G-Dragon wears all clothing Chanel

G-DRAGONが語る韓国の未来

“新世紀のマイケル・ジャクソン”の呼び声高いG-DRAGON。ソウルで、エキシビション「Mademoiselle Prive」が開幕したことを記念してCHANELのためのプライベート・ライブを行なった。

by Tess Lochanski
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21 August 2017, 5:54am

G-Dragon wears all clothing Chanel

This article was originally published by i-D France.

G-DRAGONの音楽は、韓国の未来のサウンド——いや、わたしたち全員の未来のサウンドだ。6歳にして、90年代中期に韓国音楽界を一世風靡した男女混声グループ、リトル・ルーラの一員となり、ポップス界のスーパースターたちのバックで数年間学んだ後、数々のレコード・レーベルでのインターンを経験して、スタートしての素質を育んだ。そんなGドラゴン、現在は、まるで音楽界の賢者のような存在感を放っている。そしてその存在感は自国韓国を超えて、いまや世界を魅了している。彼が持つ流動的な男性らしさ、ポップスの領域を超えたポップス音楽、そして観客を圧倒するステージ上での自信溢れる存在感は、彼を、その音楽ジャンルの最先端へと押し出した。

すべてが超速で進み、誰もがトップ争いに興じている現代、どんなキャリアにおいてもアーティストの生存率は極めて低い。しかしそんな中でも、G-DRAGONはこれまで常に一歩先をいき、わたしたちに新しいものを見せてくれ続けてきた。

彼は、同年代の多くと同じく、何にでも柔軟でオープンな姿勢を持ち合わせている。そして、音楽にもファッションにも、同じ姿勢で挑んでいる。彼が立ち上げたファッション・ブランドPeaceminusoneは、彼が持つ世界のビジョンを具現化したひとつの手段でしかない。2015年、ソウルを訪れたカール・ラガーフェルド(Karl Lagerfeld)は、「じきに世界が韓国に、そしてG-DRAGONに、夢中になる」と予言した。それ以来、彼は常にCHANELの琴線に触れ続け、先日には、ソウルで開幕したエキシビション『Mademoiselle Prive』でパフォーマンスを披露した。そこには、G-DRAGONが率いる未来のビジョンがあった。

こんにちは、G-DRAGON!さて、あなたはCHANELを着て、いままさにCHANELのイベントでパフォーマンスを披露したわけですが、このメゾンはあなたにとって何を意味していますか?

CHANELはCHANEL—ブランドじゃない。CHANELのような存在は唯一無二。どこへ行こうとも、世界の誰もが知っている存在。CHANELを説明するなんて不可能。CHANELは動詞として機能する存在だと思う。

とても親密な雰囲気のショーでしたが、スタジアム・コンサートと比べてどうでしたか?

本心を言えば、僕は小規模のショーのほうが好きなんだ。ショーというのは、毎回違うもの。同じエネルギーは2度と感じられないし、観客も違う。そこに生まれる雰囲気や勢いも変化し続けるもの。

ステージに出る前のあなたについて教えてください。

落ち着いてるよ。もうかれこれ長い間これをやってきているから、慣れてるんだ。音楽を始めたのは、数え年で6歳のとき。ビッグバン(Big Bang)を結成したのが19歳のとき——数え年19歳を西洋の年齢に置き換えると、17歳?

数え年?

そうだよ! 数え年というものが残っているのは世界でも韓国だけなんだそうだよ。韓国大統領に訊いてみて! なんでそうなるのかね……西洋の年齢で、今、僕は28歳なんだけど、韓国の数え年に置き換えると30歳ということになる。30だよ……

アジアではスーパースターのあなたですが、西洋でも絶大な人気です。アイコンである気分は?

そんなふうに言ってもらえて光栄だよ! それが21世紀というものだよね——誰もが繋がっていて、世界は常に動き続けている。それは特別なことのように見えるけど、同時にとても自然なことのようにも思える。新しい投稿をアップすれば、世界中のひとびとが即座に、そのとき僕が何をやっているかわかってしまう。僕とひとびとを繋げてくれているのと同じように、ソーシャル・メディアは、今、ファッションと音楽、アートとポップを密接に結びつけてくれていると思う。

あなたは、ブランドPeaceminusoneの展示会をパリで開催しました。ご自身をデザイナーと認識していますか?

