Photography Josh Aronson

明るくクィアな未来を目指して──フロリダのアクティビスト10人にインタビュー

「自分たちの権利や歴史が奪われようとしているのに、僕たちが何もせずに突っ立っているわけがない。今までにない規模で、僕たちの声を届けてみせる」

by E.R. Pulgar ; photos by Josh Aronson; translated by Nozomi Otaki
|
27 June 2022, 8:00am

Photography Josh Aronson

今年はじめの数ヶ月間、フロリダ州会議事堂は若いアクティビストたちで埋め尽くされていた。法案HB 1557のうわさを聞きつけるやいなや、クィアの人びとやその支持者たちが、南は遥かマイアミからタラハシーへと向かい、結集して抗議活動を始めた。現在物議を醸しているこの法案は、反対者の間で〈Don't Say Gay(ゲイと言ってはいけない)〉法案の通称で知られており、今年3月28日にロン・デサンティス州知事が署名したことで法律として成立し、7月1日に施行される予定だ。

この法案は「幼稚園から小学3年生までを対象とする、州の基準が定める年齢や発達にふさわしくない方法での性的指向や性的アイデンティティに関するあらゆる議論」を禁じ、これらの考えを中心的テーマとして若者に「教え込む」ことの危険性を指摘している。この法案と、法案が刷り込もうとしているメッセージは、当然ながら保守派と進歩派から同様に、さらに大統領からも同性愛嫌悪として注意喚起の声が上がっている。

 フロリダの歴史を踏まえれば何とも残酷な出来事だが、クィアの人びとがオーランド銃乱射事件(デサンティス州知事から繰り返し冷遇されてきたフロリダのLGBTQ+コミュニティを襲った悲劇のひとつ)を体験した州でこの法案が成立したことは、決して予想外ではなかった。実に恐ろしい統計結果は、この法律が成立したのが、米国のクィアの若者の45%が過去1年の間に真剣に自殺を考えた時代だということだ。〈ゲイと言ってはいけない〉法案が法律として成立し、同様に同性愛嫌悪的な法案が他の州でも可決、提案されるなかで、権力の座にある政治家たちはクィアの生徒たちを型にはめ込む学校空間で彼らの安全を積極的に脅かしている。そんな政治家にクィアの若者を守ることを期待できるはずがない。

florida youth activist zander moricz photographed in nature by josh aronson
florida youth activist will larkins photographed in nature by josh aronson

しかし、闘いはまだ始まったばかりだ。校内のセーフスペースの構築からこの法律を覆すための訴訟まで、フロリダをはじめとする全国の若いクィアのアクティビストが、時代遅れの法律から仲間やコミュニティを守るべく闘っている。

「この法案は、この国の恐るべき社会政治的後退への関心を高めましたが、このような傾向は今に始まったことではありません」とサラソタに住む17歳のアクティビスト、ザンダー・モーリツは指摘する。「米国、特にフロリダでは、ここ数年で抑圧的な法律が相次いで制定されています。僕にとって、アクティビズムは自分が好きでやっている活動というより、今も昔も相変わらず不平等な社会を生きるうえで必要不可欠なことなのです」

今回のインタビューの写真を手がけたのは、マイアミに移住しクリエイティブシーンを記録したことで有名なカナダ人フォトグラファー、ジョシュ・アロンソンだ。「撮影場所をよく吟味し、右派の政治家が使いがちな『クィアネスは生まれつきではなく〈育てられる〉ものだ』という言説に対するアンサーにしました」とジョシュは写真について説明する。「それに対する反撃として、全員を自然の中や自然の近くで撮影し、周りの風景に溶け込むような構図で、クィアネスはここに写るフロリダの公園や森、土地と同じように自然なものだということを示唆しています」

今回私たちは、学校やコミュニティを出発点に、草の根的アプローチで反対の声を上げるフロリダ州の若いアクティビストたちに話を聞いた。この法律の影響を受けたクィアの仲間たちや全国の反LGBTQ+法と闘う人びとに向けた、思いやりに満ちたメッセージを紹介する。

florida youth activist liana friedman photographed by josh aronson

リアナ・フリードマン(Liana Friedman) 17歳 ウェストン

──フロリダでどんな活動をしていますか?

