『超プロテスト・ミュージック・ガイド』の考える音楽

"ポリティカル"な音楽のパワーについて再考する注釈つきのプレイリスト集『超プロテスト・ミュージック・ガイド』が2月9日に発売された。

by Ray Washio
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19 February 2018, 6:59am

「私は、音楽において、"ポリティカル"な側面こそが、営利主義のメカニズムや"耳あたりのよさ"といったものの幅を利かせた支配力によってとかく頻繁に脇に追いやられるものだと考えました。音楽は、おそらく、それが自由とか社会的正義に対する私たちの政治的願望を形にして見せてくれるとき、あるいはそれらと同調するときに、最も説得力を持つものになり得るのですが。このコレクションは、私たちの誰もが利用できる、ポリティカルな音楽の深い井戸を指し示すものです」(序文より)

本書は2012年にイギリスで刊行された『Agit Disco』の日本版。『Agit Disco』は作家やDJ、ライター、活動家やアーティストなど、計23名による選曲によって構成され、ロックやヒップホップ、テクノなどジャンルにとらわれず音楽の持つ政治的な力について考察された本だ。チャック・ベリー「Too Much Monkey Business」やパブリック・エナミー「Fight The Power」など幅広い選曲によって、読み物としてだけでなく、プレイリストとしても楽しめる内容となっている。

日本版となる今回の『超プロテスト・ミュージック・ガイド』では、原書で紹介された23名によるプレイリストに加えて、日本人のリストも追加された。荏開津広、木津毅、栗原康、桑原茂→、坂本麻里子、ブレイディみかこ、松村正人、三田格、行松陽介が名を連ねており、選曲とともに彼らの解説を読むことのできる豪華な内容となっている。政治というと難解なイメージを持つことがあるが、音楽について真剣に考えたとき、楽曲を通して伝わる彼らの主張に耳を傾けずにはいれない。時代を超えて考えるべき問題がここにはあるような気がする。

『超プロテスト・ミュージック・ガイド』
編集:ステファン・ジェルクン
翻訳:鈴木孝弥, シンドストラン・ラヴ

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