『トレインスポッティング』の連中はいま?

公開20周年を迎え、続編の製作が発表されている映画『トレインスポッティング』。そこで、登場人物たちの軌跡を辿ってみよう。

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14 september 2016, 5:24am

公開から20年が経った今もなお、映画『トレインスポッティング』はスコットランドが世界に誇る、最も無骨で人間臭い映画として歴史にその名を残している。そして、2016年時点で映画界を席巻しているスパイ映画やCG多用のスーパーヒーロー映画への最大のアンチテーゼとして、常に引き合いに出される存在にまでなっている。アーヴィン・ウェルシュによる原作を映画化したこの作品——後にも先にも、ヘロインが人間の精神に及ぼす影響をここまで芸術的に(視覚描写的に、といったほうが良いだろうか)表現できた映画は、この作品をおいてないのではないだろうか。オープニングからナレーションで語られるセリフは、21世紀に入って10年あまりを経た今、それとは知らずに広告などで借用されるほどカルチャーに浸透している。レントンが便器に飛び込むシーンや、ベッドで"大"をお漏らししたスパッドが目覚めるシーン、そして赤ちゃんが死んでしまうシーンの冷たく残酷な現実味(それでもタブロイド誌はこの映画がドラッグ使用を美化していると騒ぎ立てた)など数々の衝撃シーンで世界を席巻した『トレインスポッティング』は、どこをとっても比類なきアイコニックな名作映画なのだ。

『トレインスポッティング』の成功によって、俳優ロバート・カーライルとジョニー・リー・ミラーのキャリアは花開き、ユアン・マグレガーと監督ダニー・ボイルはエジンバラが生んだ最大のハリウッドサクセスストーリーとなった。まったく詳細でない情報で、彼らの近況に迫る(ヒント:ほとんどが『ハリー・ポッター』……)。

ユアン・マグレガー:マーク・レントン(レントボーイ)
『シャロウ・グレイブ』(1994)への出演で、すでにそれなりの成功を手にしていたユアンだったが、『トレインスポッティング』でマーク・レントンを演じたことでその名を広く知られることとなり、彼のキャリアは別次元に向かった(『スターウォーズ』のオビ=ワン役を射止めたのは『トレインスポッティング』が大ヒットしたすぐ後のことだった)。『ムーラン・ルージュ』(2001)など、後世まで語り継がれる名作映画の数々で彼を見たことがある読者も多いと思うが、彼のInstagramを見たことがあるだろうか?たとえばこれとか、これとか?ユアンが『美女と野獣』のリメイク版で披露している、耳に心地よいスコットランド訛りの歌声に期待が高まる。

ロバート・カーライル:フランシス・ベグビー(フランコ)
『トレインスポッティング』でのフランコ役に続き、『フル・モンティ』(1997)でのガズ役が大当たりしたことで、90年代はロバート・カーライルにとって黄金期となった。その後も『007 ワールド・イズ・ノット・イナフ』(2000)や、ボイル監督作品『ザ・ビーチ』(2000)と『28週間後』(2002)、そしてアメリカで数々のテレビドラマと、絶えず出演オファーが続いたことに、カーライルのトレードマークともいえるセンター分けの髪型と凄みのある睨みが人々の意識に「狂気のイメージ」としてすっかり根付いていることが見て取れる。2015年には『The Legend of Barney Thompson』で監督デビューも果たしている。

ユエン・ブレムナー:ダニエル・マーフィー(スパッド)
気を失って寝ていたベッドのなかで排泄してしまうという、映画史に残る衝撃シーンを生み出した俳優であるにもかかわらず、ユエンはその後のキャリアにおいて他のキャストほどの成功を収めることができなかった。とはいえ『トレインスポッティング』からの旧知の仲であるユアン・マグレガーと再び共演した『ジャックと天空の巨人』(2013)など、その後も俳優として安定した活動を続けている。『The Herald Scotland』紙は最近の記事のなかで、ユエンについて「物静かで寛容、フレンドリーで思慮深く、決して自らの感情に飲み込まれるような男ではない」と書いている。ユエンは、私たちが思い描いたとおりの男だったようだ。

ジョニー・リー・ミラー:サイモン・ウィリアムソン(シックボーイ)
シックボーイは、その後も数々のテレビドラマや映画に出演した。実世界でも、アンジェリーナ・ジョリーの夫を18ヶ月間演じきった。現在、アメリカのテレビドラマ『エレメンタリーホームズ&ワトソン in NY』でシャーロック・ホームズを演じているジョニーだ。プレミアイベントでレッドカーペットに現れた彼は、色気溢れる大人の男に成長していた。諸君、ここはもうリースではないのだ。

ケリー・マクドナルド:ダイアン・コールストン
『トレインスポッティング』撮影時はまだ19歳だったマクドナルド。演技の経験もなく挑んだダイアン役だったが、映画の成功のおかげで、その後も『ハリー・ポッターと死の秘宝』(2011)や『ノーカントリー』(2007)、『アンナ・カレーニナ』(2012)など有名作品に出演している。今年はコメディアンのリッキー・ジャーヴェイス最新映画『Special Correspondents』に出演するというから楽しみだ。

ケヴィン・マクキッド:トーマス・マッケンジー(トミー)
スコットランド映画に寄与し続ける俳優、マクキッド(彼のフィルモグラフィーを覗くと、ハミッシュやケニー、ダンカンといった伝統的のスコットランド人の名前が並んでいる)。彼のキャリアは『トレインスポッティング』の共演者たちに比べるとそれほど派手には花開かなかった。最近では、ピクサー映画『メリダとおそろしの森』(2012)でマクガフィン卿の声を担当したが、そのなかでトレインスポッティング仲間のケリー・マクドナルドとの再共演を果たしている。

ピーター・マラン:スワニー(マザー・スーペリア)
『ハリー・ポッター』シリーズに多く出演しているもよう。

シャーリー・ヘンダーソン:ゲイル・ヒューストン
『ハリー・ポッター』。

ダニー・ボイル:監督
ロンドンオリンピックの開会式を総合演出したほか、多くの作品を監督している。『ハリー・ポッター』の監督を務める予定はなさそうだ。

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Credits


Text Ryan White
Translation Shinsuke Kuriyama at WORDSBERG Inc.