フランク・オーシャン ジェンダーの壁を打ち破ったプリンスに捧げた投稿

「プリンスはビキニとヒールのニーハイブーツをはいてテレビ出演をした、最初のストレートの黒人男性だった」

by Hannah Ongley
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06 May 2016, 4:50pm

ポップスのスーパースター、プリンスの逝去を受け、音楽界のいたる所から感情溢れる追悼の言葉が寄せられている。そんな中、業界のみならず音楽ファンの間でもその存在感を増すフランク・オーシャン(Frank Ocean)が、自身のTumblrに投稿をし、ジェンダーを分担するという旧習を真っ向から跳ねのけたプリンスへの感謝の気持ちを長文で綴った。

「プリンスはビキニとヒールのニーハイブーツをはいてテレビ出演をした、最初のストレートの黒人男性だった。あれは最高だった」とオーシャンは書いている。「彼が、"性の役割"という古臭い考えを歯牙にもかけず、自由に振舞ってくれたおかげで、自分のセクシュアリティを自然に受け止めることができた。型にはまったあり方を跳ねのけていく彼を見て、もっと大胆に、本能にしたがって音楽を作ろうと思えたんだ。あらゆる意味での先駆者であり天才的だった彼が成し遂げた数々の業績は、人々の記憶に刻まれ、これからも残っていくだろう」

オーシャンは、2012年にTumblrでカミングアウトした。プリンスがゼブラ柄のビキニでテレビに登場してから30年後のことだ。「自由に感じる」とオーシャンはその時の投稿で綴っている。「耳を澄ませば、空が落ちてくるのが聞こえる」。その後、彼は同性愛嫌悪が強い業界内からの反感を浴びることとなった。

オーシャンが投稿した全文を読んでみてほしい。

「安らかに眠れ、と言うつもりはない。これは死以上のものだから。残念なことに、彼と話すことも(1度見かけたことはあるけど、あまりにも緊張しすぎて話しかけられなかった)、生で演奏を見ることも叶わなかった。人づてに聞いた伝説と、ヴァーチュオーゾ(名手)が作った勇敢で、挑発的な作品群を見聴きすることでしか彼を知ることはなかった。他人の意見に従うことにそれほど価値はないとプリンスは若くして知っていたのだろうと思う。それは彼の服装や髪型、歩き方、ギターの音、そして魂の叫びからも滲みでていた。僕がずっと好きなのは『When You Were Mine』。単純なメロディの、とてもシンプルな曲で、誰もが『先にやればよかった』と思うけど、絶対に思いつかないような曲だよ。『自分ももしかしたら』と思わせる、天才にしかできない思わせぶりなアプローチだった。彼が、"性の役割"という古臭い考えを歯牙にもかけず、自由に振舞ってくれたおかげで、自分のセクシュアリティを自然に受け止めることができた。型にはまったあり方を跳ねのけていく彼を見て、もっと大胆に、本能にしたがって音楽を作ろうと思えたんだ。知的財産を巡る闘い、頬に書かれた"SLAVE(奴隷)"の文字、名前をシンボルにするアイデア……誰に決め付けられることも、利用されることも拒んだ。あらゆる意味での先駆者であり天才的だった彼が成し遂げた数々の業績は、人々の記憶に刻まれ、これからも残っていくだろう。僕は生涯を通して、プリンスのファンだったことを誇りに思う」

Credits


Text Hannah Ongley
Translation Shinsuke Kuriyama at WORDSBERG Inc.

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