Maison Margielaのオープニング・モデルを務めた16歳のトランスモデル

2019年春夏コレクションで、ランウェイデビューを果たした期待のニューフェイスに迫る。

by Steve Salter
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18 February 2019, 5:44am

This article originally appeared in i-D's The Superstar Issue, no. 354, Winter 2018

フィンズベリー・パークのスーパーの店先でスカウトされてから1年。ロンドン北部を拠点に活動する16歳のトランスモデル、フィン・ブキャナンは、2019年春夏コレクションでランウェイデビューを果たした。職人の技術から着想を得た、性別を飛び越えるMaison Margielaのショーでオープニング・モデルに起用されたフィンは、美の概念を捉え直したMiu Miu、ファンタジックなファッションを展開したMarc Jacobsのショーにも出演し、Matty BovanのショーではCoachのモノグラムが描かれたバズカット姿で登場した。「仕事を始めてからたった半年で、Maison Margielaのオープニング・モデルを務め、Miu Miuのランウェイも歩きました」とフィン。「ショーに出て、ファッションウィークに参加できたことは、自分にとって大きな成果です。これこそ自分がすべき仕事だ、って実感できたので」

「私はいつもジェンダーフルイド、ジェンダーレス、アジェンダーなどと呼ばれます。私に与えられたアイデンティティです。でも、フィンという名前を選んだのには理由があります。フィンは小学校のときの親友で、白血病で亡くなりました。自分の〈ボーイネーム〉を選ぶことになったとき、何か意味のある名前にしたくて。彼が誇りに思ってくれるような人生を送れるよう、努力していきたい」。このような揺るぎない意志によって、フィンは見事Maison Margielaの広告塔の座を射止めた。クリエイティブディレクターのジョン・ガリアーノは、「ルールなんて存在しない。手本を示すのはあなただ」と宣言し、恐れ知らずのZ世代に向けた革新的なショーを繰り広げた。ありのままの自分でいることが、Z世代の反逆なのだ。

「学校などには明文化された規則がたくさんありますが、社会には数え切れないほどの暗黙のルールやレッテルが存在します」とフィン。「例えば、男の子は短髪で、女の子はロングヘアだとか。そんなルールなんて気にしなくていい。男/女はこうあるべきっていうルールが、私たちの日常に根付いてしまっている。親世代のルールに私たちがなんの疑問ももたなければ、それは私たちの世代にも受け継がれてしまいます」。常に問題を提起し続けてきたフィンは、思春期に抱いた疑問に、自分なりの答えを見つけた。「今の世代は親たちに反乱を起こしている。ただ親の考えを否定するだけじゃなく、彼らとは違う子育てをしたい、と願ってるんです。私たちの子どもたちは、きっとみんないい子に育つと思う」。モデルの仕事と学業を両立するフィンの最終的なゴールは、より良い未来を築くことだ。「ゆくゆくは慈善団体か基金を立ち上げて、トランスが体験してきた苦しみを子どもたちに伝えたい。私自身も体験したことだし、疑問を口にすることに不安を感じるひともいる。彼らが安心できる場所をつくるのが、私の目標です」

16歳のフィンは、キャットウォークから世界を目指す。

finn buchanan photographed by felicity-ingram
Finn wears jumper Frenn Helsinki. Jewellery Ekria.

Credits


Photography Felicity Ingram
Styling PC Williams

Hair Anna Cofone at The Wall Group using Less is More from Barnholdts. Make-up Marie Bruce at Eighteen Management using Marc Jacobs Beauty.

This article originally appeared on i-D UK.