デザイナーとは考えず、アーティストだと思ってる。たくさんの洋服を扱うアーティストだとね。Peaceminusoneは、ファッション・ブランドじゃない。2~3年前、ブランドとして、ソウル私立美術館でエキシビションを開催して、新進気鋭のアーティストたち育成の支援をしたことがある。世界のひとびとに、韓国にもたくさんの才能ある芸術家がいて、彼らがいかに素晴らしいものを作り出しているかを知ってもらいたいと思ったんだ。

シーズンを追うごとに、韓国ファッションはその規模を拡大しています。そして、ひとびとはそれを社会現象として見ています。あなたもそう感じますか?

勢いを増しているのはたしかだけど、それはファッションに限ったことではないと思う。韓国の市場が拡大しているんだよ。ファッションであろうと、音楽全般であろうと、もちろんKポップも、その他多くのものが、今、世界で認められてきている。それはカルチャーで、僕もその一部なんだよね。

音楽を作り始めたころ、このような変化が訪れると予測していましたか?

音楽の世界に入ったころは、有名になろうなんて思っていなかった。それがもっとも大きな目的ではなかったという意味でね。でも、もちろん、韓国文化に多くのひとが興味を持ってくれるようになっている今、自分が評価され、有名であるという現実にはとても誇りを持っているよ。光栄と言ってもいい。僕は自国韓国を愛しているから、韓国が輝いてくれるのを見ることに大きな喜びを感じている。すべてが高速で起こっている現状には、良い面も悪い面もある。でもそんな状況でもそれを最大限まで活用しようと思っている。まだまだ新しいことに挑戦してたくさんのことを学びたい——そしてそういったことを若い世代に教えていけたらと思う。

韓国スタイルとは何ですか?

もっと若かったころ、僕は日本の文化やスタイル、生活様式にとても興味があった。中国の映画も好きだった。何が言いたいかというと、韓国人はかつてアジア諸国からから多くを学んでいたんだ。アメリカやヨーロッパからもね。韓国人は、学ぶのがとても速いんだよ。大切なのは、学び続けること。それを止めてしまったら、ただの真似事になってしまう。だから、アーティストになりたければ、自分らしく、自分の世界を追求していくんだ。基本的に、韓国スタイルとは、進化をやめない姿勢にあるんだと思う。かつてヨーロッパは日本に魅了されていた。でも今、注目は韓国に集まっている。ミニマリズムや美的感覚ではなく、韓国が放つエネルギーにひとびとは魅了されているんだ。

そのエネルギーはどこから生まれているのですか?

それはね、韓国人がハングリー精神を持っているからだよ。名声と認知度を手に入れたにもかかわらず、それでも「もっともっと」と、歩を緩めない。まだ満足していないんだ。僕も含め、韓国人はもっと速く、もっと先へ行きたいんだ。音楽でもファッションでも、アートでもね。一撃で射止める——それが僕のメンタリティだよ。

音楽を作る目的とは?

それは難しい質問だね。答えが思いつかないから、最新アルバム『Kwon Ji Yong』の話をしようと思う。タイトルは僕の本名。30歳になり、新たな一歩を踏み出す今を、アルバムにした。30歳ということで、「これが僕のキャリアの第3章」として、ツアーも「Act III M.O.T.T.E.」と名付けた。「M.O.T.T.E.」は、「母の子宮」を意味している。このアルバムでは、自分のルーツに立ち返っているんだよ。僕たちは今、デジタルな世界に生きている。だからこそUSBでのアルバム発売という形態をとったんだけど、USBひとつひとつに、DNAを意味する赤い字を書き込んだんだ。いくつかは僕自身が書いたんだよ。

お願い事をするとしたら、何を?

自分自身のための願い事? i-Dの表紙を飾りたい!

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Credits


Text Tess Lochanski
Photography Yoong Jang