自殺防止やあらゆる若者の健全な育成を支援するサウス・マイアミの団体〈YES Institute〉に参加してる。学校では〈Gender and Sexuality AllianceGSA:ジェンダー&セクシュアリティ同盟)〉の代表を務めてる。できるだけコミュニティの内外両方の活動に参加するようにしてる。

──若くしてアクティビストが集う場所に行くようになったきっかけは?

今よりもっと若い頃、世界がヘイトだらけの場所になっていることに絶望感を持った。でも、13歳のときに若いアクティビストたちの姿を見て、自分にも変化を起こせるかもしれないと気づいた。

──法案が可決されたときはどこにいましたか? どんな気持ちでした?

デサンティスが法案に署名したと知ったのは学校だった。すごくショックで将来への不安を感じたけれど、嫌悪感や後退の動きと闘いながら、愛のメッセージを広めるためにこれからも努力していきたい。

──すでに法律として成立してしまった法案を覆すために、具体的にどんな活動をしていますか?

高校で大規模なストライキの計画、実行に取り組んだ。〈ゲイと言ってはいけない〉法案に反対する学生数百人が集まった。大手メディアのニュースの取材を受け、学生たちがこの極めて有害な法案に反対しているというメッセージを伝えることができた。

──この法律が施行された州で通学するフロリダのクィアの若者たちに、どんなアドバイスや言葉を贈りたいですか?

アクティビズムを始めたり、自由に自己表現できるセーフスペースを見つけたり、より大きな目標に向かって努力するのに、年齢は関係ないと伝えたい。この法案の影響を受けた小学校低学年の子の親御さんには、ありのままの自分を受け入れ、自分らしくいることは何の問題もなく、すばらしいことだということを改めて伝えてほしい。

florida youth activist will larkins photographed in nature by josh aronson

ウィル・ラーキンス(Will Larkins) 17歳 ウィンターパーク

 ──フロリダでどんな活動をしていますか?

ウィンターパーク高校と州全体の学校のLGBTQ+の学生を守りエンパワメントすることを目標に、友だちと一緒に学校で〈Queer Student Union〉を立ち上げた。HB 1557が提出されたとき、自分のプラットフォームを活用して校内で意見を伝えようと決心した。タラハシーまで行って、多様性や教育を阻む法律に反対の意を表明した。

ウィルがThe New York Timesに寄稿した記事はこちら

──アクティビストが集う場所に行くようになったきっかけは?

自分はサバイブするためにアクティビストとして活動してる。ありのままの自分を表現したことでずっと嫌がらせやホモフォビアに遭ってきたから、フロリダの法律による攻撃が、自分をはじめこの州、そして米国全体のLGBTQ+のすべての若者に悪影響を及ぼすことはよくわかってる。だから声を上げないと。

──法案が可決されたときはどこにいましたか? どんな気持ちでした?

学校のストライキを主催した翌日のことだった。討論会がそろそろ終わるというメッセージが届いた。最悪なのは、この法律に明らかに同性愛嫌悪的なレトリックが使われていること。本当なら自分のために闘うべきひとに、自分の声を代弁してもらえないということに腹が立つ。

──すでに法律として成立してしまった法案を覆すために、具体的にどんな活動をしていますか?

これからもこの法律の影響を受ける人びとの声を広め続けていきたい。2週間前、180人のクラスメイトの選挙人登録の手続きをした。僕たちの声を政治に反映しない議員を投票で辞職させるために、これからもみんなに働きかけていくつもり。

──この法律が施行された州で通学するフロリダのクィアの若者たちに、どんなアドバイスや言葉を贈りたいですか?

あなたはひとりじゃない。今までもこれからもね。クィアコミュニティの状況が20年前からどれほど変わったか考えてみて。確実に進展はあったし、それが止まることはない。

 ──フロリダの議員たちに伝えたいことは?

あなたたちが僕たちを傷つけているという自覚があることはわかってる。メンタルヘルスや自殺の統計も知ってるはず。この世代がきっとあなたたちを投票で辞職に追い込んでみせる。

florida youth activist nathalie saladrigas photographed in nature by josh aronson

ナタリー・サラドリガス(Nathalie Saladrigas) 19歳 マイアミ

──フロリダでどんな活動をしていますか?

最初にアクティビズムに参加したきっかけは、抑圧された人びとの解放を目指す黒人やブラウンの学生による草の根団体〈Power U〉だった。大学ではキャンパス初のクィアのクラブ〈Queer Collective〉を立ち上げ、クィアを自認する仲間たちが解放を目指す空間をつくった。

──若くしてアクティビストが集う場所に行くようになったきっかけは?

