたりはZINEも作った。これにはアイーダとザカリーのほか、チャド・ムーア(Chad Moore)、やマーセル・キャステンミラー(Marcel Castenmiller)、アイザック・ニール(Isaac Neal)らの写真に加え、サムナー、アイザック・リッシュ(Isaac Lish)、アンガス・マクギネス(Angus McGuinness)、サラ・エンゲランド(Sarah Engelland)らのイラスト作品も掲載されている。そして先日行われたパーティではポストパンクのダークウェイブで人気を拡大しているNumb.erや、モデルのスタッズ・リンデスが率いて実に秀逸なガレージサウンドを作り出しているザ・パラノイズなどがパフォーマンスを披露した。エキシビションのオープニングを目前に控えたリダとアイーダに、インタビューを行った。

Photography Benedict Brink, Laura Allard-Fleischl, Brian Hill

最後にお話を聞いた201511月、Film Hooligansはまだスタートを切ったばかりでした。それ以来、どんな展開がありましたか?そして、このプロジェクトはどのように拡大したのでしょうか?
リダ:ここまでの注目を浴びていることにただただ驚いてるわ!ローンチ当初から冒険を続けているんだけど、ただあの頃より格段に忙しいわね。Film Hooligansは、コントリビューターが増えるにしたがって、どんどん大きく成長していってる。音楽やアート、写真やモデルをやっている多様なひとたちの視点が盛り込まれているの。違う都市に暮らし、世界中を飛び回っているひとたちよ。
アイーダ:これまで本当にたくさんの人たちに接触してきて、友達もますます多くこのプロジェクトに参加してくれて、私たちはこれをビジネスとして切り盛りしてきた感じね。それから、Film Hooligansのロゴを配したバッジも作ったんだけど、これが今やカルトのマークみたいになってるのよ。私たちの友達がそのバッジをつけていたら「リダとアイーダと知り合いなの?」って聞かれたっていうんだから、すごいことよね。それとね、Film Hooligansはローンチ当時よりもずいぶんと多様性の幅ができたと思う。リダが言ったように、多様な、面白い人がたくさん関係するようになったから。ビジネスとしては安定した成長を見せているわね。ポーランドのGDPみたいに。

Photography Lida Fox, Kiki Willems

ZINEについて聞かせてください。なぜZINEを作ったのか、そしてそこに何を込めたのかを。
リダ:ZINEを作るアイデアは、このエキシビションと対で作用するようなものをという考えから生まれたものだったんだけど、結果的にFilm Hooligansプロジェクトを包括するようなものになった。ZINEとウェブサイトの違いは、そこに掲載される写真がミックスで表示されるか、個々のフィルムロールに収められた写真ごとに表示されるかということ。それと、ZINEには才能ある友達が描いたイラストや落書きも収めたということかしらね。様々な作品が並べられてもひとつのまとまった世界観を作り出して、ときにはそれぞれの作品の良さを高めあうこともあって驚きだったわ。だって、みんな他の参加者たちの作品を知らないで、個別に送ってきたんだから。
アイーダ:ZINEは本当に素晴らしい出来栄えになったわね。異なった形式のアートが入り混じって完璧な構成を作り出した。そこには私たち世代のクロスセクションが見て取れる。私たちがどう考え、どう生きて、どうインスパイアされるかが見える作りになっているの。それと、Film Hooligansに協力してくれた人たちほぼ全員が撮りおろした写真が収められているんだけど、それが私たち世代の多様性を見事に表現してくれていると思う。読者は、このZINEに掲載された写真を見比べることで私たちの世代を、そしてこの世代の懐の深さを垣間見ることができると思う。

Photography Lida Fox 

ロサンゼルスのミュージックシーン最大の魅力とは何でしょう?
リダ:私はここに住んでいるわけじゃないから、誰を代弁できる立場にもないけど、ロスのミュージックシーンの素晴らしいところは、みんなが仲良くて、コラボレーションを盛んに行なっているところだと思うわ。何よりも音楽を愛する人々が、ひとつのコミュニティを作りあげているの。みんながバンドを掛け持ちして、サポートし合っていたりね。「やることや見たいものが見つからない」なんてことは、ここではほとんどないんじゃないかしら。昼間だろうが夜だろうが、いいイベントが必ずどこかで開かれているから!
アイーダ:実はロサンゼルスへ行ったことがないの!サイテーでしょ。でも私が感じる限りでは、ロサンゼルスのバンドはみんなすごく自由。カリフォルニア出身のひとは生まれ持ってみんなワイルドなんだと思うんだけど、それが音楽に一番表れているような気がする。制約もなければ、「みんなこうあるべきだ」っていうスタイルの制限もない。どのバンドもユニークで、まったく違うスタイルや音楽性を持ってる。それでもみんな共通して自由で衝動的なの。それが彼らの音楽をエキサイティングなものにしているんだと思う。

Illustration Sang Woo Kim, Photography Grace Hartzel

このショーで、人々には何を感じ取ってもらいたいですか?
リダ:私たち世代の視点を感じ取ってもらえたら嬉しいわ。いま世界では本当に醜いことがたくさん起こっているけど、同時にクリエイティブで素晴らしいこともたくさん起こっていて、平等やオープンな心の精神を広めていきたいと考えているひとたちが大勢いるのも確かなのよ。私は幸いにもイノベーティブな人たちに囲まれて、彼らが「自己を表現しよう、アイデアを形にしよう」と人生を楽しみながら奮闘するのを目の当たりにして生きている。そんな世界を、このショーで少しでも垣間見てもらえたらと思う。
アイーダ:私はただ、あの手この手でドキュメントした私たちの生き方を見て、そこに何かを感じてもらえたらと思う。テクノロジーは少しのあいだお休みして、友達とバカなことをして今を楽しむっていう時間の過ごし方を今一度見直してもらえたら嬉しいわ。私がFilm Hooligansで大切にしているのは、"今"を捉えること。見るひとがもっと直感的に生きて、これまで親しみがなかった新しい表現を試してくれたら、何よりも嬉しいわ。

Photography Rebekah Campbell, Illustration Langley Fox

Photography Lida Fox

Credits


Text Emily Manning
Photography Lida Fox
Translation Shinsuke Kuriyama at WORDSBERG Inc.

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