アウンの呼吸で繰り返す、破壊と創造

異なる音楽的なバックボーンを持つメンバーの集合体、Aun beatzだからこそ生まれる、とらわれのない踊れるグルーヴとは何か?

by shoichi miyake; photos by Kisshomaru Shimamura
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12 September 2017, 9:54am

ギターのMarkunが中心となり、KANDYTOWNの中枢を担うメンバーとしても注目を集めているラッパー・Ryohu、Ryu matsuyamaで革新的なポップスを追求しているRyuとJackson、OLD JOEというクールなロックンロールバンドのベーシストだったKenshiroが集ったAun beatz。異なる音楽的なバックボーンを持つメンバーの集合体だからこそ生まれる、とらわれのない踊れるグルーヴとは何か? 1st EP『Summertime』を完成させた彼らから、Markun、Ryohu、Kenshiroの3人がインタビューに応えてくれた。

Aun beatz の発起人はMarkun (Gt. )なんですよね?
Markun:そうですね。僕がバンドを組みたいと思って声をかけて、第一期メンバーが集まったのが2014年ですね。Ryohuくんと初めて会ったのは新宿のRed Clothというライブハウスで。そのときは挨拶程度だったんですけど。
Ryohu(MC):そのあと2、3回俺の家で遊んで。
Markun:OKAMOTO'Sのレイジくんに誘ってもらってRyohuくんの家に行ったんですよ。

レイジは人と人をつなげる天才ですね。最初にMarkun はどういうバンドをやりたいと思ったんですか?
Markun:ファンクをやりたいと思ったんです。前のバンドではわりと硬派なロックをやってたんですよ。その反動もあって、ジャーン!ってギターを鳴らすの飽きたなと思って。
Kenshiro(Ba.):大人になったんだね(笑)
Markun:そう、大人になった(笑)。今でこそ日本のインディーズシーンにもファンキーなバンドっていっぱいいるじゃないですか。でも、2014年当時はあまりいなくて。あとはライブの場がカルチャーの発信基地になるような、そういうバンドを組みたいと思ったんです。

Ryohu は当時まだソロ作品の制作もKANDYTOWN の動きも活発化してなかったころですよね?
Ryohu:そうですね。ちょうど狭間っていう感じでした。そのタイミングでハマ(OKAMOTO'Sのハマ・オカモト)くんから連絡があって。「Markunって覚えてる? 呂布に言いたいことがあるらしいから、連絡先を教えていい?」って。

レイジとハマくんがつなげてくれた縁なんですね。
Ryohu:結果的にそうですね。それで二子玉川で会って話して。
Markun:そのとき「一緒にバンドやろうよ」って誘いました。
Ryohu:俺も時間があったし、Markunと話していておもしろかったから、あまり深く考えずに「いいよ」って答えて。このバンドで何をやりたいというよりも、Markunがおもしろかったから話に乗ったという感じでした。Markunのおもしろさは言葉で説明するのが難しいので、ライブに来てほしいですね(笑)

Kenshiro くんとの出会いは?
Markun:ロックバンドをやっていたときに対バンしたことがあって。
Kenshiro:俺はあんまり覚えてないんだけど。変なやついたなぁくらいの印象で(笑)
Markun:それからRyu(Key, Vo.)くんが1年半くらい前にちゃんと紹介してくれて、メンバーに誘ったという感じですね。
Kenshiro:僕も前のバンド、OLD JOEを解散して、ちょっとブラックっぽい音楽をやりたいと思っていたところで。タイミングはすごくよかったです。

Jackson (Dr. )くんもRyu matsuyama のドラマーであるつながりからメンバーになったと。
Markun:そうです。自然な流れで。

Aun beatz は第二期メンバーが集まるまでしばらく活動が止まっていたじゃないですか。Markun はずっとAun beatz をやりたかったんですよね?
Markun:やりたかったですね。活動が止まってたときは個人的に病みまくっていて(笑)。RyohuくんとRyuくんにはずっと「Aun beatzやりたい!」って言ってたんです。でも、メンバーがいないから、とにかく新メンバーを集めたくて。結果的にRyuくんが一番がんばってくれたんですけど(笑)

Ryohu はAun beatz に対してどういうスタンスだったんですか?
Ryohu:いや、特に何も考えてない(笑)

Markun がやりたいならやるよ、と
Ryohu:そう。俺がAun beatzに関して何かを働きかけることはないですね。Aun beatzが再始動したときは俺もKANDYTOWNの活動が本格的に動き出していたし、自分のソロ作品の制作も始めていたので。どうするかはMarkunが決めてって感じで。
Markun:僕がガンガン動かしていきますわ!(笑)