私は白人優位のシステムがもたらす不利益を身をもって体験してきたブラウンのクィア女性。だから、私たちにできる最善の方法で反撃することが大切だと思っている。私が考える自分の特技はアクティビズムや声を上げること。それから高校のフェルナンディーニ先生も、抑圧の歴史について教えてくれた。

──法案が可決されたときはどこにいましたか? どんな気持ちでした?

(シェブリン・”シェブ”・)ジョーンズ議員の宣誓を聞いて、スペイン語の授業中に泣いてしまった。それから数週間経って法律が制定されたときはがっかりしたし失望したけれど、闘いはまだ終わらないということを理解した。

──すでに法律として成立してしまった法案を覆すために、具体的にどんな活動をしていますか?

この法案についての議論が始まったとき、Queer Collectiveは2月の毎週月曜に〈SAVE LGBT〉と一緒にフォンバンク(※有権者に電話をかけ、投票を呼びかけること)を行ない、戸別訪問やデモも2回行なった。今の主な活動は、低所得者住宅への偏見をなくし、それがいかにクィアコミュニティに直接的な影響をもたらしてきたのかを調べること。キャンパスで投票を呼びかける団体にも参加した。今の私たちには、知識の共有と投票を呼びかけることしかできない。

──この法律が施行された州で通学するフロリダのクィアの若者たちに、どんなアドバイスや言葉を贈りたいですか?

たくさんの団体やアクティビストがこの抑圧されたコミュニティを解放するために活動していることに希望を持ってほしい。あなたを尊重してくれる人たちと一緒に過ごし、周りにあなたの愛を理解されなくても、その愛は美しいものだということを忘れないで。

──フロリダの議員たちに伝えたいことは?

たくさんの人たちが集まって不正義に対して声を上げていることを理解し、私たちは声を上げることも正しいことのために闘うことも決して諦めないということを知ってほしい。たとえあなたたちが望まなくても、私たちは人権のために闘い続け、いつか辞職させてみせる。

florida youth activist maxx fenning photographed in nature by josh aronson

マックス・フェニング(Maxx Fenning) 19歳 ボカラトン

 ──フロリダでどんな活動をしていますか?

僕はサウスフロリダの若者のインクルーシブな教育と性の健康のための医療資源へのアクセス拡大を目指すNPO〈PRISM〉の設立者で代表。〈Don't Say Gay〉法案の反対運動にも積極的に参加し、フロリダ州上院で証言を行ない、議員とも直接話をした。

──若くしてアクティビストが集う場所に行くようになったきっかけは?

高校2年生のとき、思いつきでGSAのミーティングに参加した。ちょうど選挙をやっていて、副代表に立候補したら当選して、今の活動に携わるようになった。

──法案が可決されたときはどこにいましたか? どんな気持ちでした?

上院で可決されたときは、まさにそれが起きた国会議事堂から7時間バスに乗ってクタクタになって帰宅したところだった。正直、こうなることは予想してた。予想外だったのは、デサンティスが支持者を激怒させ、ここ数年でも最悪なホモフォビアを煽り、結果として国じゅうのLGBTQ+コミュニティへの継続的な攻撃や嫌がらせを誘発したこと。それは法案そのものよりももっと悪い。

──この法律が施行された州で通学するフロリダのクィアの若者たちに、どんなアドバイスや言葉を贈りたいですか?

あなたのコミュニティが教科書に載っていなくても、教室でディスカッションの話題にのぼらなくても、僕たちはあらゆる場所にいるということを忘れないで。至る所で支援を受けられるし、この闘いは、僕たちがコミュニティで最も被害に遭いやすい人びとを守ろうという決意をますます強めただけ。

──フロリダの議員たちに伝えたいことは?

子どもはあなたたちが安全と教育を食い物にし、政治的な人質として利用するために存在してるわけじゃない。それから、これはデニス・バックスリーとジョー・ハーディングに──🖕(中指)。

florida youth activist cj walden photographed in nature by josh aronson

CJ・ワルデン(CJ Walden) 17歳 ボカラトン

 ──フロリダでどんな活動をしていますか?

