少年は光をみる:SISE AW18

4年ぶりのショーを発表したSISEは、苦難を乗り越え成長した少年の姿を描いた。

by i-D Japan; photos by Shun Komiyama
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25 March 2018, 8:30pm

子どもの頃、世界はとてもシンプルだった。点と線で表すとするとそれは家、学校、公園、友達の家で四角形くらいだろうか。大きくなるにつれて、その点と線はどんどん増えて、少しずつ輪郭を形成していく。4年ぶりのショーを発表したデザイナー・松井征心は、今までの軌跡を点と線をつないでみせた。

日が沈んだNTT日比谷ビルの屋上でブルーライトが照らされている。映画「ムーンライト」をテーマにしたという今季のSISE。幼少期と少年期、そして青年期の3時代の成長が描かれたこのストーリーを投影するかのように、ファーストルックでは右と左、正面のを向いた一筆書きの顔の刺繍が入ったロングジャケットが登場した。ブランド設立の2008年から10年間でのSISEの幼少期と少年期と青年期を表しているのだろうか。「前の規模でできるようになるまではショーはやらないと決めていました」と松井はショーの後に語った。現在、韓国の大手アウトドアウエアメーカーも手がけている彼が「知識やテクニックを勉強させてもらっている」と話すように、これまでにないスポーティーなルックや素材も加わった。SISEの点と線は次はどこへ向かうのか。

横を向いた2つのブルーと正面を向いたピンクの刺繍の色は、日が落ちるときの空の色にも似ている。でもこれは日が落ちるときのピンクとブルーなのではなくて、日が昇るときのピンクとブルーなのかもしれない。いま、太陽は昇り始めたばかりだ。