曲作りのネタはメンバーが各々持ってくる感じですか?
Kenshiro:そうですね。あとはよく僕がMarkunの家に行って2人で作ったりもしてます。

ちなみにEP のタイトル曲「Summertime 」はどのように作ったんですか?
Markun:これはセッションですね。「Summertime」と2曲目の「Run」はセッションで、「Your Wise Eyes」はRyuくんがネタを持ってきて。

合点がいきますね。「Your Wise Eyes 」は壮大なRyu くん節全開って感じですよね。でも、セッションで「Summertime 」みたいな曲ができるのは興味深いな。
Ryohu:「Summertime」に関しては、セッションに合わせて俺がフリースタイルで「Summertime」って歌ったらそのまま採用されて。

「Summertime 」はファンキーというよりは、メロウでチルな、蜃気楼が揺らぐような音楽像じゃないですか。
Kenshiro:確かに。そこはRyuくんとJacksonくんのフィーリングが強く影響しているかも。2人はRyu matsuyamaもやってるし。最初はセッションしながらみんなで感触を確かめ合う感じで曲を作っていって、そういうなかで「Summertime」と「Run」は生まれたんですよね。

「Run 」のタイトでありながらダイナミックなグルーヴは「Summertime 」の反動だったのかもしれないですよね。
Markun:そうかも。「Run」のセッションではKenshiroくん「ベースをブンブン弾きてえ!」って感じだったもんね。

Aun beatz におけるRyohu のラップはちょっとスポークンワード感が前に出ているなと思って。
Ryohu:ああ、意識はしてないけど、そうかも。ソロとKANDYTOWNという2つのアウトプットがあって、それともまた違うラップのアプローチが自然と出てるのかもしれないです。Aun beatzに関しては本当に何も考えてないので。できたサウンドに対してアプローチしていくだけという。

でも、「Run 」なんかは特にお得意のサウンドだと思うんですよね。
Ryohu:そうですね。でも、このオケができたときのスタジオの日にめっちゃ遅刻して。遅れて行ったらすでにオケができていて(笑)。でも、みんなには「どんなオケでもラップを乗っけられるから、ラップのことは気にしないでオケを作っていいよ」って言ってあるんですよ。

このEP を完成させたあとの曲作りはどういうモードなんですか?
Kenshiro:最近は「4つ打ちの曲がほしいね」って言ってますね(笑)
Markun:このEPを作っていろいろ気づいたことがあったんです。このEPってファンキーというよりは、しっかり聴く感じが強いじゃないですか。僕は今までバラード系の曲が苦手だったんですけど、聴き込めるタイプの曲もいいんだなって思えたんですよね。

視野が広がったと。
Markun:広がりましたね。視野が広がったうえでダンサブルな曲をどう作るかという発想が持てるようになりました。
Kenshiro:Aun beatzのサウンドはなんでもありでいいと思うんですよね。いい意味で常にみんなで価値観を壊していけたらなと思ってます。

最後に、10 月11 日にはRyohu の初の全国流通盤となるEP 『Blur 』がリリースされることが決定しました。どういう内容になりそうですか?
Ryohu:去年リリースした『All in One EP』よりも全体的にやや明るいし、プロデューサー的な目線で「こういう曲があったらいいな」という観点で作ったんですよね。

ビートも多様ですか?
Ryohu:そう。KANDYTOWNもAun beatzもやってるなかで、自分のコアな部分をいろんな面から探ってみようと思って。あと、Markunも1曲作ってくれたんですよ。
Markun:めっちゃいい曲ですよ! 僕がギターのリフをスタジオに持っていって、それをRyohuくんが解体して作っていったんですけど、僕の感覚としても完全に新しかった。
Ryohu:プロデューサー的な目線だからそういう作り方ができたんですよね。自分がラップすることを全く考えずにトラックを作っていって。

Ryohu は作品ごとにモードが劇的に変わるしね。
Ryohu:そう、また超変わってますね。

Markun はRyohu のソロ制作に関わったことで、またAun beatz にフィードバックできることがありそうですね。
Markun:超あると思います。これからAun beatzのモードもどんどん新しくなっていくと思います。

Aun beatz 『"summer time EP" Relese Party』
日時:2017.09.17.(sun)
場所:渋谷TSUTAYA O-NEST
時間:開場18:00 / 開演19:00
出演:Aun beatz,Tempalay,NNULL