2年生のとき、セーフスペースの一員になるために学校のGSAに加わった。そこで校内に新しいクラブを立ち上げようとしているマックスと知り合った。僕たちは何度も何度も活動を却下されたので、マックスはもっと範囲を広げ、NPO〈PRISM FL〉を設立した。2020年7月には委員会の副委員長になって、それ以来ずっとこの団体をリードしてきた。

 ──若くしてアクティビストが集う場所に行くようになったきっかけは?

うちはひとり親の家庭で、僕は必要なあらゆるサポートを受けながら育った。必要な愛とサポートを受けられるほど恵まれているひとは少ないと知っているから、LGBTQ+コミュニティ全体を支援できるチャンスをもらったときに、すぐに飛び込んだ。

 ──法案が可決されたときはどこにいましたか? どんな気持ちでした?

マックスやハビエル、フロリダ中から集まった若いアクティビストたちと一緒に、最後の上院委員会公聴会で抗議するためにタラハシーに行った。HB 1557が可決され、僕たちは敗北してサウスフロリダに帰った。法案が法律になったと知ったときは家にいて、完全に途方に暮れた。自分が仕えるべき人びとを大切にせず、個人的な偏見にまみれた法案をつくる政治家がたくさんいることを、身をもって実感した。

 ──すでに法律として成立してしまった法案を覆すために、具体的にどんな活動をしていますか?

この大変な時代に必要不可欠な、事実に基づく正確な情報を広めるために、PRISMは怪しげな通説を撲滅する活動をしている。

 ──この法律が施行された州で通学するフロリダのクィアの若者たちに、どんなアドバイスや言葉を贈りたいですか?

この法案が覆されない限り、2022〜2023年度に施行される。みんなにはお互いを支え合うために毅然と立ち向かってほしいと伝えたい。若者が差別の対象になるのを容認してはいけない。コミュニティが一丸となり、ホモフォビアと闘わないと。

florida youth activist zander moricz photographed in nature by josh aronson

ザンダー・モリッツ(Zander Moricz) 18歳 サラソータ

 ──フロリダでどんな活動をしていますか?

僕は〈Social Equity and Education(SEE)Initiative〉のエグゼクティブディレクターで、〈Diversify Our Narrative(DON)〉の中東部のディレクター・オブ・コミュニケーションズを務めている。〈Florida Model United Nations(FLOMUN)〉の代表で、〈FLOMUN Accessibility and Inclusivity Program〉というプログラムを立ち上げた。学校初のオープンリーゲイの学級委員長でもある。

──若くしてアクティビストが集う場所に行くようになったきっかけは?

政治が持つ可能性がモチベーションになった。人びとのニーズに耳を傾けるシステムになりうるものが、今は欲望や権力に従うだけのシステムに成り下がっている。団体の代表として、僕の役割は僕たちが目を光らせていなければメチャクチャなことをやらかす政治家を教育すること。僕自身がそういう人たちの声を代弁する政治家になるまではね。

──法案が可決されたときはどこにいましたか? どんな気持ちでした?

覚悟が決まった。ロベルタ・カプランの弁護団と一緒に、何週間も前からこの結果のために準備を進めてきて、僕はこの法案についてデサンティス知事とフロリダ州を相手取る訴訟を起こした史上最年少の原告になった。カプラン弁護士と連絡をとるようになったのは、〈Equality Florida〉と〈Project Pride SRQ〉と協力して主催した集会のあとだった。それ以来ずっと、この嫌悪に満ちた法律の違憲性を証明する告訴状の準備を進めてきた。

──すでに法律として成立してしまった法案を覆すために、具体的にどんな活動をしていますか?

短期的な活動としては、裁判所でこの法律について争っている。カプラン弁護士は以前も同じような訴訟の経験がある。米国対ウィンザーの最高裁の判決で、彼女はLGBTQ+コミュニティの結婚の平等を認めさせた。長期的には、この法案がクィアの国民の存在を消そうとする戦略的・全国的な企みの一部であることを意識しなければいけない。手遅れになってから焦って行動を起こすよりも、SEE Initiativeは〈SEE Center〉と呼ばれる支持者の拠点を通して、全国的で先制的な活動を行なっている。Z世代には政治家と闘う勇気がある。それを支持するシステムが必要なだけ。

──この法律が施行された州で通学するフロリダのクィアの若者たちに、どんなアドバイスや言葉を贈りたいですか?

