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      photography Noriko Wada 14 March, 2017

      ドイツ人が映し出す日本人女性「理恵」

      ロンドンを拠点に活躍するドイツ人フォトグラファーのレナ・C・エメリーによる初の写真集『RIE(理恵)』。日本人女性を被写体に、彼女はどんな思いを込めたのだろうか。

      ドイツ人が映し出す日本人女性「理恵」 ドイツ人が映し出す日本人女性「理恵」 ドイツ人が映し出す日本人女性「理恵」

      ドイツ生まれシンガポールで育ちのフォトグラファー、レナ・C・エメリー(Lena C. Emery)は、ニューヨークのパーソンズでファイン・アートを学んだのち、ベルリンでアートディレクターを経験してきた。いまはロンドンを拠点に『Gentlewomen』や『Pop』、『V magazine』などの雑誌でも活動し、今回彼女の初となる写真集『RIE(理恵)』を発売した。そのなかで、彼女が捉えた日本人女性の姿とは。

      日本女性のどんなところに魅かれたのですか?日本人の女の子について写真集を出そうと思ったきっかけは?
      身体を見せることに対する日本女性の本音を聞き出してみたかったのです。日本人は伝統を重視する保守的な文化の中で育ってきたのに、エロチックなもの、新しいもの、ハイテクなものに目がない。日本の若い女性の大多数が、この矛盾に気づいています。だからこそ、どちらの良さもよく分かるというとてもユニークな立場から、幅の広い話ができるのではないかと思ったのです。

      日本人の女の子の名前、"理恵"を写真集のタイトルに選んだのはなぜですか?
      カバーに載ってる女の子の名前です。彼女にこの本を捧げるという意味でも。東京で理恵に出会ったとき、私が探したかったことをすぐに理解してくれて、意見やアイデアをたくさん提供してくれました。この本が完成できたのは、彼女のおかげです。(理恵は2008年に生物学の学位を取得。幼少時代から線画や油絵を描いてきた。)
      「私は動物の骸骨も研究したし、デッサンのためにずっと人体を客観的に見てきているから、写真にの中の自分の姿は、人間の血管のひとつみたいな感じに見えるわ。でもレナの撮る写真はもっとずっとスピリチュアルな面を表現していると思う。大勢の人の前に出るということは、それだけで社会的な意味がある。身に着ける洋服やメイクアップは自己表現。どこで誰と何をするか決めるとき、自分の外見って大きく影響するでしょ。重ね着してる洋服を脱いでいくことで、本来の自分をどんどんさらけ出していく感じ。とても繊細な感情よね。レナの写真は、エロスでなく、被写体の人物のリアルな生の姿の記録とでもいうのかな…」と理恵は言う。

      作品に1960年から80年代のノスタルジックな日本が感じられますが、具体的に何に刺激を受けたのですか? またそのどんなところに魅かれましたか?
      私はずっと前から日本のアートや文学にすごく惹かれていて、日本の自然に対するアニミズムや根本的に象徴主義であるところ、そして美学へのアプローチが純粋であることなどに魅力を感じてきました。長い年月をかけて培われてきた日本人としての価値観から、物事に対する姿勢や意識が形成されるわけでしょう。だからこの本を作るために伝統的な日本を舞台にすることは、私にとって大事だったのです。繊細で控え目で、手を加えていない自然ならではの良さに光をあてるには、完璧さやデカダンス、人工的なものといった近代的価値観からできるだけ自分を切り離して考える必要がありました。
      初めて日本の女性に裸体を撮影させてもらった時から、裸を見せるということに対しての姿勢や考え方に違いがあることに気づきました。生まれたままの姿のポートレートである裸体、それがどのようにして美化された理想像を映し出すグラビアヌードになるのでしょう?どんなときに、ヌードになると自分の1番傷つきやすい姿を見せているように感じます? 周りに人がいることや見られていることも忘れて、私は裸なんだという強い意識が、どうしたら心もとなさからヌードの素晴らしさへの認識に変わるのでしょう? また裸体が性的な意味を成すのはどんなとき? 撮影中、私はモデルたちにこういった質問をしてしまいます。

      日本女性の最も魅力的なところは?そしてどこが1番美しいと思いますか?
      控え目な美しさかな。とても無垢な感じがするけれど、同時に何をし始めるかわからないようなところもありますね。

      昔から日本人の女性の姿を撮影されているようですが、現在の日本女性についてはどう思いますか?
      理恵や他9人の女性を撮らせてもらったのですが、最初は私もみんなもお互いに面識がなかったし、ヌードモデルの経験者もいませんでした。でも1枚ずつ脱いでいくうちにみんな生き生きとしてきて、とてもやり甲斐を感じました。

      この本のなかで、1番気に入っている作品はどれですか?
      それは表紙の理恵。彼女の眼差しはとっても感じがよく、優しいながらもかなり挑戦的です。

      写真集"理恵"から読者に何を感じてもらいたいですか?
      自分たちの体は汚れていない無垢なものだと感じることができるようになって欲しいです。最後のページのモノローグで、肌を見せることに対するもっと本質的な考えを探求してみました。現代の会話を古い時代の田舎のナイーブな少女たちが、もっと昔は自由で暮らし良かったのにねと言い合う設定にあてはめてみました。もっと身近だった自然を読者に感じてもらいたかったからです。

      日本女性へ、何かメッセージをお願いします。
      5月に日本に行きます!連絡ください。
      @lena_c_emery

      Credits

      Text Noriko Wada
      Translation Hahn Julia

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      Topics:photography, lena c. emery​, rie, interview

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