女の子のためのハロウィン・ガイド

恐怖の夜、ハロウィン。バーティ・ブランデスが、i-D読者のために正しいハロウィンの過ごし方を徹底ガイド。ハロウィンの恐怖がやってくるのは当日の夜? それとも翌朝?

by Bertie Brandes
|
28 October 2016, 12:35pm

ハロウィンが目と鼻の先まできている。イギリス国内全域でティーエイジャーたちが道端に嘔吐物を撒き散らし、電池で点灯する悪魔のツノや、ハロウィンの伝統などもはや跡形もないコスチュームを身につけた若者たちが、口のなかが焼けただれるほど高アルコール度のショットを浴びるように飲んで大騒ぎするのだ。ハロウィンを楽しむには、どんな大惨事になってもいいよう心の準備をすること、そして、とことん楽しむよう自分から飛び込んでいくしかない。

本気で、友達を、両親を、そして何より自分を震え上がらせるつもりで挑む——それが正しいハロウィンの心得だ。残忍極まりない人格のスイッチをオンにして、景気付けのお酒は瓶から直接胃へと流し込み、外へ出たら一晩で可能なかぎり多くの人を怖がらせるつもりで練り歩く。近年のハロウィンでは定番化しつつある淫らでセクシーな路線も大切ではあるが、「セクシー」で「淫ら」なんて、私生活で頻繁にやっているでしょう?ハロウィンの本当の楽しみは、日常生活では押し殺している自分の本性を「ハロウィン」という大義名分のもとにさらけ出すこと。オレンジのコスチューム万歳。かぼちゃ料理も美味しいし、砂糖でハイパーになれて、アルコールでぶっ飛んでしまえばいい!

七面倒な会話を求められる集まりにガールフレンドやボーイフレンドがあなたを連れていくなんていう予定がないかぎり、ハロウィンに気の利いた服装なんて必要ない。まだ30にもなっていないのに自分を押し殺してまで結婚を選んだ若いカップルたちと、せっかくのハロウィンを無駄に過ごすようなことはやめて!そんな人たちとの約束はキャンセルして、わたしと一緒にクレージーなホームパーティに行きましょう!「楽しい」というよりは「恐ろしい」パーティに……。

なにを着る?
ハロウィンに関して最も重要性の低い事項がこれ。だけど、すでに持っているレザーのアイテムで物足りないのであれば、なるべく会話の起爆剤になりそうなテーマを設定して、アイテムを買い足そう。たとえば……搾取工場の工員を連想させながらもピンクで奇抜なトラックスーツのボトムに、刺繍がほどこされた子ども用キャップ、キラキラのプラスチックでできたビキニトップを合わせて、ジェンダーのステレオタイプを世に問うというテーマなんてどう?その格好で「インターネット上で過剰に理想化されている女性のイメージを問うために私は肌露出の多いセルフィーを毎日アップしてるの!」と友達を論破して。デジタルカルチャーを感じさせるアイテムで服装にアクセントを付けるのもいいかも。リップライナーとフープイヤリングも忘れずに。もしくは、セクシー路線で学校の男子生徒たちに人気だった中学の同級生(誰の周りにもひとりはいただろう)を真似てみるのもいいだろう。なぜか?それは、度胸のないあなたと違い、その旧友は自身を信じ、また大きなパッドが入ったプッシュアップブラを果敢に用いる勇気と大胆さも持ち合わせた素晴らしい女性だったに違いないからだ。彼女の孤高さにハロウィン色を加えれば最強のコスチュームになる。ムクスとオイルを体に塗り、目の周りにはいつもより長めに引いたアイライナーをほどこす。スマホからバッハの「幻想曲とフーガト短調」をかけながらお友達の家を訪れ、くだを巻くほどに飲みまくって。言葉など、聞き取れないくらいがほど良い演出になる。耳を舐めながら囁けばなお良し。ジャレッド・レト(Jared Leto)になりきるの!でも……ちょっと待って……これって楽しいのかしら……いや、楽しいに決まってる!