あなたの存在が〈合法〉であることに変わりはないし、嫌悪感があるのも事実。この法案は後者であなたを抑圧することで、前者を忘れさせようとする。クィアコミュニティが沈黙し、周りに溶け込み、自分への自信を失うと思っているのだとしたら、それは大きな間違い。

florida youth activist nadya lopez photographed in nature by josh aronson

ナディア・ロペス(Nadya Lopez) 17歳 マイアミ

 ──フロリダでどんな活動をしていますか?

NPO〈Alliance For LGBTQ+ Youth of South Florida〉のメンバーで、クィアな若者たちを支援するために〈Changemakers Class of ‘22〉を開催している。

──若くしてアクティビストが集う場所に行くようになったきっかけは?

私がトランスであることが原因で、高校時代に不当な扱いを受けたこと。何もかも不公平なことばかりで、最小限のものを得るために必死に闘わなければならなかった。自分のような人びとのために声を上げ、人びとを教育することを自分の義務にした。

──法案が可決されたときはどこにいましたか? どんな気持ちでした?

クラスメイトと5時間目の授業を受けている最中だった。つらかったけど、フロリダが保守派だらけなことはわかっていたから、特にショックは受けなかった。生徒たちと一緒に授業をストライキして、不満を表明した。このストライキを仲間と一緒に主催し、法案について話すことができた。

 ──すでに法律として成立してしまった法案を覆すために、具体的にどんな活動をしていますか?

仲間のチェンジメーカーたちと一緒に、タウンホールで法案に抗議し、地元のリーダーや政治家に私たちの本当の思いや法案が若者に与える影響を知ってもらうために、私たちのメッセージを発信している。

──この法律が施行された州で通学するフロリダのクィアの若者たちに、どんなアドバイスや言葉を贈りたいですか?

私たちが自分らしく生きているというだけで毎日直面している闇の中でも、自分を輝かせることを諦めないで。クィアの若者として、自分たちには信じられないような力があるのだと理解することが大切。私たちを理解できない相手は怯えさせておけばいい。どんなときでも愛を選んで。

──フロリダの議員たちに伝えたいことは?

この法案は、私たちが自分らしく自由に生きる権利を奪っている。この州で私たちに対する敬意や配慮の少なさを目の当たりにすると胸が痛む。私たちもあなたと同じ人間。同じ血が流れている。私たちを軽んじるのはやめて。

florida youth activist justin rampal photographed in nature by josh aronson

ジャスティン・ランパル(Justin Rampal) 16歳 ペンブロークパインズ

──フロリダでどんな活動をしていますか?

自分の信念のために立ち上がり、人びとの機会と権利のために闘おうとしている。

ジャスティンはチャールズ・W・フラナガン高校で〈ゲイと言ってはいけない〉法案ストライキを仲間と一緒に主催した。

──若くしてアクティビストが集う場所に行くようになったきっかけは?

きっかけは僕の勇気と強い信念かな。傍観するよりも声を上げたい。それから僕よりも年下の子たちが大きな抗議活動に参加する姿に、僕も闘おうと刺激をもらった。

──法案が可決されたときはどこにいましたか? どんな気持ちでした?

法案についてのニュースを最初に教えてくれたのは親友だった。議員たちがLGBTQ+コミュニティを沈黙させようとしていることに心底うんざりした。

──すでに法律として成立してしまった法案を覆すために、具体的にどんな活動をしていますか?

他のアクティビストたちと(さらに密接に)協力し合い、より大規模で影響力の大きい抗議をしたい。必要な関心を集めるためにね。

──この法律が施行された州で通学するフロリダのクィアの若者たちに、どんなアドバイスや言葉を贈りたいですか?

下の世代や未来のアクティビストに伝えたいのは、誰にも自分を黙らせることはできないし、それを受け入れてはいけないということ。大切なのは、あなたの声とあなたの考え方。他人からの否定的な言葉は無視して。それから、本当の自分をごまかさないで。一番大きな発言力を持つのは、本当のあなただから。

florida youth activist javier gomez photographed in nature by josh aronson

ハビエル・ゴメス(Javier Gomez) 18歳 マイアミ

──フロリダでどんな活動をしていますか?

