写真で見るメキシコシティのプライド・パレード
LGBTQコミュニティの悲劇が後を絶たない国で、フォトグラファーのドリアン・ロペスが解放を求めて行進する人びとの勇姿を捉えた。
6月末、メキシコシティで開催されたプライド・パレードには、数千人が集結した。フォトグラファーのドリアン・ロペスが現場を訪れ、カメラを通してその様子を見守った。当日の彼の思いとともに、彼が撮った写真を公開。
世界で2番目に大規模なプライド・パレードが、世界で2番目にトランスフェミニンを狙った殺人事件が多い国で開催された。これこそがメキシコが抱える矛盾だ。
この国、特にメキシコシティと市内の観光スポットが一大ブームとなっている今、僕たちが受容と幸福に満ちた楽園で暮らしていると考えるひともいるだろう。しかし、現実は全く違う。メキシコシティは〈バブル〉だ。この街にあらゆる力が集中し、住民は街の外で起きていることに気づかない。問題は非常に深刻で、暴力的だ。そこには想像を絶する悲しい現実がある。ほとんどの場所で人びとは悲惨な生活を送っていて、特にこのような時代には、その矛盾を痛感せずにはいられない。国が共同で開催するゲイ・パレード? この国はゲイコミュニティを守ろうともしないのに?
自らを祝福し、存在を可視化することで、僕たちはすでにこの世を去った人びとに想いを馳せながら、尊厳を持って生き続けることができる。自らを再建することは、極めて重要な、差し迫った課題だ。自分を再発見し、同時にこの国のせいで僕たちが直面している暴力を糾弾するために。
僕たちは、ここで行進できない人びとのために行進する。仲間が平和に暮らせるように命を投げ打った人びとのために、今、この道を歩くのだ。























Credits
Photography Dorian López
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