働く男性の姿に憧れて:THEATRE PRODUCTS 18AW

座席においてある封筒に入ってある紙に記された「女性がいないランウェイには、女性らしさを強調する要素が溢れています。このコレクションは女性の為に用意された、男性のワードロープです。」という言葉を読み始めたところで、ボイスパーカッションとともにTHEATRE PRODUCTS 18AWのショーが始まった。

by YOSHIKO KURATA; photos by Houmi Sakata
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23 March 2018, 10:33am

女性が男性服を着る、男性が女性服を着るそのボーダーを超えた発想は、今に始まったことでもなくファッションの世界においては当たり前である。むしろその既製概念にとらわれず、提示されたものをダイアローグのように自分のものとして着こなす楽しみがおしゃれの醍醐味なのではないだろうか。

ショー開始の前にすでにハッピームードに包まれる会場には、Kenia「Sina」やBoddy Caldwell「My Flame」などの音楽がかかる。座席にはA4封筒の中に3枚の紙、そのうち1枚には「女性がいないランウェイには、女性らしさを強調する要素が溢れています。このコレクションは女性の為に用意された、男性のワードロープです。」と記されている。2枚目にはおそらくランウェイに登場してくるであろうワードローブたちがレストランメニューのように箇条書きされる。ショーはボイスパーカッションのビートによって軽やかにスタートした。

「ニューヨークに行った時に、レストランや道端で働く男性の姿に憧れて。女性から見た男性服を作りました」そう語るように、所々ランウェイにはメンズモデルが纏うシェフや工事現場のユニフォームがあらわれる。(働く彼らの姿を服だけに集約せずに、シチュエーション含めて提示すべきだったのかもしれない)終始ウィメンズモデルを混ぜることなく、モデルもパターンもメンズに絞ったというストリクトさは、「果たしてこれは女性に向けた服なのだろうか?」とふと疑問を抱かせる。「女性のための女性の服を真正面から提案するのではなく、男性を着てる服を見て女性がどのように着こなすか想像させるようなコレクションです」これを”ジェンダーレス”というトレンドワードでまとめてしまうのはあまりにも陳腐であり、THEATRE PRODUCTSの新たな挑戦として捉えるべきだ。

「男性らしくアクセサリーなど小物は出来るだけ削ぎ落とした」と話しながらも、「東京牛」の文字と牛のモチーフや「shoe polish cloth」と書かれたバッグなどディティールで、THEATRE PRODUCTSらしいチャーミングな遊び心を残す。THEATER PRODUCTSが用意した様々な食材(衣服)を着こなす側の私たちが自由に料理(スタイリング)できる楽しみが詰まったコレクションとなった。