Safe Schools South Florida〉と〈AIDS Healthcare Foundation〉に招待され、タラハシーでこの法案に反対するロビー活動をした。地元や全国ニュースの取材を受け、ゲイ男性とGSA代表としての体験について詳しく話した。それから討論会でミゲル・カルドナ教育長官と、時代の流れに逆行する州でLGBTQ+であるとはどういうことかを話した。2022年の中間選挙でフロリダを青い(民主党支持の)州にするために、ジャネール・ペレスなどの平等推進派の候補者と密接に連携している。

──若くしてアクティビストが集う場所に行くようになったきっかけは?

ヘテロノーマティブな(※異性愛を規範とする)社会でクィアとして生きることの意味、政界の反道徳的な悪の存在、そして僕みたいな若者が立ち上がって懸念を表明しなければ、この世界は変わらないと理解したことがきっかけ。傍観者で居続ければ、健全で平等な民主主義は破滅的な結果を迎えることになる。

──法案が可決されたときはどこにいましたか? どんな気持ちでした?

ニュースを知ったのはマクロ経済学の期末試験中だった。携帯が鳴り始めて、心が沈み込んだ。僕たちの努力は無駄だったという考えが心に重くのしかかった。恐怖で身体がまひしてしまったみたいだった。

 ──すでに法律として成立してしまった法案を覆すために、具体的にどんな活動をしていますか?

中間選挙の重要性をみんなに伝えてる。学校と一緒に生徒たちの選挙人登録を進め、政治にあまり詳しくない、もしくは投票が困難な生徒たちに、必要なリソースを提供している。投票率を上げる必要性は今まで以上に増していて、まずは若者の投票率を上げることが大切。LGBTQ権利擁護団体の〈Equality Florida〉がこの法案の違憲性を訴えた訴訟も積極的に支持している。

──この法律が施行された州で通学するフロリダのクィアの若者たちに、どんなアドバイスや言葉を贈りたいですか?

自分はひとりぼっちだと感じるかもしれないけれど、あなたにはいつも守ってくれるセーフティネットが存在する。LGBTQ+の先駆者たちは、僕たちがよりよい生活を送れるよう、僕たちのために闘ってくれた。今度は僕たちが、歴史書、対話、教育におけるこのコミュニティの存在を勝ち取るために闘う番。深呼吸して気持ちを落ち着け、じっくり考えてみて。

──フロリダの議員たちに伝えたいことは?

あなたたちは僕たちを黙らせることはできない。LGBTQ+コミュニティはどこにも行かない。僕たちはここで、クィアであり続ける。それを受け入れて。

florida youth activist jack petocz photographed in nature by josh aronson

ジャック・ぺトス(Jack Petocz) 17歳 バンネル

──フロリダでどんな活動をしていますか?

フロリダの政治分野に積極的に携わり、特にLGBTQ+コミュニティの権利擁護者として活動している。地方政治に焦点を当てながら、教育委員会の偏見に反対する若者のアクティビスト団体を運営している。 

──若くしてアクティビストが集う場所に行くようになったきっかけは?

激動の時代に育ったZ世代は、政治への関心が高く、変化を求めて闘う準備ができていると信じている。僕が実際に行動を起こしたのはパンデミック中だった。教育委員会の中に差別を助長し、僕のコミュニティを危険にさらすひとがいたから。

──すでに法律として成立してしまった法案を覆すために、具体的にどんな活動をしていますか?

3月に州全体で開催された〈ゲイと言ってはいけない〉法案ストライキの主な主催者として、偏見に満ちた法案に対し、反対のメッセージを表明した。それに加え、SNSでも支援や権利擁護を大々的に呼びかけている。今は11月の選挙でロン・デサンティスを落選させるために、若い有権者の同盟を組織している。

──この法律が施行された州で通学するフロリダのクィアの若者たちに、どんなアドバイスや言葉を贈りたいですか?

これからも闘い続け、自分らしくいることを忘れないで。誰も僕たちを沈黙させたり抹消することはできない。それから、選挙人登録をして、中間選挙のために団結して。

──フロリダの議員たちに伝えたいことは?

タラハシーでこれらの法案と闘っている人びとには、議会で僕たちの声を代弁してくれていることに心から感謝したい。でも、偏狭な議会を支持し助長させている人びとには、Z世代のパワーを覚悟しろと伝えたい。自分たちの権利や歴史が奪われようとしているのに、僕たちが何もせずに突っ立っているわけがない。今までにない規模で、僕たちの声を届けてみせる。

Tagged:
Politics
Miami
Florida
queer
LGBTQ