どこへ行く?
行くべきはホームパーティのみ。それともあなたは、ウェイターが次から次へとドリンクと極小カナッペを大きなトレイに乗せてまわってくるようなパーティに招かれるような——厳しいドレスコードがあって、調子に乗ったDJがプレイするようなパーティに招かれる立場にでもあるの?違うでしょ?ならば、無理してそんな類いのパーティに潜入するのはやめたほうがいい。友達の家のリビングでやらかして、友達にハロウィンの恐怖を味あわせてやったほうがよっぽど楽しい。と言いつつ、それすらも叶わない可能性もある——ハロウィンは、シングルの身にはもっとも辛い日だ。恋人がいる友達はこぞって「ハロウィンはうちで楽しみましょう!」などと誘っておきながら、当日は優雅なディナーを準備してあなたを家に迎え入れ、9時には「じゃあそろそろ」などと湾曲的におひらきを言い渡して、夜通し楽しもうと気張ってコスチュームを着てきたあなたをひとり、夜道へと放り出す。あなたは深夜を前にしてすでに家でひとりきり(これは必ず起こることだから、心の準備をしておいて)。ハロウィンの夜、友達はもしかしたらあなたがひとりで家にいるかもしれないなどと想像してくれるほどの心の余裕を持ち合わせていない。だからといって、ベッドで泣き疲れて寝てしまおうなどとは思ってはダメ。Facebookを開くなどして行き場所を自分で見つけ、どこへでも押しかけるの!バスが来なければ、気持ちが萎える前にタクシーを捕まえて!そして行った先では、妥協して変な男に絡んでしまう前に、ワインで酔っ払うの。きっと翌朝に学校へ行ったら、前夜の男たちに絡まなくて良かったと天に感謝するはず——前夜見た男たちが、三学年も下の後輩生徒だったりするのが世の常だから……。

準備
ここまでに書いてきたようなドラマチックな展開を避けたければ、あなたと同じくらい寂しい女友達とハジけるのが一番。ストレスも、ドラッグストアで白塗り用ファンデーションや血糊を買うお金も、移動のタクシー代も、酔って飛ぶ記憶も、すべてその友達とシェアできる。前夜の恥ずかしい記憶は、ベッドでひとり嘆くよりも友達と笑い飛ばさないと!出かける前に、友達としこたま飲むのがオススメ。目的地についたら楽しい気分をキープできるようビールを少しすすって良い塩梅にしておくのが得策。まだコスチュームに悩んでいるあなた——参考までに私の話をすると、私は過去4年のハロウィンでほぼ同じコスチュームしか着ていない。行く先々によって、テーマの説明を変えれば良いの。アート系の学生と一緒になったときは「テーマは油絵!」と説明したし、実家でハロウィンを過ごしたときは、父親に「テーマはトマト!」と説明した。どう?

気になる相手
ただ泥酔して、もう2度と会わないと分かっているひとを捕まえて乳繰り合うためだけに制定された祝いの日、それがハロウィン。だから、片思いの相手に会おうなんて間違っても考えちゃダメ。今後付き合いに発展する可能性が少しでもある相手は、徹底的に避けないと。医者の格好をしていただけで翌朝に「あのお医者さん」などと思い出してもあなたの実生活になんら支障がない相手、または夜中の1時に「ねえねえねえねえ」などとメッセージを送り、返信がなくても「まあいいか」と笑って忘れられるぐらいの相手が、ハロウィンにはちょうどいいの。

あなた自身がパーティを開いてしまう
奥の手として、友人の友人のそのまた友人などを呼び、あなた自身が一大仮装パーティを開いてしまうというのもアリ。「ハロウィン」「パーティ」「開く」「かも」と口にした瞬間、少なくとも11人は新しい友達が増えるのを、是非とも体験してみてほしい。また、自分でパーティを開くというのはもっとも安上がりなハロウィンの過ごし方でもある。参加者は暗黙の了解で必ずワインの一本でも持参するものだし、参加者には必ず翌朝まで残って家の片付けを手伝ってくれる殊勝なひとがいるものだから。

翌朝(「恐怖」の本当の意味)
さて、ハロウィンの翌朝、あなたはどこにいる?ひとりきり?それとも誰かと一緒に誰かのうちで目が覚めた?ちゃんとスマホを紛失せずにハロウィンを生き延びれたかしら?朝6時、しこたま飲んだワインからの二日酔いは、脳の中にスニーカーを埋め込まれたような痛みのはず。吐き気は?誰も起こさずにトイレに駆けこめるかしら?誰も起こさずに済むほど静かに吐ける?いつの間にか脱いだ靴はどこにあるのかしら?痛み止めはどこ!?昨日までの私は……私はいったい何をやっているの!——そんな朝こそが、何よりの恐怖!ではみんな!ハッピー・ハロウィン!

Credits


Text Bertie Brandes
Photography Valeria Boltneva
Translation Shinsuke Kuriyama at WORDSBERG Inc.

Tagged:
Halloween
a girls guide
hink pieces