Netflixで出会える「わきまえない女」達

「わきまえない」勇敢な女性達を描いたネットフリックスで配信中のドラマ/アニメシリーズ5選。

by MAKOTO KIKUCHI
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22 February 2021, 1:51am

images via Instagram @glownetflix @tucaandbertie

IOC森会長の「女性のいる会議は時間がかかる」という性差別発言を契機に、ツイッター上では〈わきまえない女〉というハッシュタグが広まった。これは組織委員会の女性たちを「わきまえておられて」と形容した森氏の発言に対して発生したものだ。黙っていればお茶を汲まされ、酌を注がせられ、発言をすれば邪魔者扱いをされる。女性であることの障害が、未だにここまで大きいことにショックを覚えた。それと同時に、このことに憤りを感じ、声を上げる女性達が思ったよりもずっと多いことに希望も感じたのは私だけじゃなかったはずだ。

女性である私がいま当たり前のように選挙権を持ち、結婚を強いられることもなく、学位も得て自由な社会人として生活できているのは、ありとあらゆる障害に立ち向かってくれた「わきまえない」女性達のおかげに他ならない。そして彼女達は今も、それぞれの場所で戦い続けている。これを読んでいるあなたも、そのひとりかもしれない。今回紹介するのは、そんな勇敢な女性達にフォーカスしたネットフリックスで配信中のドラマ/アニメシリーズ5選。わきまえない女達をあなどることなかれ。

『アンブレイカブル・キミー・シュミット』

言わずと知れた大ヒット・シットコム。カルト教団により世界の滅亡を信じ込ませられ地下監禁されていた主人公、キミーが救出されるところから物語は始まる。15年ぶりに地上に出た彼女が、新天地として選んだのは縁もゆかりもない大都市ニューヨークだった––。事件の被害者として扱われることを嫌い、自らのインスピレーションは自分自身であると信じ、あらゆることに果敢に挑戦する彼女はまさにわきまえない女と言えるだろう。

『トゥカ・アンド・バーティ』

主人公のトゥカとバーティは都会で暮らす女性の「鳥類」。セクハラやパワハラなど女性が日々直面する問題に、互いを支え合って乗り越えていく二人のシスターフッドをリアルに、しかしコメディタッチで描いているのが本作の見所だ。この作品が「フェミニスト・コメディアニメ」と呼ばれる理由はそれだけでない。作中“おっぱい”はあくまで“おっぱい”として描かれる。バーティのアパートの階下に住む「植物類」の女性は常にトップレスで生活しているし、トゥカも気軽に上裸で街を歩く。アニメで女性の身体が性的に描かれ消費されることに慣れきってしまった私たちにとっては、ちょっとしたショック療法だ。

『GLOW ゴージャス・レディ・オブ・レスリング』

『オレンジ・イズ・ニュー・ブラック』の製作陣が手掛けるコメディードラマ。舞台は80年代のLA。B級映画監督のサムに導かれ、売れない女優やスタントウーマンなどハリウッドの落ちこぼれ達が女子プロレスの世界に飛び込むというストーリーだ。個性的でパワフルな女性たちが多く描かれている本作だが、特筆すべきはベティ・ギルピン演じるデビー・イーガン。かつて昼ドラに出演していた女優だったが、妊娠を機に解雇されてからは主婦業に専念していた。そんな彼女がプロレスを通じて自らを解放していく姿は痛快そのもの。

『アンオーソドックス』

エスティはニューヨーク・ウィリアムズバーグにある超正統派ユダヤ教コミュニティで育った19歳の女性だ。厳しい戒律のもと、服装や趣味趣向だけでなく、インターネットへのアクセスすらも制限される生活を送っていた彼女。決められた結婚相手との生活もうまくいかず、自由を求めていたエスティはやがてコミュニティを抜け出し、ドイツ・ベルリンへと移住し、そこで彼女は自らの手で人生を切り開いていく。閉鎖的で凝り固まったジェンダー規範を基盤とする超正統派ユダヤ教コミュニティと島国・日本の空気感にはどこか共通する部分があり、エスティの感じるフラストレーションに終止共感せずにはいられない。

『ヒルダの冒険』

北欧を舞台にした子供向けアニメ。母とふたり、森のなかで育った青い髪の好奇心旺盛な少女(ヒルダ)が、森の不思議な動物や妖精達とふれあいながら、急な環境の変化や新しい人間関係などさまざまな困難に立ち向かい成長していく物語だ。従来の冒険モノにありがちな、「勇敢な少年/儚げでか弱い少女」といったジェンダーステレオタイプから一切解放された作品とも言えるだろう。「子供の頃にこんなアニメに出会っていたかった大賞」を送りたい。

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